「悪意の遺棄」になる可能性も…離婚前の別居は要注意!

ハートパズル

「もうこれ以上結婚相手とやっていけない」という理由で、別居を始める夫婦は少なくありません。でも、これだけは要注意!別居はお互いによく話し合ったうえでないと、一歩間違うと法律上の「悪意の遺棄」と判断されかねないのです。なぜそうなるかというと…。

夫婦の義務は、離婚するまで守るのが基本スタンス

夫婦には“同居の義務”がある

すでにお互いの心が離れ、一緒にいられないような状況に陥った場合には、「たとえ離婚前でも別々に暮らした方がお互いのため」と思う気持ちもあるでしょう。しかし、ここで要注意!別居は法律上では違法行為とされていて、一歩間違うと離婚訴訟の際に「悪意の遺棄」とみなされる可能性もあるのです。

夫婦が守らなければならない「三大義務」とは?

結婚をすると、夫婦間のことは二人の間で自由に決めていいように思いがちですが、実はそうではありません。婚姻に関しては、法律で定められている「三大義務」があるのです。その義務とは?

同居義務

民法752条には、「夫婦は同居し、お互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。最近は不仲でもないのに別居婚をする芸能人もいて、別居そのものに違和感を覚えない人も増えているのですが、法律上でそれを認めているわけではありません。

ましてや離婚前の夫婦の場合、お互いに“腹の探り合い”のような状態になってしまうのは、仕方のない事実です。少しでも相手の非を認められる行動があれば、それを裁判の材料にされてしまう可能性があることは、常に意識していた方が良いでしょう。

たとえば、夫婦喧嘩をして「わかった!じゃあ私はもう実家に帰るから」と実家に帰ってしまい、長い期間家を空けてしまった場合は、調停や裁判の際に不利になってしまう可能性が高いです。夫婦喧嘩が別居の理由だったとしても、そのまま家に残る人よりも、自分から「出ていく」と言って家を空けてしまった人の方が責められるべき立場だからです。

協力義務

夫婦はお互いに協力し合って結婚生活を営む義務があります。それに反して、妻が専業主婦なのに家事をしなかったり、家族のことを忘れて遊び歩いている場合などは、法律上の協力義務違反となります。離婚の調停が裁判に進むと、この問題が泥沼化する可能性が大きいでしょう。なぜなら、双方が自分の立場を有利にするためには、相手の協力義務違反がある意味突っ込みどころでもあるからです。

たとえば、専業主婦の妻が台所の茶碗を洗わずに山積みにしていると、その場面を夫が撮影して証拠として残すケースなどもあります。そして、「このように妻は家事を怠って、夫婦の協力義務に違反している」と訴えることによって、裁判を有利にもっていこうとするのです。相手が慰謝料の額を少しでも少なくしたいと考えている場合は、いかにして減額するかをあの手この手で考えていると思って間違いないでしょう。

もしも離婚調停や裁判を考えているなら、その一件が落ち着くまでは身辺にくれぐれも気を付け、自分に不利な事実を作らないようにするのが賢明なやり方です。民法に定められている夫婦の役割をいま一度読み返し、隙を作らないことが重要です。

ただし、病気などの健康上の理由で家事ができなかったり、妻が仕事を持っている場合などは、これに当てはまりません。逆に、妻が夫と同じように働いているのに夫が家事に協力しなかった場合は、夫側の協力義務違反になります。

扶養義務

配偶者が扶養を必要とする状態にあり、自分に扶養するだけの能力がある場合は、養わなければならないという民法上の決まりがあります。夫が収入の安定した会社員であり、妻が専業主婦の場合などは、その典型でしょう。

たとえ結婚相手に収入があっても、分担できるだけの収入を得ていない場合は、これには当てはまりません。たとえば夫が失業中であったり、健康上の理由で働けない場合などは、扶養義務が発生しません。

扶養できるだけの収入があるかどうかは、総務省統計局の「標準家計費」などを目安として、それを満たしていることが条件となります。さらに、最低生活保護基準程度の生活費を上回る収入があるかどうかも、扶養義務があるかどうかの判断基準となります。

「悪意の遺棄」とは、いったい何?

離婚を考えるなら、覚えておきたい法律用語「悪意の遺棄」

離婚裁判などの際によく登場する法律用語のひとつに、「悪意の遺棄」があります。「悪意の遺棄」とは、わかりやすく言うと、結婚相手や家族をわざと放ってしまうこと。夫が理由もなく妻に生活費を渡さなかったり、仕事をしなかったり、妻の帰宅を妨害するような行為は、「悪意の遺棄」と見なされる可能性があります。

また、不倫相手のマンションに入り浸って帰って来なかったり、結婚相手を虐待して追い出してしまった場合、妻が実家に帰ったまま戻らない場合なども、「悪意の遺棄」となる可能性があります。

たとえば「もうおまえとは一緒にいられない!」と怒った夫が、自宅とは別にマンションを借りて住み始めてしまった場合は、法律上の「悪意の遺棄」に該当します。その方がお互いのために良いという、その人なりの判断があったとしても、それを立証するのは非常に難しいでしょう。

ただし、単身赴任や出稼ぎなどは、もちろんこれには該当しません。暴力をふる夫(妻)から逃げるために出ていった場合や、酒乱の夫(妻)にからまれて泣く泣く家を離れた場合なども、これには当てはまりません。また、子どもの学校の関係でどうしても住まいを移らなければならない場合や、一緒に暮らしている義母とどうしてもうまくやっていけない場合なども、「悪意の遺棄」からは除外されます。

不倫相手と同棲した場合はどうなる?

夫(妻)が不倫相手と同棲するために家を出ていった場合はどうなるのかというと、これは「悪意の遺棄」には当てはまりません。しかし、「不貞行為」や「婚姻を継続しがたい事由」に該当。離婚理由に相当します。

お互いに合意していれば、別居も問題はない

今まで別居を躊躇してしまうような、怖い内容ばかりをお伝えしてきましたが、絶対に別居が許されないわけではありません。夫婦がお互いによく話し合ったうえで「もうこれ以上、二人は一緒にいないほうがいいだろう。君は実家に帰っても問題ないよ」などとお互いの合意が得られた場合は、別居をしても問題はありません。別居をする際には、このように夫婦がきちんと話し合いの機会をもち、今後のことも踏まえたうえで別居や離婚など人生の選択をしていくことが大切です。

また、民法には「民事不介入」という原則があり、犯罪とは関係のない個人間の紛争には立ち入らない決まりになっています。つまり、夫婦間のもめごとで同居義務や協力義務・扶養義務に反するような行為があったとしても、そのことで警察が動くようなことはないということです。

だからこそ、夫婦が離婚して別れるような事態になったとしても、双方が歩み寄って最善の形で別れる解決策を練ることが、非常に重要なことと言えるでしょう。

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