親権者が決まらないときに、円満に解決できる方法とは?

監護者と親権者を分ける

離婚をするときは、必ずどちらかが子どもを引き取らなければなりません。たとえ二人が一緒に可愛がってきた子どもでも、これは絶対に避けられない選択なのです。話し合いが決着つかずに調停へと進む前に、誰も傷つくことなく解決できる方法を、今一度見つめ直してみましょう。

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親権をあきらめる代わりに、「面接交渉権」を得る

一緒に暮らさなくても、ときどき会う方が楽しい関係を築けることもある

親権の話し合いがどうしても決着しないときには、夫(または妻)が親権をあきらめる代わりに、「面接交渉権」を得てときどき子どもと会うという方法があります。

たとえば夫が毎日仕事で帰りが遅い場合は、たとえ親権を持って子どもと一緒に暮らしても、実際に子どもとコミュニケーションを取れるのは週末ぐらいでしょう。逆に親権を取って子どもを養育する義務が生まれたときに、子どもの世話が十分にできず、仕事に支障をきたす可能性がないとはいえません。

このような状況であれば、あえて親権者という立場はあきらめ、その代わりに週末に子どもと会って遊べる約束を取り交わすのもひとつの方法です。

子どもの面倒をみるということは、並大抵のことではない

子どもと一緒に暮らすということは、子どもの服を洗濯したり、宿題の手伝いをしたりといった日々の繰り返しを共にするということ。そこには喜びもありますが、果てしなく手間がかかる大変な作業でもあります。

特に今まで妻(または夫)にそれを任せてきた人は、相当の覚悟がなければ引き受けることはできないでしょう。どんなに一生懸命面倒をみても、子どもにわかってもらえずにキレそうになることさえあります。

それよりは、毎週末に子どもと公園で会って一緒に遊び、いろいろな会話をして楽しい思い出を作ることの方が、よっぽど良いという考え方もあります。親権を取った妻(または夫)は、仕事と子育てでヘトヘトになるので、週末ぐらいはパパ(またはママ)が遊んでくれると助かるに違いありません。実際、海外ではそのようにしている離婚夫婦が大勢います。

子どもにとっても、毎日の世話が大変でイライラするパパ(またはママ)と一緒にいるよりは、たとえ週末だけでも思う存分一緒に遊べるパパ(またはママ)の方が大好きなはずです。

ただしその場合、「子どもと会っているときに、離婚相手の悪口をけっして言わない」「お小遣いやプレゼントなどをあげ過ぎない」といったルール作りは、お互いにする必要があるでしょう。

子育て期間はあっという間。子どもが大人になってからの関係も考えて

こうして父と母が離れ離れになりながらも、良い関係を築いていくことができれば、子どもはスクスク育つことができます。そして子どもが大人になったときには、離れて住んでいても父(または母)と子で一緒に食事に行ったり、飲みに行ったりする関係を育むこともできるでしょう。

「親権を譲る」というと、まるで一生子どもと離れてしまうような錯覚を持つ人もいますが、けっしてそうではありません。親権は、子どもが成人するまでの間、子どもを保護し養育する権利と義務のこと。その期間は、後から考えるとあっという間で、むしろ親権が終了した後の期間の方が長いかもしれません。

やがて子どもは結婚し、子どもが生まれるでしょう。そのときに、おじいちゃん(おばあちゃん)として堂々と会うことができるかどうかは、離婚後の元夫婦の関係次第ともいえます。親権で争って泥沼の離婚劇を繰り広げるよりは、一歩下がってお互いに譲歩しながら、未来に向けての最善策を練るのがベストの方法といえるのではないでしょうか。

離婚相手が子どもとの面会交流を嫌がった場合は?

離婚後に、夫(または妻)が「子どもに会いたくても会わせてもらえない」というケースは、少なくありません。夫婦の間にあまりにも辛い出来事があった場合には、「もうこれ以上、相手とは関わりたくない」という思いから、子どもとの面会も避けたがる傾向にあるからです。

たとえば妻が夫を見限って子どもを連れて出て行った場合などは、たとえ離婚はしていなくても、すでに妻が子どもを監護している状態にあるため、夫が親権を得ることはまず難しいでしょう。この場合、夫は親権をあきらめ、面接交渉権を得たいと望みますが、それすら拒まれる事例は数多くあります。

しかし、離婚をしても親であることには、変わりありません。面会交渉権は親の権利としてあるので、あきらめずに言い続けましょう。もしもそれでも受け入れられない場合は、弁護士などに相談し、試行的に面会を行うなどしながら少しずつ心がほぐれるのを待つという方法もよくとられます。ただし、DVなどの特別な離婚原因がある場合は、これには該当しません。

親権決定の事例など、具体的な資料を見せて話し合う

現実を知らずやみくもに話し合っても、進展はない

親権について話し合う際、ただやみくもに「私が育てる」「いや、俺が育てた方が幸せになれる」と感情論で話し合っても、お互いに納得できないのは無理もないでしょう。もともと、子どもは両親のもとで育つのが当たり前。それを崩そうとしたときに、子どもにとって理想的な状態を作ることが難しいのは、当然といえば当然のことです。

「どちらが引き取っても子育ては大変だけれど、どちらかといえば、母親(または父親)が引き取る方が良い」という非常に微妙な判断なので、個人レベルで冷静に親権者を選べる夫婦の方が、少ないのかもしれません。

あとはもう、「このまま話し合いがもつれたときに、いったいどちらが親権を取る可能性が高いか」を示すデータを見せることによって、「これはもう、自分が闘っても勝ち目はないだろう」と判断するのが一番現実的でしょう。

離婚調停・審判では、9割が母親を親権者に指定

男性には酷なようですが、家庭裁判所で親権に関する調停や裁判などを行った場合、ほとんどが母親を親権者に指定しています。2015年度の司法統計によると、離婚調停・審判で離婚に至った夫婦の中で、父親が親権者になったのは1947件、母親が親権者になったのが18416件でした。つまり、ほぼ9割の事例が、母親を親権者に選んでいるのです。

この結果は、子どもに慕われ、子どもを慈しんで育ててきた父親にとっては、非常に惨い結果かもしれません。実際に、“親権は母親が取ったが、本当は父親が引き取った方が子どもを幸せにできたかもしれないケース”というのは、確かにあるでしょう。

しかし親権に関する話し合いがまとまらない場合、この現実がある以上は、遅かれ早かれ結果は想像できます。それでもとことん親権を主張して闘うか、それよりも面接交渉権を得て子どもと頻繁に会える方法を選ぶかは、その人の選択次第です。

いずれにしても、こうした具体的なデータを見せることによって、話し合いが現実味を帯びてくることは確かでしょう。

親権を「身上監護権」と「財産管理権」に分ける方法もある

親権を分け合うことで、解決へと導く

「親権を取る」ということにお互いにこだわりがある場合は、親権の中の「身上監護権」と「財産管理権」を、夫婦で分け合うという方法もあります。

身上監護権には、子どもの身の回りの世話をし、しつけや教育をするなどの権利・義務があります。子どもと一緒に住むのは、この身上監護権を持つ人です。そして財産管理権には、子どもの財産を法的に管理し、子どもに代わって法律行為を行うなどの権利・義務があります。

親権者をどちらにするか、どうしても折り合いがつかない場合には、父親を財産管理者・母親を監護権者(またはその逆)にするなどの方法がとられます。ただし、財産管理者と監護賢者が対立するようなことがあると、子どもの成長に悪影響を及ぼすことがあるので、このケースが認められるのはごく稀です。

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