離婚の財産分与は半分ずつ、でも家や車はどうやって分ける?

金銭以外の財産の分け方

離婚をするとき、夫婦の財産は半分ずつに分けるのが基本です。でも、お金なら「500万円あるから、250万円ずつ」ときれいに分けることができますが、家や自動車・貴金属などは、二つに割るわけにはいきません。では、いったいどうやって分けたらいいのでしょうか?

【財産分与の方法①】財産を売却して現金化する

一番あと腐れなく、スッキリと別れられる方法

離婚をする上で一番あと腐れなく、スッキリと別れられるのは、財産を売却して現金化する方法です。家や自動車・貴金属などは売却し、保険は解約して、手元に残ったお金をスパッと2等分するのです。

「いい時期に入っていた保険だから、解約したくない」「ずっと住み続けていた家を離れたくない」など、さまざまな事情はあるかもしれませんが、それは夫婦が婚姻していたからこそ成り立っていたこと。離婚によってそれぞれの道を歩き始めるのなら、いっそのことすべてを清算させて、一から新しい人生に向かっていくのも潔い姿といえるでしょう。

「財産のほとんどが夫の名義だけれど、それは関係ない?」

日本の場合は、「何をするのにも名義は夫」という人が多いので、家から車・保険・貯金に至るまで、すべてが夫名義という人もたくさんいます。「夫の名義なのだから、夫の財産になるのでは?」と勘違いしている人もいるのですが、その心配はいりません。

夫婦の片方の名義になっている預貯金や有価証券・家・車・保険解約返戻金なども、夫婦が婚姻中に協力して獲得した財産であれば、共有資産とみなされます。(独身時代に築いた財産は個人の特有財産となるので、財産分与の対象にはなりません。)

ただし、「夫の名義だった教育保険が、いつの間にか解約されていた」というような“財産隠し”にあう危険性だけは、どうしても避けられないでしょう。自分の名義になっている有価証券であれば、パートナーの了承なしにいつでも解約することができるからです。預貯金の場合も、引き出してどこかに隠してしまうケースは、数多くあります。

離婚を考えている人は、相手に離婚を切り出す前にまずはどんな共有財産があるかをチェックし、用意周到に準備をしておくことが重要です。離婚を切り出すのは最後の最後、すべての段取りが整ってからにしないと、泣きを見ることになるかもしれません。

【財産分与の方法②】財産をどちらかが譲り受ける

さまざまな事情から、売却を望まないケースがある
家や土地・自動車・有価証券・貴金属などの財産分与を行う場合は、売却をせずにどちらかが譲り受けるケースも少なくありません。

家と土地

妻が専業主婦で離婚後に実家に戻れない場合などは、妻が家を譲り受ける事例が数多くあります。子どもにとっても住み慣れた家なので、離婚後に生活を大きく変えずに済むのは、大きなメリットでもあるでしょう。

また、夫の親と二世帯同居していた場合には、夫が家を譲り受けてそのまま住み続けることもあります。

どちらかが愛車として乗っていた場合は、とても売却する気持ちになれず、愛着の強い側が譲り受けることがあります。二人の愛用者であった場合は、どちらが譲り受けるかで揉めるケースもあります。

生命保険

条件のいい時期に入っていた保険商品の場合は、解約してしまうと損だという判断になり、どちらかが譲り受けることがあります。

教育保険

子どもの将来のことを考えて、妻側が「満期保険金を受け取るまで解約したくない」という場合もあります。この場合は、養育者が満期保険金を受け取る約束で譲り受け、保険料を払い続けることもあります。ただし、生活するだけで手いっぱいの母親が保険料まで払うことは、けっして簡単ではありません。何を優先するかは、よく考えた方が賢明です。

貴金属・美術品など

お気に入りだった絵画や記念の貴金属などは、手放すに忍びないため、どちらかが譲り受けることがあります。

財産の評価額を出して、結果的に半分ずつになるように振り分ける

このように財産を現金化しない場合、離婚の財産分与は半分ずつが基本ですから、まずは鑑定士などに査定を依頼して評価額を算出します。その上で、たとえば「妻は評価額200万円の車と、評価額100万円の貴金属、500万円の預貯金を分与。夫側は評価額200万円の有価証券と、600万円の預貯金を分与」というように、結果的に半分ずつになるように財産を分与します。

それ以外に、「夫が家を保持する代わりに、妻に金銭を支払う」という方法を取る場合もあります。

ローンの残っている家や車には要注意!

ただし、ここで気を付けたいのは「ローンの残債」がある場合です。たとえば住宅ローンの場合などは、子育て中に離婚をした人の多くがまだローンを払い終えていない状況でしょう。そのときに「家は妻がもらい、預貯金は夫がもらう」と取り決めるだけでなく、ローンの支払いも考慮に入れなければ、正確な数字とはいえません。

たとえば家の評価額が2,700万円、残債が1,600万円であれば

「2,300万円-1,600万円=700万円」

この金額が、財産分与の対象額です。これは家だけでなく、カーローンの残っている車や、満期になっていない保険なども同様です。

「住宅ローンは夫の名義だし、残債は夫が払い続けると約束してくれたから、それで納得した」という人もいるのですが、これは極めて危険なケースなので、けっしてお勧めできません。なぜなら、たとえ離婚協議書にそのことを明記したとしても、夫が必ず払い続けてくれるという保証はどこにもないからです。

養育費の支払いが滞ることが多いように、住宅ローンの支払いもまた、滞る可能性が高いと考えた方が無難です。最初からきちんと家を売却し、現金化してから分けた方が間違いないでしょう。

ローンの残った住宅を譲り受け、競売に出されてしまったAさんの場合

家を譲り受けたことで、何とか離婚後の生活を維持できたAさん

Aさんは40代の専業主婦。不倫が発覚しながら長年にわたって愛人との交際を続けていた夫を見限り、ついに離婚を決意しました。離婚の財産分与にあたっては、「家を私に残してほしい」と、一貫して言い続けたAさんでした。

なぜなら、Aさんの実家には兄夫婦が住んでおり、家も狭くAさんが帰る場所はありません。しかも、Aさんは今まで専業主婦で、これから家を買う能力もなければ、働いたお金で家賃を払う能力もありませんでした。離婚後は二人の子どもをAさんが養育するため、親としての責任も重大です。「他の財産はすべて譲るから、家だけは残してほしい」というのが、Aさんの切なる願いだったのです。

夫は住宅ローンを支払わず、家は競売にかけられることに

結局夫はこの要望を受け入れ、Aさんに家を譲る約束をしました。名義は夫のままにし、残った住宅ローンは夫が支払い続ける約束で、離婚協議書にその旨を明記しました。その代わりに、長年の不倫に対する夫から妻への慰謝料はゼロ、養育費も最低限の金額とし、預貯金や有価証券などはすべて夫が持っていきました。

家に住み続けられることが決まり、ホッと胸を撫でおろしたAさんでしたが、まさかその後に恐ろしい現実がやってくるとは、夢にも思っていませんでした。離婚して1年後、住宅ローン会社から1本の電話が入りました。「住宅ローンの支払いが滞り、家が競売に出されることになった」というのです!

元夫は音信不通、会社も辞めて給与の差し押さえもできない状況

Aさんは「そんなはずはありません!」と必死で抵抗し、元夫に電話をかけたのですがつながらず、会社に電話を入れたところ「退社しました」との返事。「私は元夫に騙されたんだ」と、Aさんはそのときになってようやく気が付きました。夫は最初から、住宅ローンを払い続ける気などなかったのです。会社を辞め、音信不通となった今では、給料を差し押さえることもできません。

その頃、Aさんは何とか一般事務の仕事をみつけ、正社員として働き始めていました。手取り金額は15万円、そして滞っている住宅ローンの毎月の支払額は8万円・ボーナス時20万円。とても元夫に代わって残債を払い続ける余裕はありません。

ローンの残債をそのままにしていたことに、深く後悔したAさん

Aさんは泣く泣く住み慣れた家を後にし、子どもと三人で狭いアパートに住み始めました。15万円の給与と、6万円の児童扶養手当だけではとても生活ができず、仕事を終えてから居酒屋のバイトにも行き始めました。

貯金はゼロ、この先高校・大学と進む子どもの教育費など、とても出せる状況ではありません。もうすぐ50代になる身に、深夜まで続く仕事は応え、体調に不安を覚えるようにもなってきました。「あのとき、住宅ローンの残債を払うという夫の言葉を信じた自分がバカだった。家を売却し、慰謝料と預貯金の財産分与を受け取れば、小さなマンションぐらいは買えたかもしれないのに」と、心底後悔するAさんでした。

離婚の財産分与は弁護士に相談を

弁護士が間に入ることで、財産分与の話がまとまりやすくなる

離婚の際、財産分与に関するトラブルが長引くケースは多々あります。「家は私がもらう」「何を言っているんだ、オレが建てた家だから、当然オレの物だ」といったように、当事者同士では感情がぶつかり合うため、なかなか話がまとまらないのです。

離婚の財産分与に関しては、当事者同士で話し合うよりも、弁護士に相談をするのがベストの方法です。その道のプロが間に入ることで感情のもつれが少なくなり、より話が具体的になるので、スムーズな解決へとつながります。当サイトで離婚問題に詳しい弁護士をピックアップし、まずは法律相談から始めてみると良いでしょう。

都道府県から離婚弁護士を探す
北海道・東北地方 北海道青森岩手秋田宮城山形福島
関東 東京埼玉神奈川千葉茨城栃木群馬
北陸・甲信越 新潟山梨長野石川富山福井
東海 愛知静岡岐阜三重
関西 大阪京都奈良兵庫滋賀和歌山
中国・四国 広島岡山山口鳥取島根香川徳島愛媛高知
九州 福岡熊本大分宮崎佐賀長崎鹿児島沖縄
お一人で悩まずご相談を

離婚問題でお悩みなら弁護士に相談を

  • 少しでも高く離婚慰謝料を請求したい!
  • 離婚後の子どもの親権を絶対に渡したくない!
  • 離婚後の子どもの養育費を確実に受け取りたい!
  • 財産分与でトラブルになっている。
  • 不倫がばれて、高額な慰謝料を請求されている。
  • 離婚はしないで、浮気相手に慰謝料を請求したい。
離婚問題で評判の良い弁護士を探す
弁護士へ相談することに不安が残る方へ
離婚慰謝料は弁護士に相談するべき?
不倫が原因で離婚した場合の慰謝料
離婚を弁護士に相談した場合の費用
離婚の際に子どもの親権を渡さない方法
離婚の財産分与を弁護士に相談すべき理由
離婚後の子どもの養育費はどうなる?

離婚弁護士相談広場は、離婚調停や財産分与でお悩みの方のための情報ポータルサイトです。離婚関連のコンテンツを掲載し、皆様のお役に立てるWEBサイトを目指しております。納得のいく解決を迎えるためには弁護士に相談し、介入してもらうことでその後のトラブルが防げ、円満解決できる可能性が高まります。

離婚問題で評判の良い弁護士を探す
【運営】株式会社Agoora 〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-7-1-302 TEL:03-5929-7575
© 2014 Agoora.inc.

TOP