養育費の支払いは親の義務-養育費の支払いが滞ってしまうことはある?-

養育費の支払いは親の義務

離婚をする際に取り決める養育費の支払い。「毎月一定額を支払ってくれるから、私の給料や扶養手当と合わせて何とかやっていける」と思っていると、とんでもない事態になる可能性があるのを知っていますか?実は養育費は、払う人よりも払わなくなる人の方がずっと多いのです!

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父親から養育費を受けている家庭は約2割

養育費を約束通り払うケースは、極めて少ない

養育費に関して、日本は非常に厳しい現実があります。夫婦が離婚をして母親が子どもを引き取った場合、父親から養育費を受け取っている家庭は、なんと2割以下に過ぎません。日本の場合、女性が離婚後に働く環境が欧米諸国に比べて極めて厳しい現実があるにも関わらず、この数字なのです。

実は、これには理由があります。欧米などでは離婚をする際に裁判が必要となるため、裁判官を通して養育費の取り決めがなされます。これを破った場合は、法律的に罰することも可能なのです。

ところが日本は、ほとんどの夫婦が協議離婚をします。二人の意思があれば紙切れ一枚で離婚することができるため、「スムーズに離婚できて良かった」と思うかもしれませんが、そうではないのです。

養育費を突然もらえなくなるケースがある

「離婚協議書があるから大丈夫」ということはない

離婚をすることも簡単なら、養育費を払わなくなることもそう難しくはないのが、日本の離婚事情です。離婚問題は法律上刑事問題ではなく、民事問題の分野に入ります。「養育費を払わなくなる」ということは民事事件に該当するのですが、民事の場合は当事者のプライバシーに関わることには、基本的に介入することができません。

たとえば、離婚協議書で養育費の取り決めがされていたとしても、相手が突然払わなくなったときに、相手の銀行口座や所持金などを裁判所が調べることはできないのです。この場合、「相手の給与を差し押さえる」「退職金を差し押さえる」というようなことで養育費を確保することは可能ですが、そこまでする勇気はなかなかない人が多いのも現実です。

養育費を払えるお金があっても、払わずに済んでしまうケースがある

たとえ相手の給与を差し押さえようとしたとしても、相手がその危険性を考えて、会社を退職してしまっているという場合もあります。もちろん、相手は退職金を受け取って銀行に預金している筈ですが、預金や現金を差し押さえるということはできません。たとえ離婚相手が養育費を払えるだけのお金を持っていたとしても、払わずに済んでしまうという訳です。

元妻がもし離婚相手の目の前にいたら、「あなたは男だからそれなりの収入をもらい続けることができるけれど、私は子どもをかかえて正社員として雇ってくれる会社もなく、養育費がなければ極貧の生活を送らなければならない!」と相手に叫びたいところでしょう。実際、母子世帯の半分以上は貧困に悩み、中には日々の食費もままならない状況の家庭もあるのです。

養育費が途絶えてしまった、Aさんの事例

不倫を続ける夫と調停離婚したAさん

Aさんは長い間不倫関係を続ける夫と2年前に調停離婚をして、毎月5万円の養育費を子どもが成人するまで受け取るという約束をしました。離婚をして3ヶ月後に、元夫は不倫相手と再婚をしました。

そして数ヶ月後、元夫はそれまで払い続けていた養育費をしぶるようになり、Aさんが請求の連絡を入れると期日に遅れて払ったりするようになったのです。そしてとうとう1年後、入金は途絶えてしまいました。

Aさんにとって、養育費は生活の大きな支えとなっていたため、これからどうしていいのかまったくわからなくなりました。元夫にメールを入れると、「妻に家計を任せている」という、わけのわからない返事が返ってきただけ。Aさんは途方に暮れて、弁護士に相談をしました。

履行勧告によって、養育費不払い問題は解決

Aさんが必死の思いで状況を説明したところ、弁護士は元夫に対して「履行勧告」を出してくれました。すると元夫の妻から手紙があり、家計を任されてはいるものの、養育費の不払いを言ってきたのは元夫だということがわかりました。そしてAさんに対して心から詫びるとともに、今後の養育費の支払いに応じました。

養育費の不払いがあっても、けっして諦めないことが大切!

まずは法律のプロに相談し、解決策を考えること

このAさんの事例のように、たとえ養育費が不払いになったとしても、さまざまな手段を使って支払いを復活させる人もいます。大切なのは、けっして諦めないこと!まずは離婚に強い弁護士に相談し、どんな解決策があるのかを相談しましょう。

「弁護士費用がないから、相談はできない」という人もいるかもしれません。その場合は、国の司法支援センターである「法テラス」から、無利子で費用を立て替えてもらうこともできます。たとえ夫婦は別れても、相手がその後再婚したとしても、子どもが二人の子であることには変わりありません。そのことを相手にも、きちんとわかってもらう必要があります。

そして、子どもが大人になるまでの間、健やかに育つことを二人でしっかりと見守ることです。離婚をしたことで子どもが貧困に泣いたり、将来に希望を持てなくなるようなことは、けっしてあってはなりません。これを打開するためには、今まで勇気がなくて泣き寝入りをしていたシングルマザーが立ち上がり、「このままでは困る」と声を上げることが必要なのです。

離婚の際は必ず「離婚協議書」を作成し、「公正証書」として残すこと

養育費の不払いが起こったときに対処するためには、「離婚協議書」があるかどうかが大きく影響してきます。慰謝料や財産分与といった他の項目も含め、離婚に関する取り決めは口約束ではなく、絶対に「離婚協議書」として文書に残しましょう。

そして、離婚協議書を公に認められる文書とするためには、公証役場に行って「公正証書」として残す必要があります。公証役場では元検事や弁護士など、法律の専門家がプロの目でチェックをするので、養育費に関する取り決めも絶対的なものとなります。

養育費の不払い防止に取り組み始めた自治体

養育費の「合意書」を配り始めた、兵庫県明石市

いままで養育費に関して悲観的なことばかりを書いてきましたが、そんな暗い話ばかりではありません。子どもの貧困対策としても、養育費の不払いが大きな問題だということは、国や自治体も十分わかっているようです。兵庫県明石市では、2014年4月から離婚届の用紙を取りに来た夫婦に対して、養育費の金額や支払期間などを記入する独自の「合意書」を配り始めました。

この合意書を作った泉房穂(ふさほ)市長は、元弁護士。「他の国は夫婦が離婚した場合、子どものことを考える行政または司法のシステムがあるのに、日本にはそれがない。子どもには栄養(養育費)と愛情(面会交流)を受ける権利がある」と考えたのだそうです。

その後泉市長は国会議員になり、養育費の立て替え払い制度を提案しようとしたのですが、議員にもマスコミにも相手にされなかったとか。そして明石市長になり、他の自治体にも無理なく広げられる「合意書」の制度を実施したのです。

合意書は絶対的なものではありませんが、少なくとも調停や公正証書を作る際の資料とはなり得ます。今後は公証役場や家裁での手続きのワンストップ化や、養育費の立て替え払い制度も考えているそうです。

養育費の不払いに手をこまねいて何もしないのではなく、一歩でも二歩でも歩み寄ってくれる自治体があるということは、シングルマザーにとってとても心強いことと言えるでしょう。

養育費について相談できるセンターもある

養育費問題は、国や自治体の施設に積極的に連絡を

厚生労働省の委託事業である「養育費相談支援センター」(http://www.youikuhi-soudan.jp/)では、養育費の不払いなどに悩む人の相談を受け付けています。面談だけでなく、電話やメールによる相談も可能です。

また、各自治体にも「母子家庭等就業・自立支援センター」などに相談員が配置されているので、最寄りの相談センターに連絡をして、相談してみることをお勧めします。

たとえ養育費が払われなくなってしまっても、「どうしようもない」と悲観するのではなく、「どうしたらいいのだろう?」と解決策を練ることが大切です。

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