親権トラブルを離婚弁護士に相談すべき理由とは?離婚時に解決すべき親権問題

子どもの親権

離婚する夫婦に子どもがいる場合には、子どもの親権者を決めないといけませんが、双方の親が子どもの親権を主張することがあります。親権争いが起こると、どのような問題があるのでしょうか?今回は、離婚をする場合の子どもの親権の問題について、解説します。

離婚する夫婦の子どもの親権問題

親子

離婚時に問題になる子どもの親権とは何?

親権とは、子どもの財産を管理したり、子どもの養育監護をしたりする権利のことです。

親権の内容は、財産管理権と養育監護権に分けられる

財産管理権とは、子どもの財産を管理処分する権利のことです。養育監護権とは、実際に子どもの面倒を見て、育てる権利のことです。通常「親権」という場合には、この財産管理権と養育監護権を両方含む意味で使います。

ただ、場合によっては財産管理権と養育監護権を分けるケースがあります。その場合、財産管理権のことを特に「親権」と言い、養育監護権のことを「監護権」と言います。親権と監護権を分ける場合の「親権」は、全体としての「親権」より範囲が狭い権利となります。

離婚する前の親権と離婚後の親権は意味合いが異なる

日本では、婚姻中の夫婦は、どちらも子どもに対して親権を持っています。このように、両方の親が親権を持つことを、共同親権と言います。そこで、婚姻中は、どちらの親も子どもの代理人として行動をすることができます。たとえば、子ども名義で預貯金口座を作ったり、子どもの世話をしたりします。

ただ、日本では、離婚後には、共同親権が認められていません。そこで、夫婦が離婚をするときには、離婚後にどちらの親が親権者となるのかを決定しないといけません。両方の親が親権者となることを希望すると、夫婦間で争いが発生して、子どもも巻き込んだ大トラブルになってしまうことも多いです。

なお、親権者が決められるのは、未成年者の場合のみです。現在の民法では20歳が成人年齢ですが、20歳になったら親の親権はなくなります。そこで、離婚する夫婦に子どもがいても、その子どもが20歳以上のケースでは、親権は問題になりません。親権者を決めるのは、夫婦の間に未成年の子どもがいるケースとなります。

親権者を決めないと離婚ができない

離婚

夫婦が離婚する場合には、慰謝料や財産分与、養育費など、いろいろな決めごとがあります。これらの決めごとについては、特に定めなくても離婚することができます。そうだとすると、子どもの親権についても、特に定めなくても離婚することが出来るのでしょうか?

答えはNOです。

離婚後、子どもには必ず親権者が必要

日本では離婚後の共同親権が認められません。そこで、離婚するときには、必ず子どもの親権者を夫婦どちらかに決めなければなりません。

親権者を決めずに先に離婚することはできません。話し合いによって離婚をする協議離婚の場合には、慰謝料などの条件を決めずに先に離婚だけしてしまうことも多いですが、それでも協議離婚届に離婚後の親権者を書く欄があり、その欄に記載をしない限り離婚届けを受け付けてもらうことはできません。親権争いが長引くと、その分離婚ができない期間が長引いてしまうことになります。

離婚時に親権と監護権を分ける方法も存在する

親権と監護権を分ける

親権と監護権を分けると離婚がスムーズにできることがある

子どもの親権問題が激化すると、お互いに譲ることができず、離婚できない期間が長引くことが多いです。そこで、親権と監護権を分けてお互いが了承することがあります。先に説明したように、親権には「財産管理権」としての親権と、「養育監護権」としての監護権があります。そこで、これらの権利を分けて、元夫婦それぞれが取得することがあります。

たとえば、夫婦が両方とも子どもの親権を望んでらちがあかない場合、母親が「監護権」を取得し、父親が「親権」を取得することによって、両者が合意出来ることなどがあります。この場合、戸籍上の「親権者」は「親権」を取得した方の父親になります。このように、どちらにも一定の権利を認めることで、意地を張り合っていた夫婦が折れて、離婚をスムーズにすすめることができるので、親権と監護権を分けることには一定のメリットがあります。

親権者となっても子どもと一緒に住めない

ただ、親権と監護権を分けた場合の「親権」は、財産を管理するだけの権利です。実際に子どもと一緒に住んで養育をすることはできません。また、一緒に住んでいない以上、養育費を支払う義務もあります。そこで、実際に子どもと一緒に住んで子どもの養育をしたい場合には、親権と監護権を分けた場合の親権を取得してもあまり意味がありません。

監護権者に財産管理権がないと不便

親権と監護権を分けると、子どもを実際に養育監護するのは監護権者ですが、監護権者には子どもの財産を管理する権利がありません。すると、子どもとの生活でいろいろな支障が生じることがあります。

たとえば、親権者でないと、子どもの預貯金の管理ができません

子ども名義の預貯金を解説することはできませんし、親権者として署名を求められるケースなどでも、単なる監護権者には署名の権限がありません。このような場合には、元の配偶者に連絡をして、必要な手続きをしてもらわないといけません。

子どもが交通事故に遭うと不便

子どもが交通事故に遭った場合などには、相手に対して損害賠償請求をしなければなりませんし、示談が成立したら示談書を書かなければなりません。このような請求手続きも、監護権者には行う権限がないので、親権者である元の配偶者に連絡を取って協力してもらわないといけなくなります。元の配偶者が遠くに居住している場合や連絡を取りにくい場合などには、非常に不便になったり手続きが不便になったりすることもあります。

このようなデメリットを考えると、親権者と監護権者を分ける方法は、あまりおすすめではありません。どうしても夫婦の親権者に関する対立が激しく、権限を分けることによってしか合意ができないケースでのみ、検討するのが良いでしょう。

親権問題が解決しないまま勝手に離婚届を出されてしまう場合がある

離婚届け

親権が泥沼化すると勝手に離婚届を提出されるかも!

夫婦が離婚をする場合には、必ず子どもの親権者を決めなければなりませんが、協議離婚の場合には、協議離婚届に親権者を記入して、役場に提出したら、それだけで離婚ができてしまいます。この場合、夫婦間で話し合いができていなくても、どちらかが勝手に親権者欄を書いて提出したら、その離婚届が受け付けられてしまいます。

また、離婚届の署名押印は、勝手に書こうと思えばいくらでも書くことができます。実際に、親権争いが激しい事案では、夫(または妻)が勝手に離婚届けを作成して、子どもの親権者欄を自分の方にしてしまい、役所に離婚届を提出してしまうことがあります。

勝手に離婚届けを出されたことを証明するのは手間がかかる

こうしたとき、離婚の効果を無効にするためには、離婚無効確認調停や離婚無効確認訴訟を起こして、離婚届が偽造されたことを証明しないといけなくなり、大変な手間となります。万一偽造であったことを証明できなければ、子どもの親権を相手にとられたままになってしまうので、大変な問題です。このように、親権問題でトラブルになっている場合には、相手が勝手に協議離婚届を出さないように対処をする必要があります。

親権問題が長期化しそうな場合は離婚届けの不受理願いを出す

相手に勝手に離婚届を提出されないためには、役所において「離婚届けの不受理願」という手続きをしておくと良いです。

離婚届けの不受理願、とは

自分以外の人が協議離婚届を持ってきたとしても、離婚届けを受け付けないでもらうようにする手続きです。これさえしていれば、相手が勝手に協議離婚届けを偽造して役所に持ってきても、自分が了承をしない限り、受け付けられることはなくなります。子どもの親権者を勝手に書かれて相手が親権者扱いされることもなくなるので、安心です。

離婚届けの不受理願いを出すためには、市町村役場の戸籍課に行って「離婚届けの不受理願いを出したい」と言えば、役所の担当者が必要な書類を出してきて、手続きをしてくれます。親権争いになったときのためには、是非とも覚えておくと良いでしょう。

親権を決める判断基準とは

関わり

夫婦の双方が子どもの親権者を希望する場合、裁判所はどのような判断基準によって子どもの親権者を決定するのでしょうか?以下でその考慮要素をご紹介します。

普段の子どもとの関わりが多い方が親権を取得しやすい

まずは、それぞれの親の子どもとの関わりの程度や度合いが考慮されます。たとえば、日頃子どもとどの程度、どのように接しているのか、子どもの方は親に対し、どのように接しているのかなどの状況です。日常的に積極的に子どもと接触している親の方が親権を取得しやすいです。

これまでの養育実績が親権を決める際に考慮される

親権者を決める時には、子どもに対するこれまでの養育実績も考慮されます。子どもが生まれてからどちらがどのように養育に関わってきたのかが総合的に評価されます。たとえば、赤ちゃんのときに誰がミルクをあげていたのか、おむつかえやお風呂は誰が面倒を見ていたのか、食事は誰が作っていたのか、幼稚園や小学校との連絡は誰がしていたのかなどが見られます。これらの養育に積極的に関わっていた親の方が、親権者として認められやすいです。

子どもの年齢が親権者決定に影響大

子どもの年齢も親権者の決定に重要な要素となります。子どもが赤ちゃんや幼児の場合には、子どもの親権者はたいてい母親になってしまいます。これに対し、子どもが小学校に上がって中学年、高学年などになってくると、父親にも親権が認められることが増えてきます。また、子どもが15歳以上になると、子どもが自分で親権者となる親を選ぶことができます。このように、子どもの年齢によって、親権者の判断基準が大きく変わってきます。

それぞれの親の離婚後の住環境

子どもの親権者を決めるとき、それぞれの親の住環境も重視されます。離婚後は夫婦が同居しないため、離婚後にどのような環境で子どもと暮らすのかが夫婦それぞれについて子なってきます。たとえば、どのような場所に家があるのか、家は持ち家か賃貸か、マンションか一軒家か、どのくらい広いのか、間取りはどうなっているのかなどが評価されます。

ただし、必ずしも大きい家や高級な家の方が有利になるというわけではなく、他の条件がそろっていたら、賃貸の小さなアパートなどでも親権をとることはできます。裁判所で親権についての審理を行う場合には、家の間取り図面などを提出する必要があります。

親権者になる為には健康状態も考慮される

親権者の判断の際には、それぞれの親の健康状態も評価されます。子どもの親権者になる人は、健康でないといけません。子どもを引き取っても病気がちな親であれば、いつ子どもの面倒を見られなくなるかわからず不安ですし、満足に子どもの世話をできない可能性があるからです。

そこで、子どもの親権者になるためには、ある程度健康である必要があります。ただ、健康状態だけですべてが決まるわけではなく、多少の持病があっても子どもの養育に支障がなければ親権者になることはできます。

離婚後の経済状況も親権決定に多少の影響がある

子どもの親権者を決める時、それぞれの親の経済状況も考慮されます。経済状況とは、収入や資産のことです。子どもを育てるにはお金が必要ですし、お金がある方が子どもに楽な生活をさせてあげることができるので、お金はないよりある方が有利になります。

実際に、父親の収入が高く母親が専業主婦などのケースでは、父親側は「相手に親権を渡すと子どもに満足な教育をつけられない」とか「子どもが貧困状態に陥るおそれがある」などと言って、自分が親権者になるべきだと主張することが多いです。

ただし、親権者を決定するとき、経済状態は決定的な要素とはなりません

実際に、生活保護の母親であっても親権を取得しているケースはたくさんあります。親権者を決定するとき、経済状態よりも、どちらかというと、子どもとどれだけ一緒に過ごして密な時間を過ごせるかと言うことの方が重視されます。足りないお金については、相手から養育費を支払ってもらうことによって填補できると考えられています。

離婚後、子どもとどの程度関わることができるか

親権者を決める時には、離婚後の生活において、子どもとどの程度関わることができるかが、非常に重視されます。これは、1日、1週間、1ヶ月のスケジュールにおいて、子どもとどのくらいの時間一緒に過ごせるか、どのような形で時間を過ごせるかという問題です。

子どもと過ごせる時間が長いほど親権有利に

もちろん、子どもと長時間一緒に過ごせれば過ごせるほど、親権取得には有利になります。たとえば、仕事をしていない人の場合には、朝子どもを送り出して、子どもが小学校に返ってきたらその後はずっと一緒にいられるのですから、親権者取得には有利になります。

しかし実際には、働いているのでそのようなことは難しいことが多いでしょう。そこで、どれだけ仕事との折り合いをつけて、子どもと過ごせるかが重要になってきます。また、自分が一緒にいられない間、誰かが監護を手伝ってくれるのかも重要な要素となります。たとえば、父母(子どもにとっての祖父母)と一緒に暮らしていて、自分の仕事中は祖父母が子どもの面倒を見てくれるようなケースでは、親権を取得しやすくなります。

そうでない場合には保育所を利用するしかありませんが、小学校以上になると保育所がないので、学童保育などを利用することになります。なお、子どもと一緒に過ごせる時間、と言う場合、親本人が子どもと接する必要があります。子どもを祖父母に任せっきりにして、親自身は外で働いてばかり、という状態では、親権を取得することは難しいです。

子どもが本当に懐いていないと親権者と認められにくい

子どもの親への愛着の度合いも、親権者決定の1つの要素となります。愛着とは、子どもが親に懐いているか、ということです。親権者を決めるときには、子どもと親との面会交流場面を作って観察する手続きなどがとられますが、このとき、子どもが親に対してくっついて行っていたり懐いていたりする様子があれば、親権者を取得しやすいです。反対に、子どもが警戒していたり怖がっていたりすると、親権者としては認められにくくなります。

15歳以上の場合、子どもの意思も尊重される

子どもの意思も、親権者の決定要素となります。ただ、親権者を決めるとき、子どもの意思だけで決めることはありません。特に小さい子どもの場合には、どちらの親を選ぶかという重要な問題について、子ども自身に適切な判断能力が無いと考えられています。そこで、小さい子どもには、「どっちの親と暮らしたいか」という質問はしません。そうではなく、上記のように愛着があるかどうかなどによって判断します。子どもがある程度大きくなると、子どもが自分の意思で親権者を決められるようになります。

小さい子どもに親を選ばせてはいけない

選ぶ

親権争いが起こると、親はよく子どもに親を選ばせる行動をとります。たとえば、別居前に子どもに対し「お父さんと住みたい?お母さんと住みたい?」などと言って詰め寄ることがあります。

子どもにとっては親権者を選ばせる行為がストレスに

しかし、このようなことは、子どもにとってストレスになるだけです。小さい子どもは、両方の親と一緒に住みたいと思っているのであり、どちらかだけでいいとは考えられないものです。それなのに、親が怖い顔をして、このような質問をされては、子どもはどうしてよいかわかりません。

親が離婚問題を抱えると、子どもがおねしょをしたりお腹が痛くなったりなど、不調を起こすことも多いですが、それは、子どもにこういったストレスがかかっていることも1つの要因となります。

裁判所は小さな子どもの場合、子どもに自分で親権者を選ぶことはさせません

離婚問題で子どもに対し「どっちの親と住みたい?」と聞くこと自体、タブーとする考えがあります。子どもに対するこのような質問は「不適切」であると考えられていますし、このような質問をして子どもを追い詰める親は、「親権者として不適格」だと判断されてしまうこともあります。

そこで、子どもの親権者になりたい場合、子どもに対し「お母さんと住みたいよね?」とか「パパのことが嫌いなのか」など、子どもに親を選ばせるようなことを言ってはいけません。

子どもはいつから親権者を選べるのか

子ども選ぶ

小さい子どもの場合には、子どもが自分の親権者を選ぶことはできません。ただ、子どもが一定の年齢になってくると、子どもは親権となる親を選ぶことができます。それは、大きくなってくると、子どもにも適切な判断能力が身についてくると考えられているからです。

子どもが自分の親権者を選べるようになる年齢は、15歳以上

そこで、離婚する夫婦の子どもが15歳以上の場合には、子どもがどちらかの親を選べば、それ以上の調査や評価は一切せずに親権者を決めることができます。どんなに経済状態が悪い親であり、どんなに忙しい親であっても、子どもが望んだらその親は親権者になることができます。子どもが15歳を目前としている場合には、子どもが15歳になってから離婚をすると、子どもの意思を尊重してもらって親権者を決めることができます。

親権決定の基準①母親優先の原則とは?

パパ

親権者決定の基準として、母親優先の原則と呼ばれる原則があります。

0歳~3歳くらいまでの乳幼児は母親が優先される

これは、0歳~3歳くらいまでの乳幼児の場合には、親権者として母親が優先される原則のことです。このくらいの年齢の子どもは、母乳を飲んだりしている子どもも多く、母親との接触による影響を大きく受けるので、健全に成長していくために母親との関わりが重要だと考えられているからです。

5歳以上になり小中学生になると父親の親権が認められる例も

これに対し、子どもが5歳以上となり、特に小学校中学年を超えてくると、父親に親権が認められる例がかなり増えてきます。そこで、子どもが乳幼児の時期に離婚をすると、父親が子どもの親権者になることは非常に厳しくなります。父親が親権をとりたい場合には、子どもが小学校に入学して、中学年以降くらいになってからの方が有利です。

赤ちゃんだとほとんどの場合、母親に親権が認められる

逆に母親の立場からすると、子どもが赤ちゃんのケースなどでは、ほとんどのケースで自分に親権が認められます。子どもが学童期に入ってくると、相手に親権が認められる可能性があるので、早めに離婚してしまった方が親権の取得には有利になることがあります。

親権決定の基準②現状維持の原則とは?

現状維持

親権者決定の基準として、現状維持の原則があります。現状維持の原則とは、子どもが現在落ち着いて生活をしている場合には、あえて環境を変えないという原則です。

夫婦が離婚前に別居している場合に問題となります

離婚前に夫婦が別居する場合、子どもはどちらかの親と一緒に暮らしているものです。ここで、子どもが落ち着いて健全に生活をしているのであれば、その現状を保護しようとします。子どもが落ち着いて生活できているのに、離婚によって別の親と住むこととなると、再度引っ越しや転校などが必要になって子どもに負担がかかるから、というのがその主な理由となっています。

そこで、離婚前に別居をするときには、子どもと離れないようにすることが重要です。別居時に子どもと離れて相手と子どもが一緒に住んでいる状況ができてしまうと、子どもはその環境に慣れてしまいます。すると、裁判になったとき、裁判所は「現状落ち着いているので、監護者を変更する必要がない」と判断して、相手にそのまま親権が認められてしまうおそれが高くなります。

親権争い中は子どもの連れ去りに注意!

連れ去り

親権争いが起こると、子供の連れ去りが起こることが多い

親権者決定の際には、現状維持の原則があることと関連して、離婚前に子どもの連れ去りが起こることがあります。これは、離婚時に親権者として認められるためには子どもと一緒に暮らしていることが有利になることから、離婚前、子どもを連れ出して無理矢理別居し、自分が子どもと一緒に暮らしている現状を作り出してしまうことです。

この場合、子どもが相手との生活に慣れてしまったら、現状維持の原則によって子どもの親権者が相手に認められてしまう可能性が高くなります。そこで、離婚問題が起こって親権者争いが発生したら、相手が子どもを勝手に連れ出して別居を強行しないように、注意する必要があります。子どもに勝手に出て行かないように言ったり、常に目を光らせておいたりするようにしましょう。

子供の連れ去り問題への対処方法「監護者指定調停」

なるべく早めに話し合いをして問題を解決するか、監護者指定調停や審判などを起こして、子どもの監護者を自分に指定してもらうことも1つの対処方法となります。監護者指定調停とは、子どもの監護者を決めるための調停ですが、これによって自分が監護者と指定されたら、その後相手が子どもを連れ去っても、監護者の権利にもとづいて子どもを取りもどすことができます。

また、監護者指定調停を起こしたら、その後相手が子どもを連れ去ることに違法性が認められやすいので、万一の場合にも子どもを取りもどすことが容易になります。

不貞していた親は子どもの親権者になれるのか?

不貞

親権者を決めるとき、不貞によって離婚原因を作った親が親権者になれるのかという問題があります。一般的には、不貞をしていたような親に親権が認められるはずがない、と考えられることも多いです。ただ、不貞があるからと言って、必ずしも親権が認められないとは限りません。

子どもとの関わり、不貞相手との関係によっては認められる例も

その親と子どもとの関わり合いが密であり、関係が良好であり、不貞相手との関係が終了していて、不貞によって子どもに特に悪影響がないと考えられるようなケースでは、不貞によって離婚原因を作った場合でも親権が認められる例があります。この場合、不貞にもとづいて慰謝料を支払う必要はありますが、親権を取得することはできますし、離婚後に養育費の請求もできます。

親権者の決め方

親権

それでは次に、子どもの親権者を決める方法をご説明します。

話し合い

子どもの親権者を決めるときには、まずは夫婦が自分たちで話しあう必要があります。話し合いによってどちらが親権者になるかについて合意ができたら、その内容で離婚届けを作成して役所に提出したら、手続きが完了します。この場合、親権者として書き換えた親が子どもの親権者として、戸籍が編成されます。

調停

話し合いによっては子どもの親権者を決められない場合には、離婚調停によって子どもの親権者を決める必要があります。離婚調停とは、離婚することや離婚条件を当事者が自分で決められない場合に、家庭裁判所の調停手続きによって話し合いをするための手続きです。

離婚調停では、家庭裁判所の調停委員が間に入って話し合いを仲介してくれるので、感情的に対立のある相手と直接顔を合わせて話をする必要がなく、話し合いをすすめやすいです。親権に争いがある場合には、家庭裁判所の調査官によって、子どもの環境や状態、親との関わりなどについて調査が行われることもあります。これらの結果を踏まえて夫婦が親権について合意出来たら、その内容に従って子どもの親権者を決めることができます。この場合、調停調書が作成されて、そこに子供の親権者が記載されます。

調停調書を役所に持っていくと離婚届けができますが、このとき、調停調書に書かれた親権者を戸籍上の親権者として、新戸籍が編成されます。

訴訟

親権について争いがある場合、調停で話し合いをしてもお互いが折れず、親権者を決められないことが多いです。この場合には、離婚訴訟によって子供の親権者を決定してもらう必要があります。

離婚訴訟とは、離婚することや離婚条件などを、裁判官に判決によって判断してもらうための裁判手続きです。離婚訴訟を起こすときには、自分か相手の住所地を管轄する地域の家庭裁判所で提訴の手続きをします。提訴するときには、自分の希望する離婚条件を書き込んだ訴状や証拠、戸籍謄本などの必要書類を添付して提出します。事案によって、数万円の収入印紙と5000円程度の予納郵便切手が必要です。

離婚訴訟を起こすと、裁判所でその離婚事件についての審理が行われます。通常の裁判と同様、お互いの主張内容と立証方法にもとづいて裁判官が離婚や子供の親権者を判断します。

調査官調査について

離婚裁判で行われる調査官調査とは

訴訟において子供の親権が争いになっている場合には、家庭裁判所の調査官によって親権者に関する調査が行われます。調停時に調査が行われていても、裁判になったら改めて調査が実施されることが多いです。

調査では、双方の親から聞き取りを行い、これまでの監護状況などについて調べます。また、家庭訪問を実施して子供の生活状況を調べたり、子供幼稚園や保育園、学校の先生などから話を聞いたりすることもあります。家庭裁判所で、双方の親と子供の面会を実施して、子供と親との関わりの様子を観察することもあります。

調査官調査は親権者決定のポイントとなる

こうした調査が終わったら、調査官は調査の結果を調査報告書にまとめます。裁判官は、この調査報告書にもとづいて親権者についての判断を行うので、調査報告所の内容は非常に重要です。離婚の際に子供の親権をとりたい場合には、調査官調査でどの程度調査官に評価してもらえるかがポイントとなります。親権をとりたいなら、調査官調査にはきちんと協力して、調査官に良い印象を持ってもらえるようにつとめる必要があります。

離婚訴訟で結果が出た後の手続き

調査官調査が終わって調査報告書が提出されたら、裁判官は判決を出して、その中で子供の親権者を決定します。このようにして親権者が決まったら、判決書と判決の確定証明書という書類を役所に提出したら、子供の親権者を決めて離婚ができます。この場合にも、判決書で親権者と指定された親を親権者として、新戸籍が編成されます。

離婚後親権者を変更できるのか?

家庭裁判所

親権者変更調停とは?

いったん離婚時に親権者が決まっても、その後変更をしたいケースがあります。この場合には、親権者を変更する方法があります。それは、家庭裁判所で行う「親権者変更調停」です。

離婚後、何らかの事情があって子供の親権を変更したい場合には、相手の住所地を管轄する家庭裁判所において、親権者変更調停を行いましょう。相手との話しあいによって親権者を変更する合意ができたら、親権者を変更することができます。話市では合意ができ何場合には、審判によって親権者を変更すべきかどうか決めてもらうことができます。

親権者変更が認められるケースとは?

ただ、親権者の変更は、離婚時に親権を取得するよりも難しいです。現状を変えてあえて親権者変更をする必要があるケースにしか認められないので、現状によほど問題があるか、相手自身が親権者の変更を望んでいるか、子供の年齢が大きくなって本人が親権者の変更を望んでいるなどの事情が必要となります。

親権者変更の届出の方法

親権者の変更が認められたら、その内容が記載された調停調書や審判書がもらえるので、それを役所に提出したら親権者の変更ができます。子供が相手の所にいる場合には、話し合いによって引き渡しを受ける必要があります。

子供の親権トラブルは熾烈になりがち

公園

以上のように、子供の親権を決めるときには、非常にさまざまな問題があります。子供の親権を決められない場合には、子供を巻き込んで熾烈な争いが行われることが多いです。親権ほしさに子供の連れ去りが行われることもあり、子供を傷つけてしまうこともよくあります。

親権を取得するためにも子どもとの時間を大切に

また、子供の親権を取得したい場合には、日頃から子供との関わり方に気をつけて、子供のためになるべく良い環境を準備し、子供と一緒に過ごせる時間を確保する必要があります。調停や訴訟になったら、調査官調査にも協力しなければなりませんし、その結果によって子供の親権者が決められてしまうので、適切に対応する必要もあります。お金がない場合、子供の親権をあきらめるケースもありますが、経済状態が悪くても子供の親権者になることはできるので、あきらめる必要はありません。

子供の親権問題に対応するには、自分一人では適切な対処方法がわからないことが多いです。親権問題で悩んだときには、離婚問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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