面会交流は子どもにリスクがある|離婚後に子供の面会を禁止・制限すべき場合とは

面会交流辞めた方がいい場合

離婚によって離れ離れになった親が子どもと面会交流をすることは、親として当然の権利ですが、場合によっては子どもにとって重荷になってしまうこともあります。子どもを引き取った親は、そのとてもナイーブな部分を的確に見極め、最良の判断を下さなければなりません。

面会交流とは?

面会交流(面会交流権)とは、子どもと離れている親が面会や手紙、プレゼントの受け渡しといった方法で親子として交流する権利のことを指します。

親子である以上、配偶者に愛想が尽きたとしても親子には情があり、離婚後も会いたいと考えるのは当然のことです。そのため、日本では面会交流権が認められています。

なお、親が子に会いたいケースのみでなく、子が親に会いたいと思う場合も面会交流権は適用されます。

面会交流権については以下の記事で詳しく解説をしておりますので、合わせてご覧下さい。

面会交流を拒否する際には、細心の注意が必要

一方的に面会を拒否すると、離婚相手に慰謝料を請求されることも

とはいえ、離婚相手に上記のような状況があったとしても、面会交流を拒否する際には、細心の注意が必要です。相手がさほど会いたがっていない場合は別ですが、心から会いたがっている場合は、逆上して思ってもみない行動に出られてしまう可能性があるからです。

また、すでに離婚時に面会交流の取り決めがされている場合は、むやみにこれを拒否することで相手から慰謝料を請求されてしまうケースがあります。裁判所から罰金を課せられることもあるでしょう。

1回の面会拒否に課せられる罰金の相場は、3~5万円ほどです。これを何度か繰り返すと、家計を大きく圧迫してしまう金額にもなりかねません。

面会交流を拒否するには、それなりの策が必要

面会交流を拒否する必要がある場合は、やみくもに拒否するのではなく、面会交流が子どもにとっていかに苦痛であるかを裁判所にわかってもらうことが先決です。当サイトで離婚問題に強い弁護士を検索し、まずは相談してみることをお勧めします。

子どもがある程度の年齢に達していたら、調停でどれだけ面会が苦痛かを証言するなど、面会交流を拒否するためにはそれなりの策も考えなければなりません。くれぐれも感情論だけで子どもを守ろうとしないように、注意をしましょう。

子どもが父親を拒否し、面会交流が中断に至った事例

婚姻中に子どもとまったく関わらなかった父親

面会交流は、あくまでも「子の福祉を害しない」という前提のもとに行われます。どんなに親が会いたがっていたとしても、それが子どもにとって大きなストレスとなる場合は、禁止せざるを得ません。

Aさんは、仕事人間で家庭をまったく顧みない夫との間に心の溝ができ、離婚をして4歳の子どもを連れて家を出ました。婚姻中、Aさんの夫は子どもが起きている時間にほとんど家に帰らず、休日も疲れて寝てばかりいました。

子どもが「パパ、遊びに連れて行って」と言っても、「うるさい!パパは疲れているんだ」と、まったく取り合わなかったのです。子どもと遊ぶことはほとんどなく、当然ながら子どもは父親になつきませんでした。

面会交流の途中で泣き出してしまう子ども

離婚後、Aさんの元夫は子どもとの面会交流を望んだのですが、子どもは「パパと会いたくない!」の一点張りでした。何とか子どもを連れだして、父親と3人で会ったときも、子どもは「帰りたいよ~」と言って泣き出してしまったのです。

父親は子どもの好きな品物をプレゼントするなど、何とかなだめようとしたのですが、子どもは品物を受け取ろうともしませんでした。子どもにとって父親は「母親と喧嘩をする人」「自分と遊んでくれない人」というイメージしかなく、離れて暮らし父親と会わなくなることは、むしろ子どもにとって喜ばしいことだったのです。

子どもと離れて暮らすことで、始めて子どもの愛おしさに気付いたAさんの元夫でしたが、“時すでに遅し”でした。元夫は弁護士に相談をし、その後に試行面会も行いましたが、子どもは帰った後に大泣きをするなどの精神不安定な状態に陥ってしまいました。

子どもが会おうという気持ちになれるまで、面会交流を中断

度重なる子どもの拒否反応に、元夫は「自分が今まで子どもと関わってこなかったのだから、こうなるのも仕方がない。子どもが成長して、自分と話をしてくれるようになるまで、会うのを諦めよう」と判断しました。

寂しくうなだれる元夫を見ながら、「私たちは相容れない夫婦だったけれど、元夫が子どもと会いたい気持ちはよくわかる。この子が大人の事情を理解できる年齢になったら、私から少しずつ話をして説得し、年に数回でも父親と会えるようにしてあげたい」と思うAさんでした。

DVの元夫(離婚相手)の面会交流が禁止された事例

激しい暴力を繰り返す夫と離婚、精神的な傷も深かったBさん

Bさんは激しい暴力を繰り返す夫と離婚後、8歳の子どもを引き取りました。その後、元夫は執拗に子どもとの面会交流を求めてきました。元夫が直接子どもに暴力をふるったことはありませんでしたが、母親に手を上げる父親を見て育った子どもは、父親と会うことを非常に怖がっていました。Bさん自身も、そのときのことを考えただけで過呼吸になり、今もPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状で病院に通院しています。

元夫は、面会をしぶるBさんに苛立ち、調停の場で面会交流を求める申し立てをしました。Bさんは「せっかく母と子の静かな生活ができるようになったのに、このままではまたあの恐怖が蘇ってしまう」と、泣く泣く弁護士に相談をしました。

面会交流に影響力を持つ「DV防止法」

Bさんは弁護士と話し合い、面会交流を禁ずることを命ずる審判を、家庭裁判所に申し立てました。暴力に関しては「DV防止法」という法律があり、こうした面接交流権に関しても影響力を持っています。

Bさんの場合、離婚の原因が元夫の暴力であったこと、BさんがPTSDを発病していること、元夫が対等な立場で話し合える状況ではないことなどから、裁判所では「面会交流を行うことは元妻に大きな心理的負担を与え、母子の生活安定を害し、子どもの福祉を害する恐れがある」として元夫の面会交流を禁止する判断を下しました。

このBさんの事例のように、たとえ面会交流が親にとって当然の権利であったとしても、状況によってはこれを禁止することが可能です。元配偶者の執拗な態度に悩んでいる人は、けっして今後の生活を悲観せず、弁護士などの法律の専門家に相談して解決を図ることが大切です。

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