浮気や不倫で慰謝料を請求する場合の内容証明郵便の書き方&テンプレート

内容証明郵便

配偶者が浮気や不倫(不貞行為)をしていた時には、慰謝料の請求が行えます。

また、内容証明郵便を送付すれば、いつ誰が浮気や不倫を理由に慰謝料請求を行ったかが第三者(郵便局)によって証明される上に、不倫相手や配偶者に対して自らの意思を伝えることができます。

本記事がおすすめできる人

☑ 配偶者の浮気や不倫に慰謝料を請求したい方
☑ 配偶者の浮気や不倫相手に慰謝料を請求したい方
☑ 配偶者と浮気相手に慰謝料請求・交際中止を求める方

本記事では、配偶者の浮気や不倫で慰謝料を請求する方法をはじめ、内容証明郵便の正しい書き方、便利な「内容証明書」のテンプレートを紹介していきます。

浮気や不倫で慰謝料は誰に請求すべきか?

浮気や不倫の慰謝料は、配偶者なのか不倫相手なのか「誰に請求すべきか」分からない方も多いでしょう。

原則として、浮気慰謝料の請求相手は、① 配偶者 ② 浮気相手 ③配偶者と浮気相手の両方と3パターンあります。

浮気慰謝料の請求相手

  1. 配偶者
  2. 浮気相手
  3. 配偶者と浮気相手の両方

ただし、慰謝料を多く渡す代わりに、浮気相手には請求しないよう「相手をかばう」配偶者(離婚後は元配偶者)も珍しくありません。

「なぜ、浮気されたのに相手をかばうのか?」と、相手の態度に対し怒りを覚える方もいるでしょう。しかし、慰謝料請求をする場合には、様々な葛藤を抑えて冷静に対処するのが賢い方法です。

みなさんの、つらいことや悲しい気持ちは計り知れませんが、ここは「相手よりも一枚上手」になって、慰謝料の請求と慰謝料の協議を慎重に進めていきましょう。

※ 交渉が不安な場合には、浮気や不倫・離婚問題に強い弁護士を味方に付ければ安心です!

浮気や不倫の発覚時、夫婦関係が破綻していたかが争点になる

民法770条において、配偶者に不貞な行為があったときには「離婚の訴え」が提起できます。しかし、不貞行為の事実があった場合にも、すでに婚姻関係が破綻しているのであれば「慰謝料の請求」は認められません。

一方、夫婦関係の破綻は無かったが、浮気や不倫によって夫婦関係に亀裂が入った場合には、配偶者や配偶者の不倫相手に慰謝料が請求できます。

浮気や不倫が発覚した時点で、配偶者が家を出ており「別居」の状態にあったのならば、離婚の話が具体的に出ていたのか・離婚調停の手続きが取られていたのかが争点になります。

総合的に判断し「夫婦関係が完全に破綻していた」のであれば、こちらからの慰謝料請求は難しくなるでしょう。

最も多いのは、浮気や不倫をした側が「すでに夫婦関係は破綻していた」と主張し、浮気や不倫をされた側は「夫婦関係は良好だった」と主張する(=双方の意見がかみ合わない)ケースです。

しかし、浮気や不倫をした当事者が「破綻していた」と主張しても、こちら側が「夫婦関係を修復するため、冷却期間として別居していた」ことを主張すれば、配偶者もしくは浮気や不倫相手に対して慰謝料が請求できます。

家庭・夫婦関係の破綻については、自己解決せずに、浮気や不倫・離婚問題に詳しい弁護士事務所に相談されることをおすすめします。なぜなら、相手が弁護士を立てていた場合、取れる慰謝料も取れなくなってしまってしまうからです。

被害を受けた側が、さらなる精神的苦痛を味わうことの無いよう、頼りになる弁護士・弁護士事務所を味方に付けましょう。

浮気や不倫で慰謝料が請求できるケース

たとえ、配偶者に不貞行為の事実が認められたとしても、すべての不貞行為に慰謝料請求できる訳ではありません。

浮気や不倫で慰謝料請求ができるのは、浮気・不倫相手に故意や過失があり、不貞行為によってあなたが「権利の侵害」を受けた場合に限られます。

慰謝料請求できるケース

  • 浮気や不倫の相手に、故意の過失があった場合
  • 不貞行為の事実で、あなたが権利の侵害を受けた場合

「故意の過失」とは、付き合う相手が既婚者だと知りながら、肉体関係を持った場合や、注意を払えば「婚姻関係が破綻していないこと」を知る状況があった場合を指します。

故意の過失が認められた場合には(受けた精神的苦痛に対し)慰謝料の請求が行えます。

また、浮気や不倫相手の不貞行為によって、これまで円満・平穏だった夫婦関係が悪化し離婚に至った場合や、不貞行為(肉体関係)は無かったものの夫婦関係が破綻するほどの親密な交際をしていた場合には、権利侵害で慰謝料の請求が行えます。

夫婦には貞操義務と守操義務がある

夫婦には貞操義務と守操義務があり、配偶者以外の異性と不貞行為に及んだ場合には、相手配偶者の権利を侵害する不法行為に問われ、法的責任を負うことになります。民法第770条第1項第1号に定められている離婚原因(法定離婚原因)には、不貞行為は損害賠償の対象になることが明らかとなっており、貞操義務違反について、慰謝料などの損害賠償が請求できます。

参考リンク:民法第770条 – Wikibooks

浮気や不倫で慰謝料が請求できないケース

不貞行為の事実があった場合でも、出会い系サイトなどで知り合い、お互いの素性を知らないまま肉体関係を持った場合や風俗の利用については、不貞行為や「故意・過失」には認められません。

同様に、浮気相手が強要・脅迫・強姦などによって「自由意思の無い状態」で肉体関係があった場合には「故意・過失」には認められないので注意しましょう。

また、夫婦が別居していた場合や夫婦関係が破綻していた状況で、相手が不貞行為に及んだ場合には、権利侵害が認められず慰謝料請求できない可能性が高いです。

慰謝料を十分に受け取った後、新たな請求は認められない

すでに精神的苦痛について「十分な慰謝料を受け取った」場合や時効を経過した場合にも、慰謝料の請求はできません。

同様に配偶者から十分な慰謝料を受け取った後、浮気や不倫相手に慰謝料を請求することもできないので覚えておきましょう。

時効後は慰謝料請求ができない!

慰謝料請求の「時効」とは、不倫・浮気の事実を知った時点からカウントし「3年間」で成立します。

ただ「3年の期間」以外にも、浮気・不倫相手の交際が始まった期間から20年は除斥期間(じょせききかん)としてカウントされるので間違えないようにしましょう。

慰謝料請求の時効条件

  • A. 浮気・不倫相手の交際が始まった期間から20年
  • B. 不倫・浮気の事実を知った時点から3年間

上の表にあるA. 慰謝料請求の時効は除斥期間、B.不倫・浮気の事実を知った時点「3年間」のうち、(AとB)いずれかの短い期間によって慰謝料請求の時効が完成します。

つまり、浮気や不倫の事実、浮気や不倫相手の素性を知った時点から3年、もしくは相手の素性は詳しく知らないが、付き合いが始まって20年の間は除斥期間に相当するため「慰謝料請求できる期間」となります。

過去の浮気や不倫についても、20年経過していなければ(離婚後でも)慰謝料請求できるので(浮気や不倫で精神的苦痛を味わった方は)慰謝料請求を諦めないようにしましょう。

慰謝料請求の時効とは?

配偶者の不貞行為および浮気・不倫相手を知った時からカウントし、3年で慰謝料請求の時効となる。浮気・不倫関係が始まったときから20年間は「除斥期間」になるが、3年と敗訴期間のいずれか短い期間によって慰謝料請求の時効は成立する。

ちなみに「不貞行為の事実」について、相手の名前や素性を知らない段階ではカウントされません。相手の正確な氏名や住所を知った時点が「浮気時効までのカウント開始」となります。

また内容証明郵便を送付すれば、催告(さいこく)を行ったことになり、一旦時効がストップ、催告から6ヶ月の間は時効の完成が阻止できるので覚えておきましょう。

催告(さいこく)とは?

催告とは、相手方に対して一定の行為を請求することを意味し、多くの場合、債務者に対して債務の履行を請求する際に履行されるが、浮気や不倫相手に対して権利侵害によって受けた被害の損害賠償を請求する場合にも「催告」が行われる。なお催告の請求に応じなかった場合には、民法541によって損害賠償義務や契約解除権が発生する。

なお時効の成立後は、慰謝料の請求は認められません。慰謝料を請求したいときには、時効や敗訴期間を計算した上で行動を起こしてください。

ただし、自分では「時効が成立した」と思い込んでいた場合でも、敗訴期間が過ぎていない場合や、カウントの仕方が間違っている可能性があります。慰謝料請求については、信頼できる弁護士事務所に相談するのが一番です。

このほか時効成立後も、夫婦関係の破綻や離婚によって受けた精神的苦痛について、慰謝料請求できるケースがあります。この場合も、浮気や不倫のトラブルに詳しい弁護士事務所に相談してみましょう。

不倫や浮気の慰謝料はいくらもらえる?

不倫や浮気の慰謝料には、明確な基準はないものの「平均的な相場」が存在しています。

配偶者が浮気や不倫をしたからといって、1,000万円以上の高額な請求はできません。以下、不倫や浮気の慰謝料でいくら請求できるのか「相場」をまとめてみました。

不倫や浮気の慰謝料で請求できる金額(一般的な相場)

状況 配偶者のみ請求 配偶者と浮気相手に請求
A. 離婚も別居もしない(結婚生活の継続) 50万円〜100万円程度 100万円〜200万円程度
B. 不倫が原因で別居に至った場合 100万円〜200万円程度 200万円〜400万円程度
C. 不倫が原因で離婚に至った場合 200万円〜300万円程度 400万円〜600万円程度
D. 離婚をするが子どもがいる、婚姻期間が長かった、相手に大きな精神的苦痛を与えた場合 300万円〜500万円程度 600万円〜1,000万円程度

なお配偶者だけでなく、配偶者と浮気相手の両方に請求する場合は、上の金額の2倍が慰謝料の金額となります。

例えば、離婚も別居もしない(結婚生活の継続)が、双方に慰謝料を請求する場合、通常「50万円〜100万円」の二人分なので「合計100万円〜200万円」の慰謝料が受け取れる計算(※)です。

※ 話し合いの内容によって、受け取れる金額は異なります。

ただし例外があり、浮気や不倫相手が妊娠・出産したことが原因で離婚に至った場合や、夫の不貞行為を交渉した際、DVなど暴力被害に遭った女性が500万円〜1,000万円以上の「高額な慰謝料」を受け取ったケースもあります。

慰謝料の請求額が高くなるケース(一例)

  • 浮気の期間が長く、不貞行為の証拠が存在する
  • 頻繁に相手と接触していた証拠がある
  • 浮気や不倫が意図的であった
  • 証拠があるにも関わらず、真摯な態度や謝罪が無かった
  • 相手の支払い能力が高い
  • 浮気・不倫による被害、精神的苦痛が大きい

このように、精神的苦痛の大きさによって、高額な慰謝料請求が認められる場合もあります。慰謝料請求の方法は、信頼できる弁護士事務所に相談してください。

芸能人・著名人の慰謝料は高額になりやすい

一般人の慰謝料請求とは勝手が違い、芸能人や著名人には支払い能力があるため、話し合いの結果「数千万〜数億円規模」の高い慰謝料が請求・支払われることがあります。一般人が彼らと同じ、数千万〜数億円規模の慰謝料を請求し、認められることはありません(※ 配偶者が富裕層・社会的地位のある人物の場合は例外)。慰謝料の平均的相場をもとに、交渉を行いましょう。

浮気や不倫の慰謝料請求で有利になる証拠一覧

浮気や不倫の慰謝料請求で有利になる証拠は、以下の通りです。

慰謝料請求で有利になる証拠(一例)

  • 二人がホテルに出入りしている写真や動画
  • 不貞行為中の写真や動画
  • 浮気や不倫を認める音声や動画
  • 浮気や不倫を認めるメールのやり取り
  • 興信所や調査会社による、浮気の調査報告書
  • GPSを使った移動記録(ホテルの滞在が分かるデータ)

このほか、浮気相手が作成した誓約書、裁判の訴状なども慰謝料を請求する上で「重要な証拠」となります。

慰謝料を裁判で請求する場合には、証拠が必要になる

裁判で慰謝料請求する場合には「不貞行為の事実が確実に証明できる」証拠が必要になります。

ただし明確な証拠が無くとも、浮気や不倫の当事者が不貞行為の事実を認め、合意が得られれば、慰謝料が受け取れるケースもあるので「交渉の仕方」が何より重要なポイントとなります。

浮気や不倫の慰謝料請求は、一筋縄ではいかないケースがほとんどです。相手とトラブルにならないよう、信頼できる弁護士に交渉を依頼し、慰謝料請求を成功させましょう。

浮気や不倫相手に慰謝料を請求する流れ

浮気や不倫相手に慰謝料を請求する場合、以下の流れで手続きを進めてください。

浮気や不倫相手に慰謝料を請求する流れ

  1. STEP1: 内容証明郵便の送付
    内容証明書を作成し、浮気・不倫相手に「不貞行為の事実によって慰謝料請求する」意思を示す。
  2. STEP 2: 協議書の作成
    交渉を行い話し合いがまとまった場合には、離婚協議書を作成する。
  3. STEP 3: 解決または調停
    話し合いがまとまらない場合には調停を申し立てる。調停が不成立に終わった場合は裁判で慰謝料を請求する。

1~3の各ステップについて、順に解説します。

STEP1: 内容証明郵便の送付

浮気・不倫の相手には内容証明郵便を送付します。内容証明郵便の送付を行えば、時効の成立を半年間止めることができ、万が一訴訟問題に発展した場合にも(時間的猶予も生まれ)手続きがスムーズに進められるからです。

そして、配偶者と直接会って話せる場合には(電話やメールでは無く)話し合いで慰謝料を請求するのも良いでしょう。

この場合、配偶者と浮気相手と第三者だけで話し合うのでは無く、弁護士にも立ち会ってもらえば安心です。弁護士がいれば、中立的立場で話し合いを進めてもらえるほか、相手からの脅迫や恐喝、言い逃れなどのリスクが回避できます。

なお安全に話し合いを進めるためには、他の人もいるホテルやカフェ、ラウンジなどのオープンスペースを利用することです。

そして、話し合いでしらを切られないよう、浮気や不貞行為の事実を証明できる証拠(ホテルや自宅に二人で入る画像や動画など)を持参するようにします。

証拠を集めるのが難しい場合は、離婚問題に強い弁護士事務所に相談の上、興信所や探偵事務所に調査を依頼しましょう(※ 離婚や浮気・不倫トラブルに強い弁護士事務所は、興信所や調査会社を紹介してくれます)。

STEP 2: 協議書の作成

話し合いがまとまった場合には、離婚協議書(りこんきょうぎしょ)を作成し、証拠を書面に残すようにします。離婚協議書があれば、のちのち財産や養育費の不払いに対し、優位な立場を取ることができ安心です。

離婚協議書には、離婚に合意したことや離婚後の慰謝料、財産分与、年金の分割方法、子どもの親権や養育費について約束事を取りまとめます。

離婚協議書に盛り込まれる内容

離婚に合意した旨 親権者の指定 養育費の支払い
慰謝料の支払い 財産分与の方法 子供との面接交渉
年金の分割方法 清算条項 公正証書の有無

なお離婚協議書は、公正証書にしておくと安心です。公正証書(こうせいしょうしょ)とは、公証人法に基づき、法務大臣に任命された公証人が作成する法律行為や権利についての証書であり、公文書として高い信用力を備えています。

このため離婚協議書は、自分たちで作成したものを残すのでは無く、公証人に依頼し、より「信用力のある書類」として残しておくべきです。

公正証書は、公証役場でのみ作成できます。公証役場は全国に存在し、法務省のホームページでも最寄りの公証役場が検索できます(※ 公証役場は法務局の庁舎内に存在します)。

参考リンク:法務局・地方法務局所在地一覧

なお、公正証書の作成費用は、「目的とする金額」によって異なります。

慰謝料の請求額が100万円以下であれば5,000円の手数料で済みますが、100万円〜200万円の場合には7,000円の手数料がかかり、200万円〜500万円の請求には11,000円の手数料、500万円〜1,000万円の請求には17,000円の手数料が発生します。

公正証書の作成費用

目的とする金額 公正証書の作成手数料
100万円以下 5,000円
100万円以上、200万円以下 7,000円
200万円以上、500万円以下 11,000円
500万円以上、1,000万円以下 17,000円
1,000万円以上、3,000万円以下 23,000円

なお、日本公証人連合会のホームページを見ると5,000万円以上、10億円を超える請求手数料も定められていますが、浮気や不倫の一般的慰謝料は300万円程度、高額な場合でも1,000万円を上回るケースは少ないです。

このため、本記事では「5,000万円までの手数料」を掲載しておきます。その他の手数料と金額については、日本公証人連合会ホームページを確認してください。

参考リンク:法律行為に関する証書作成の基本手数料(日本公証人連合会)

STEP 3: 解決または調停

話し合いがまとまれば、慰謝料の受け取りによって「解決」となりますが、当事者間の話し合いがまとまらなかった場合、調停を申し立てて慰謝料を請求する流れとなります。

ちなみに、配偶者に慰謝料を請求し同時に、離婚をしたい時には「離婚調停」を申し立てます。また浮気相手への慰謝料請求については、訴訟(場合によって民事調停)を行います。

訴訟と民事調停の違い

訴訟(裁判) 原告と被告の主張や証拠から、裁判所が法的な判断を下し、結果は裁判官が決める(法廷で行われるため公開される)。
民事調停 民間人の調停員を挟み、話し合いで争いを解決、結果は当事者が決める(非公開で行われる)。

訴訟と民事調停、どちらも裁判所で行われることですが、裁判が訴えられる者と訴える者に分かれて争うのに対し、民事調停では民間人の調停員を間において、話し合いによって問題の解決を目指すといった違いがあります。

※ 民事調停を運用する「調停委員会」は、民間人による調停員と裁判官の2名以上で構成される。

民事調停で決着すれば早いのですが、合意がなければ「何も決まらない」といったデメリットもあります。このため、民事で話し合いがまとまらない場合には、訴訟(裁判)で判断を委ねる流れとなります。

調停・裁判から解決までの流れ

  • A. 民事調停が成立 ⇒ 終了
  • B. 民事調停が不成立 ⇒ 審判 ⇒ 終了
  • C. 民事調停が成立 ⇒ 裁判 ⇒ 終了

なお、民事調停で決まった判決と、裁判の判決はどちらも「法的効力」を持ち、調停においても合意した内容は調停調査に記載されます。

そして、調停後に約束や取り決めた内容が反故された場合、裁判なしで強制執行手続きができるという「効力」を発揮します。

多くのトラブルは民事調停で解決する

一般的には不服が残りにくい調停で、慰謝料などの話し合いが行われます。ただ、訴訟の内容や慰謝料を求める「精神的苦痛の大きさ」によっては、裁判で決着するパターンもあります。

いずれにせよ、離婚・訴訟のトラブルを避けるためには、調停・裁判に発展する前に、法の専門家である「弁護士事務所」に相談をしておくことです。

弁護士への相談は24時間ネットで申し込み受け付けているところや、初回無料で相談に応じてくれる弁護士事務所も多いので便利です。

また男女間のトラブルについて、ネット上で素早く回答してくれる弁護士もいるので(初めての方も)気軽に相談してみてください。

内容証明書の正しい書き方

浮気や不倫相手に送る「内容証明書」の正しい書き方を紹介します。

内容証明郵便に盛り込むべき内容

浮気や不倫相手に送る内容証明書には、以下の項目を必ず盛り込んでください。

  • どのような書類なのかタイトルを付ける(例:慰謝料請求書)
  • 不貞行為(不倫・浮気など)について知っている事実
  • あなたが知った事実が、民法の不法行為に該当すること
  • 受けた損害について、慰謝料請求を行うこと
  • 慰謝料請求の金額
  • 慰謝料の振込期日
  • 慰謝料の振込先
  • 差出人と受取人の氏名・住所

この内容が盛り込まれていなければ、慰謝料請求の内容証明書としては機能しなくなります。なお、書類作成で失敗しないよう、次項「内容証明書のテンプレート」を使って、書類を作成してみましょう。

テンプレートを使えば、住所や氏名、作成日を入力するだけなので、誰でも間違えずに内容証明書が作成できます。

なお、作成の完成度や内容に不安がある方は、離婚や慰謝料請求に詳しい弁護士事務所に相談してみましょう。多くの弁護士事務所が、初回の相談料を無料としており、費用をかけず「内容証明郵便の内容」について有益なアドバイスが得られます。

内容証明書のテンプレート

内容証明書を書く上で、役立つ「テンプレート」を載せておきます。

内容証明郵便のテンプレート

内容証明郵便のテンプレート

テンプレート内の○○や括弧には、あなたや不倫相手、配偶者の氏名を書いてください。また書類作成日、振込口座も忘れずに記入しましょう。

内容証明郵便を作成する紙には、指定がありません。コピー用紙、手書き用紙など、みなさんの好きな紙を使ってください。

一点注意してほしいのは、内容証明郵便には書式が決まっており、縦書き・横書きのいずれにおいても、【1行の文字数は20字まで、1枚に26行以内】に入力する必要があります。

1枚のボリュームを超えた部分は、用紙の2枚目、3枚目に書くようにしましょう。このほか、内容証明郵便は資料など他の書類を同封することはできません。速達や書留にも対応していないので、普通郵便として送付が行われます。

なお、内容証明郵便は「差し出しできる郵便局」が限定されています。すべての郵便局が対応している訳ではないので、あらかじめ(差し出し予定の郵便局に)内容証明郵便に対応しているかどうか尋ねておいてください。

参考リンク:内容証明(JP郵便局公式サイト)

公正証書(離婚協議書)のテンプレート

「おまけ」として、公正証書(離婚協議書)のテンプレートも併せて紹介しておきます。離婚協議書を作成される方は、テンプレートに沿って書類を作成してみましょう。

公正証書(離婚協議書)のテンプレート

離婚協議書

なお、お子さんがいらっしゃる場合には、第二条より親権・養育費などの項目も盛り込む必要があります。親権が絡む場合には自己判断せず、弁護士事務所に相談をするのがベストです。

まとめ|浮気や不倫の慰謝料請求は内容証明郵便の送付が効力を発揮する

ここまで解説した通り、浮気や不倫の慰謝料は「配偶者と浮気相手」に請求できること。そして、浮気や不倫の相手に不貞行為の事実や、「故意の過失」があった場合に慰謝料が請求できることが分かりました。

ただし、慰謝料請求にも時効があること。時効成立後は慰謝料が請求できないことや、慰謝料を裁判で請求する場合には「証拠が必要」になること。そして、浮気や不倫の慰謝料は50万円〜300万円程度が相場など「注意したいポイント」がいくつかありましたね。

特に、双方の話し合いがまとまらない場合、民事調停や裁判で解決を図ることになりますが、浮気や不倫が発覚した時点で、信頼できる弁護士事務所に相談するのが一番です。

浮気や不倫・離婚問題に強い弁護士であれば、どのような方法で「慰謝料請求を請求」すべきか教えてくれるほか、法的に有利な状況で話し合いが進められるよう助けてくれるので安心です。

これから慰謝料請求を考えている方は、一度「弁護士相談」に申し込まれることをオススメします。

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