養育費算定表の見方~金額の決め方を算定例でわかりやすく解説

養育費算定表と赤ちゃん

養育費の金額を算定するにあたっては、養育費算定表を利用するのが一般的です。離婚や別居に際して、子どもの養育費を決めることは、親としての重要な責任。子どもの将来を守るための一歩を、正しい知識に基づいて検討を始めましょう。

この記事では、養育費算定表の見方をわかりやすく解説し、養育費の決め方や確認方法、具体的な計算例を通じて、適切な養育費の設定をサポートします。

養育費算定表とは

養育費算定表とは、裁判所が公表している養育費の金額算定に使われる算定表のことです。
算定表は、子どもの人数・年齢に応じて別表が用意されています。各表は男親・女親 双方の収入に基づいて、適切な養育費の目安を提供します。

養育費算定表は、養育費の標準的な算定方式として定められており、離婚や別居後など子供の養育費の金額を決める際に参考となる指標となります。

養育費算定表のダウンロード

養育費算定表は、裁判所のウェブサイトからダウンロードすることができます。

養育費の算定表には以下のものが用意されています。

養育費算定表の種類と違い
子の数 0~14歳の子の数 15歳以上の子の数
表1 1 1 0
表2 1 0 1
表3 2 2 0
表4 2 1 1
表5 2 0 2
表6 3 3 0
表7 3 2 1
表8 3 1 2
表9 3 0 3

養育費算定表は、子の数ならびに子の年齢によって表が分かれており、3子までの表が用意されています。
ご自身のお子さまの人数・年齢状況をみて条件に合う表をダウンロードしてください。

平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所

令和3年(2021年)に行われた「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、子なし~子3人までが結婚15~19年程度の夫婦の96.8%程度を占めています。統計上は用意されている算定表で9割6分以上のケースの養育費は確認できる計算となります。

夫婦の出生子ども数の分布(結婚持続期間15~19年)
子0人 子1人 子2人 子3人 子4人以上
7.7% 19.7% 50.8% 18.6% 3.2%

国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」 第Ⅱ部 夫婦調査の結果 を元に弊社にて作成

なお、子が4人以上の場合、養育費算定表は用意されていないため、もし4子以上の養育費を求める場合は、養育費の基本的な計算方法を元にして計算する必要があります。

算定表で確認できるのは養育費の目安

養育費算定表を利用することで、養育費として支払う(支払われる)標準的金額を確認することができます。ただし、算定表で示されている金額は文字通りの意味で目安です。

実際には養育費をいくらに設定するかは親同士で自由に相談して決めることができます。双方で合意さえすれば、相手や子どもの事情をふまえ、算定表より高い金額でも低い金額でも設定することができます。

養育費算定表の見方

それでは具体的な養育費算定表の見方を確認していきましょう。

子供の人数・年齢に合う表を選ぶ

まず、お子様の人数と年齢に合わせて適切な算定表を選びます。
例えば、子供が1人で12歳の場合は、(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)を選びます。
(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)

子どもが2人で長子16歳・第2子8歳の場合は表4を選びます。
(表4)養育費・子2人表(第1子15歳以上,第2子0~14歳)

父親・母親それぞれの年収を確認する

算定表には縦軸に義務者(支払う側)の年収、横軸に権利者(受け取る側)の年収が記載されています。
算定表全体の見方

なお、年収欄は内側に自営業者のもの、外側に給与所得者(サラリーマン)用のものが用意されています。父母それぞれの就労形態にあわせて年収を確認するようにしてください。

養育費の基礎となる収入(年収)の確認方法

養育費算定表で正確な養育費の標準金額を確認するには、父母双方の正確な年収(収入)を確認する必要があります。
自営業者の場合と給与所得者(サラリーマン)の場合では、経理・税務の違いから、確認方法も異なります。

自営業者の場合

自営業者の場合は、確定申告書の「課税される所得金額」を年収として使用します。
確定申告書

上図 赤枠の箇所にあたり、この例だと320万円を年収として養育費算定表を確認することになります。

また、自営業者以外でも、不動産収入など会社の本業の給与所得以外の収入があり、確定申告を行っている方であれば、サラリーマンでも、この方法で年収の確認を行います。

給与所得者(サラリーマン)の場合

給与所得者(サラリーマン)の場合は、源泉徴収票の「支払金額」を年収として使用します。

源泉徴収票 見本

上図 青枠の箇所にあたり、この例だと588万円を年収として養育費算定表を確認することになります。

源泉徴収票が確認できない場合は、給与明細や預金通帳を確認すれば、明細の数字や入金額の合算でおおまかな年収額を把握できます。

給与明細や預金通帳などの確認が取れれば、弁護士等の専門家に相談すればおおよその年収を逆算して算出することも可能です。
源泉徴収票を確認できない場合でも、養育費の計算を諦めることなく、まずは専門家にご相談ください。

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縦横の年収で交差する位置が養育費のめやす

権利者・義務者 双方の年収を表で確認、表中の縦軸・横軸をそれぞれ辿っていき、両者が交差するマスが、養育費の目安の金額となります。

上記の例にならい、子ども3歳1人、自営業の妻の年収320万円、会社員の夫の年収 588万円の場合の養育費算定表の見方は、以下のようになります。

養育費算定表の見方 例1

子ども12歳1人なので、養育費算定表(表1)をもとに、妻・夫の年収欄を辿っていくと、交点は養育費の金額目安は月額4~6万円の範囲に収まりました。

では、これが両親の年収は同一で、子ども2人で第1子の長男16歳・第2子長女8歳の場合はどうなるでしょうか?

養育費算定表の見方 例2

子ども1人が15歳以上、もう1人が0~14歳となるので、養育費算定表(表4)をもとに、妻・夫の年収欄を辿っていくと、交点は養育費の金額目安は月額6~8万円の範囲に収まりました。

養育費算定表の算定例

その他、養育費算定表を実際に用いて養育費標準額をいくつか算定してみましょう。両親の収入はひきつづき自営業の妻の年収320万円、会社員の夫の年収 588万円とします。

子供2人(15歳・18歳)の場合

養育費算定表の見方 例3

子どもが2人、ともに15歳以上の場合、養育費算定表(表5)を使用し、月額6~8万円となりました。
金額帯としては子ども1人15歳以上、1人0~14歳のケースと同じ範囲に収まりましたが、基本的に子どもが15歳以上の場合、食費・被服費・教育費など生活全体にかかるコストが上がるため、14歳以下より養育費は高くなるのが通常です。

子供3人(8歳・13歳・17歳)の場合

養育費算定表の見方 例4

子どもが3人の場合を見てみましょう。子供3人、第1子17歳・第2子13歳・第3子8歳の場合、15歳以上が1人・0~14歳が2人となるので、養育費算定表(表7)を使用します。
養育費金額は6~8万円ですが、ちょうど8~10万円の範囲との境界にあたります。3子に対する養育費ということを勘案すると、8~10万円での支払いを求めることも可能でしょう。

養育費算定表の改定とその影響

現在使われている養育費算定表は、令和元年に裁判所から公表された改訂版です。
令和元年(2019年)12月23日、東京・大阪の家庭裁判所所属の裁判官を研究員に「養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究」をテーマに行われた司法研究の研究報告として、公表されました。

従来使われていた旧養育費算定表は、平成15年(2003年)判例タイムズ1111号誌上にてはじめて公表されました。
公表から10年以上が経過していく中で、消費税増税・子どもが利用するスマートフォンやインターネットなどの通信費・社会的な物価・コスト感の変動など、生活費の変化が正しくカバーされておらず、旧養育費算定表を利用すると養育費が低額になってしまう点が問題視されていました。

平成28年11月に公表された日本弁護士連合会(日弁連)による、新方式の養育費・婚姻費用算定表についての提言もあり、裁判所内での研究が進められ、新養育費算定表の発表につながっていきました。

令和元年、裁判所が新算定表を公表

新算定表では、

  • 公租公課(所得税・住民税・社会保険料など国や地方公共団体に納める負担)の最新化
  • 職業費(交通費・通信費・被服および履物・書籍・交際費・諸雑費・その他こづかい等)の最新統計ふまえた再計算
  • 特別経費(住住居関係費、保険医療、保険掛金)を一律控除の対象から除外

などの変更を通じて、従来の算定表に比べて控除額を減少、全般的には現在の生活様式に沿う形で養育費の金額が増加する変更となっています。

養育費算定表で算出した養育費は自分で請求できる?

養育費算定表で算出した養育費は、支払い側・受け取り側双方での合意さえあれば、自分で請求することも可能です。
万一、養育費の話し合いがまとまらなかった場合、家庭裁判所に審判を申し立て、裁判所に判断してもらうことも可能です。

養育費を自分で請求する場合、最も問題となるのが、実際に請求した養育費を継続して払い続けてもらえるかどうかです。実際に、支払いの約束を取り付けたにも関わらず、養育費を約束通りに支払ってもらえないケースは決して少なくありません。

養育費の請求について不明点や問題がある場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士は、相談者の状況をふまえ、法的知識に基づいた確実な養育費請求をサポートしてくれます。
今回ご紹介した養育費算定表の見方や計算方法についても詳しく教えてくれるでしょう。

まとめ

養育費算定表は、離婚や別居時に子供の養育費を決める際の大切な指針となります。養育費算定表を利用することで、子供の人数や年齢、両親の年収に基づいた適切な養育費の目安を把握することができます。算定表の見方を理解し、正確な情報に基づくことが公平な養育費の算出には不可欠です。

令和元年に公表された新算定表は、これまでの算定基準に変更をもたらしました。この改定は、養育費の算定額に影響を与え、子どものいる離婚家庭にとっては重要な意味を持ちます。養育費算定表で算出された金額は、法的な強制力こそありませんが、裁判所が採用する標準的な金額帯であり、実際の養育費として請求することが可能です。

ただし、養育費算定表で示される養育費の金額はあくまで目安です。実際の養育費は子供の最善の利益を考慮し、両親の経済的状況や子供の具体的なニーズに応じて決定されるべきでしょう。
適正な養育費をスムーズに獲得したい場合は、お近くの弁護士までご相談ください。

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