財産分与は離婚弁護士に相談!離婚時の財産分与で請求できる内容と請求方法を徹底解説

財産分与

離婚時に財産分与請求をするときには、適切に計算をして確実に請求することが必要です。財産分与の対象となる財産を分類し、正確に計算して、法的な手続きを使って請求しましょう。財産分与は、原則的に2分の1ずつになりますが、話合いによって別の割合にすることも可能です。離婚後も2年間は財産分与の請求をすることができます。

離婚の財産分与とは

離婚時財産分与とは、夫婦が離婚をするときにその共有財産を分け合うことです。夫婦の婚姻中、家系は1つになっていて、夫婦の財産が共有状態となっています。ところが離婚をすると、財産を個別に分けなければなりません。そこで、財産分与をして共有財産を分け合います。このように、財産分与を行うのは、夫婦に財産があるケースです。離婚する夫婦であっても、財産がない夫婦の場合には財産分与はしません。

離婚の財産分与には3種類ある

財産

次に、財産分与の種類を見てみましょう。具体的には以下の3種類となります。

清算的財産分与

財産分与の1つ目として、清算的財産分与があります。これは、夫婦の婚姻中の財産を分け合うことで、もっとも代表的な財産分与です。一般に、単に「財産分与」と言う場合には、この清算的財産分与のことを言うことも多いです。

たとえば、離婚時に夫婦共有財産として500万円の預貯金があるとき、その預貯金を250万円ずつにすることなどが清算的財産分与にあたります。

扶養的財産分与

財産分与としては、扶養的財産分与という形があります。扶養的財産分与とは、離婚後配偶者の生活が苦しくなることが見込まれる場合に、相手の扶養のために行う財産分与のことです。

たとえば、専業主婦と離婚する場合、相手が離婚後働ける見込みがない場合には、離婚時にしばらくの間、扶養的財産分与として毎月10万円を支払う約束をすることなどがあります。

慰謝料的財産分与

慰謝料的財産分与とは、相手に有責性がある場合に発生する財産分与のことです。有責性とは、離婚原因を作った責任ということです。たとえば、相手が不貞をして離婚に至ったときなどに請求できます。たとえば、相手が不倫をしたことが原因で夫婦が不和になって離婚するとき、慰謝料的財産分与として300万円の支払いを受けるケースなどがあります。

ただ、慰謝料的財産分与を行う場合には、その金額の中に慰謝料が含まれます。そこで、慰謝料的財産分与を請求するときには、別途慰謝料を請求することができませんし、慰謝料を支払ってもらう場合には慰謝料的財産分与を請求することができません。

慰謝料的財産分与とは、慰謝料と財産分与を合算して支払いを受けるようなイメージの財産分与です。

離婚の財産分与の対象になるもの

次に、離婚時の財産分与の対象になるものはどのような財産なのか、見てみましょう。これについては、夫婦が婚姻後、お互いの協力によって築いたすべての財産が対象になります。

現金や預貯金

通帳

現金や預貯金は、夫婦のどちらの名義であっても預貯金は財産分与の対象になります。ときどき、妻のパート代を積み立てた通帳は妻のものであると考えられているケースがありますが、実際には、それも財産分与の対象になるので注意が必要です。また、子ども名義の預貯金がある場合にも注意が必要です。この場合、その中に入っている預貯金が夫婦の収入である場合には、夫婦の財産分与の対象になってしまいます。

財産分与になるかどうかについては、名義ではなく実質的に判断されるので、覚えておきましょう。

生命保険

生命保険

生命保険も財産分与の対象になります。ただし、対象になるのは積立型の生命保険のみで、掛け捨て型のものは財産性がないので対象になりません。

積立型の場合には、解約返戻金分の財産であると考えられます。独身時代から加入している生命保険の場合には、結婚後に支払った保険料に対応する部分の解約返戻金が、財産分与の対象になります。

子どもの学資保険も財産分与の対象になることが多いので、注意が必要です。子どもの学資保険の契約者は、通常親であることが多く、保険金の支払をしているのも親ですから、その積立は親の収入によって行われています。そこで、これは夫婦共有財産とされます。そうではなく、祖父母などの夫婦以外の人が掛け金を支払っていた場合などには、財産分与の対象にならないことがあります。

株券、出資金など

株券などの有価証券、投資信託、出資金なども財産分与の対象になります。そのときの直によって評価します。

不動産

不動産も財産分与の対象になります。よくあるのが、自宅の不動産です。不動産については、購入価格ではなく、財産分与の基準時の時価によって評価することになります。

退職金

退職金も、財産分与の対象になるケースがあります。まず、既に支払われている退職金については、退職金は預貯金などの形に変わっているので、そのまま財産分与の対象にすることができます。

これに対して、まだ支払われていない退職金は財産分与の対象にできる場合とできない場合があります。退職金は、給料の前払い的な性質があるため、婚姻中に形成された部分があると考えられるからです。ただ、退職金は、どのような事案でも確実支払われるものではありません。将来仕事を辞めることもありますし、会社が倒産してしまうこともあります。

そこで、退職金の財産分与が認められるのは、ある程度退職金が支払われる見込みがあるケースに限られます。具体的には、退職時期が長くても10年以内であり、退職金が支払われる蓋然性が高いことが必要です。

たとえば、相手が公務員であったり、上場企業のサラリーマンであったりする場合には退職金が支払われる蓋然性が高いですが、そうではなく町工場や個人事業者に雇われている従業員などの場合には、退職金を財産分与煮含められないことが多いです。

離婚の財産分与の対象にならないもの

次に、財産分与の対象にならないものを確認しましょう。

特有財産

財産分与の対象にならないものは、夫婦の共有財産ではないものです。相手や自分の特有財産は、財産分与の対象になりません。特有財産としては、独身時代に貯めたお金があります。また、結婚時に嫁入り道具として持ってきたものも財産分与の対象になりません。

また、一方の親の遺産なども特有財産になるので、財産分与の対象になりません。実家から贈与を受けた不動産なども財産分与の対象になりません。ただ、一方の実家から相続や贈与によって得た財産であっても、取得後に夫婦の協力によって価値が上がったようなケースでは、価値の増加分が財産分与の対象になることもあります。

別居後に築いた財産

また、夫婦仲が悪化して別居してしまった場合、別居後に作った財産は財産分与の対象になりません。この問題は、後にご説明する財産分与の基準時の問題とも関連します。

借金

借金も、財産分与の対象になりません。そこで、夫婦の一方がサラ金などで借金をしている場合にも、その借金を半分ずつ負担することなどはありません。これは、離婚という事情によって債務者が変わってしまうと、債権者にとって不利益が大きいことなどによります。

相手に多額の借金がある場合にも、離婚後自分が負担しなければならないことは基本的にはないので、安心して離婚できます。

年金

年金

さらに、年金も財産分与の対象になりません。昔は年金も財産分与に含める考え方がありましたが、今は「離婚時年金分割制度」という制度によって、婚姻中の年金を分割する制度がありますが、これは財産分与とは異なり、独立した制度です。離婚をするとき、相手が厚生年金や共済年金に加入している場合には、財産分与とは別に離婚時年金分割の請求をする必要があります。

離婚の財産分与で注意した方が良いケース

相手に財産分与を請求するとき、特に注意した方が良いケースをご紹介します。

妻の離婚後の生活と財産分与への期待

給料

財産分与については、妻の給料は対象にならないという誤解が多いです。しかし、上記でもご説明した通り、妻の給料も財産分与の対象になります。別に通帳を作ってどけていても、やはり財産分与の対象になるので、注意しましょう。

また、妻はいつでも相手に多額の財産分与ができると思い込んでいるケースもあります。そこで、熟年離婚のケースなどでは、離婚後の生活を財産分与に頼ろうとしているケースも多いです。しかし、財産分与を請求できるのは、基本的に夫婦に共有財産がある場合だけですし、請求できる部分も限られているので、財産分与に頼りすぎるのは危険があります。

相手が経営者の場合の生命保険

相手が生命保険に加入していて、それが積み立て型の場合には財産分与の対象になります。普通のサラリーマンなどの場合、お金の管理がわかりやすいので生命保険を見逃すことはあまりありません。

しかし、相手が個人営業や会社の経営者、病院経営者(医師)、僧侶などの職業についている場合には、相手の生命保険を見逃すことが多いです。これらのケースでは、相手が退職金代わりに高額な生命保険に入っていることが多いですが、妻が経営にタッチしていない場合には、そのような生命保険にまったく気づかないまま離婚してしまうからです。

相手が経営者的な立場にある場合には、まずは相手が退職金代わりに生命保険に加入していないかをチェックして、そのような保険があれば、忘れずに財産分与請求をしましょう。

離婚の財産分与の割合

基本の財産分与の割合

天秤

次に、財産分与の割合を見てみましょう。財産分与の割合とは、財産分与を行う場合、夫婦のどちらがどのくらいの割合の分与を受けるか、ということです。たとえば、夫婦の取り分を、1:1とするのか、6;4とするのか、8:2にするのか、などの問題です。

この点、男性側から多く行われる主張として、「妻は専業主婦で収入がなかったので、今ある財産はすべて自分が作ったものである。だから、財産分与は自分が多くもらうべきだ」というものがあります。この場合、男性側は、財産分与の割合を6:4と主張したり7:3と主張したり、場合によっては100::0にすべきだと主張したりすることもあります。

しかし、今の裁判所の考え方では、夫婦の財産分与割合は1:1とすべきだと考えられています。妻が専業主婦で収入がなくても同じですし、夫婦共働きで、どちらかの収入が少なく格差がある場合でも同じです。これは、たとえ専業主婦で実際にはお金をかせいでいなくても、家事労働そのものに経済的な対価が認められることや、主婦が家事や育児をになうことによって、夫が存分に外で働いてお金を得ることができたという意味で、主婦にも財産形成に対して夫と同等の貢献があったと認められるからです。

そこで、相手が専業主婦やパートの主婦などであっても、財産分与の割合を減らすことはできません。過去の裁判例では、相手が専業主婦の場合の財産分与割合を6:4などにすることがありましたが、現在ではこのような運用は行われていないので、覚えておきましょう。

自分たちで自由に決めることができる

財産分与の割合は、家庭裁判所で判断してもらうときには、基本的に1:1になります。しかし、本人同士が話合いによって財産分与を決めるときは、必ずしもこの割合にこだわる必要はありません。自分たちで決めるときには、合意によってどのような財産分与割合にすることも認められます。

たとえば、夫と妻が6:4や7:3などにすることもできますし、妻の離婚後の生活が心配なケースなどでは、夫:妻=2:8にしてもかまいませんし、妻が全部(100%)財産をもらう、という決め方もできます。このことは、調停で財産分与を決めるときにも同様です。

このように、場合によっては自分たちで話合いによって財産分与を決めた方が、多くの金額の分与を受けられることがあるので、覚えておくと良いでしょう。

離婚の財産分与の計算方法

計算機

次に、それぞれの財産について、財産分与の計算方法をご紹介します。

現金・預貯金

まずは、現金や預貯金の分け方です。これについては簡単です。単純に残高を基準にして、2分の1ずつに分ければ足ります。

生命保険

次に、生命保険を見てみましょう。これについては、何を持って評価額とすべきかが問題ですが、まずは、解約返戻金を基準にします。解約返戻金とは、もし今保険を解約したらいくらのお金が返ってくるかという数字であり、今までの総払込金額とは異なります。

解約返戻金を調査するときには、加入している保険会社に問い合わせる必要があります。通常、「解約返戻金証明書」を発行してもらうように要求すると、保険会社から解約返戻金の金額が記入された証明書を送ってもらうことができます。生命保険を分けるときには、この解約返戻金証明書に記載されている金額を基準として、2分の1ずつに分けます。

生命保険の名義がどちらかになっているとき、生命保険を解約する必要はありません

この場合には、解約返戻金の半額を、相手に対して現金か預貯金によって支払えば良いのです。たとえば、夫が解約返戻金500万円の生命保険に加入している場合に妻に対して財産分与を行うなら、夫は妻に対して250万円の現金か預貯金を支払うことによって、清算できます。

なお、そのような現金や預貯金がないケースや、離婚後にその保険が不要なケースなどでは、実際に保険を解約して分けてもかまいません。

不動産

離婚時財産分与で良く問題になるのが、不動産です。不動産については、基本的には離婚時や別居時の時価を評価額として、それを2分の1ずつとします。このとき、不動産の名義や持分割合は無関係です。自宅が全部夫名義となっていたり、夫:妻の持分割合が8:2などとなっていたりしても、財産分与を行うときには、2分の1とします。

支払い方は、不動産を売却するか、代償金を支払うか

また、このとき、不動産を売却して分ける方法と、どちらかが取得して相手に代償金を支払う方法があります。不動産を売却して分ける場合には、不動産を実際に第三者に売却し、その売却金から仲介手数料や税金などを差し引いて、その金額を2分の1ずつとします。

たとえば、夫婦が5000万円の自宅を持っていたけれども離婚によって不要になったので売却したところ、諸費用500万円がかかったケースでは、5000万円で売却した金額から諸費用500万円を差し引いた4500万円を半分ずつにするので、夫婦がそれぞれ2250万円ずつ受け取れることになります。

これに対し、どちらかが不動産を取得する場合には、相手に対して不動産の評価額の2分の1の金額を支払います。たとえば、先ほどの例で、離婚によって不動産の名義を全部夫が取得する場合には、夫は妻に対して2500万円の支払をしなければなりません。このときもともと夫の名義が7割や8割であっても、やはり妻に対して2500万円を支払う必要があります。

どちらかが特有財産によって支払いを負担していたケース

不動産を購入するときには、夫婦のどちらかや、どちらかの実家が特有財産によって、支払いを負担していたケースがあります。たとえば、夫婦のうちのどちらかが独身時代に貯めていたお金を拠出したり、どちらかの実家からまとまったお金が出されたりすることなどがあります。

このような場合には、不動産の中でも、特有財産から拠出された部分(特有部分)は財産分与の対象から外す必要があります。その方法としては、まず、不動産の購入金額のうち、拠出された財産の金額の割合を計算します。そして、その割合を現在の不動産の価値に評価し直して、今の不動産の中で、特有部分がどのくらいあるかを計算します。

仮に5000万円の自宅を購入していた場合だと

わかりやすいように例を挙げてご説明します。夫婦が婚姻後に5000万円の自宅を購入しましたが、このとき、妻の実家が1000万円のお金を負担しました。その後、夫婦が住宅ローンを組むなどして代金を支払ったとします。そして、不動産の現在の時価は3000万円だったとします。

この場合、妻の特有部分の割合は、1000万円(特有財産を出した金額)÷5000万円(購入金額)=20%です。そして、現在の不動産の評価額は3000万円なので、妻の特有部分は、3000万円×20%=600万円となります。

そこで、この夫婦が不動産を分けるときには、妻の特有部分600万円を省く必要があり、財産分与対象は3000万円-600万円=2400万円です。夫婦それぞれの取得分は、その半額である1200万円ずつとなります。ただ、妻には特有部分の600万円があるので、不動産全体に対する妻の権利は1800万円分、夫の権利は1200万円分となります。

以上によると、不動産を売却して夫婦で分ける場合、不動産が3000万円で売れたら、妻が1800万円、夫が1200万円を受けとることになります。夫が全部取得する場合には、夫は妻に1800万円を支払わなければなりませんが、妻が不動産を全部取得する場合には、妻は夫に対して1200万円を支払えば足りることになります。

住宅ローンがあるケース

次に、不動産に住宅ローンがある場合を考えてみましょう。住宅ローンがある場合には、残ローンの金額が、不動産の評価額から減らされます。そして、このことによってマイナスになる場合には、その不動産には価値がないと評価されて、財産分与の対象から外れます。

わかりやすいように、具体例を見てみましょう。たとえば、不動産の評価額が3000万円、住宅ローンの残ローン額が1000万円の物件があるとします。このとき、不動産の評価額は3000万円-1000万円=2000万円となります。そこで、夫婦それぞれの取り分は、2000万円÷2=1000万円です。

この夫婦が不動産を財産分与するときには、不動産を取得する方が、相手に対して1000万円の支払をしなければならないことになります。

離婚の財産分与の基準時

カレンダー

次に、財産分与の基準時についてご説明します。財産分与の基準時とは、いつの時点の財産を基準にして財産分与を行うのかという問題です。たとえば、離婚前に夫が多額の退職金などを取得しても、その後夫が離婚するまでに退職金を使ってしまったら、妻は退職金についての財産分与ができなくなる可能性があります。

この場合、財産分与の基準時をいつにするかによって、妻が夫に請求できる金額が異なります。離婚時が基準なら、妻は夫に使ってしまった退職金の請求ができませんが、別居時が基準なら、夫が使ってしまう前の金額で財産分与の計算ができるので、退職金を含めた財産分与請求が可能になります。

離婚時財産分与の基準時は、基本的には離婚時

そこで、離婚するときに現に存在する財産が、基本的に財産分与の対象です。

夫婦が離婚する場合、離婚前に別居するケースも多い

別居をすると、夫婦の家計が別になるので、それ以後は夫婦共有財産は形成されなくなります。そこで、離婚前に別居をした場合には、別居時が財産分与の基準時となります。

わかりやすいように具体例を見てみましょう。夫婦が離婚時まで同居していたケースで、離婚時に5000万円の財産があった場合には、財産分与の対象は5000万円となるので、夫婦それぞれの取り分は2500万円となります。

これに対し、夫婦が離婚前に別居したケースで、別居時には夫の退職金などがあったので5000万円のお金があったけれども、別居後夫が3000万円を使ってしまったので、離婚時には2000万円しかなかったケースを考えてみましょう。この場合には、別居時の財産額を基準にするので、夫婦それぞれの取得分は2500万円となります。

この場合、現に存在する財産は2000万円しかないので、これは全額妻が取得することとし、夫は妻に対してさらに500万円を支払わなければなりません。

このように、財産分与においては、いわゆる「使い得」は認められません。別居後に使い込んだら、後から相手に多額の清算金を支払わなければならないので、注意が必要です。

逆に、別居後相手が夫婦の財産を使い込んでしまっても、その分を請求することはできるので、不利益を受けることはありません。

離婚の財産分与の請求方法

それでは、具体的に財産分与の請求をする方法をご説明します。

話合い

話し合い

日本の離婚の基本は協議離婚

財産分与請求をしたいときには、まずは夫婦が話しあいによって解決することが基本です。日本で離婚する方法には、協議離婚と調停離婚、裁判離婚の3種類がありますが、中でも最も多いのが協議離婚です。協議離婚とは、夫婦が話しあいによって離婚条件を定めて離婚する方法です。協議離婚する場合には、夫婦が自分たちで話合いをして、財産分与などの離婚条件を自由に定めることができます。

そこで、離婚と財産分与請求をしたい場合には、まずは相手に対し、財産分与を含めた離婚の話合いを持ちかけましょう。その上で、夫婦の間にどのような財産があるのかを洗い出して、それぞれについて評価を行い、財産分与の割合を定めて財産分与の方法を決めます。

協議離婚合意書を作る

協議離婚で離婚条件を決めることができたら、協議離婚合意書を作成し、役所から離婚届の用紙をもらってきて必要事項を書き入れて提出したら、離婚ができます。協議離婚で財産分与の方法を決めるときには、支払い方法を一括払いにしてもらうことも分割払いにしてもらうこともできます。

合意書は必ず公正証書にする

また、協議離婚で離婚をする場合、協議離婚合意書は、必ず公正証書の形にしておくべきです。公正証書とは、公務員である公証人が作成してくれる公文書のことです。公正証書において、強制執行認諾条項という条項を入れておくと、相手が財産分与の支払をしてくれなかったときに、いきなり相手の財産に強制執行(差押え)をすることができるので、万一のことがあっても安心です。

もし公正証書を作っていなければ、離婚後にわざわざ財産分与調停を起こして、その中で財産分与の方法を決め直さないと強制執行ができないことになってしまいます。特に、財産分与の支払い方法について、分割払いを定める場合には、後に不払いが起こるリスクが高いので、必ず公正証書にしておくようにしましょう。

調停

離婚調停とは

夫婦が自分たちで話し合いをしても、財産分与について合意ができないケースがあります。この場合に財産分与請求をするためには、家庭裁判所で離婚調停を申し立てる必要があります。離婚調停とは、家庭裁判所において、離婚することと離婚条件を話しあって決める手続きです。

離婚調停の進み方

離婚調停を申し立てる先の裁判所は、相手の住所地を管轄する地域の家庭裁判所です。調停では、家庭裁判所の調停委員が間に入って話し合いをすすめてくれるので、夫婦が対立関係になっていても比較的スムーズに手続きを進めることができます。離婚調停で財産分与を初めとした離婚条件について合意ができたら、その内容にしたがって調停調書が作成されます。そうすると、その内容にしたがって相手から財産分与の支払いを受けることができます。

訴訟

家庭裁判所

離婚訴訟とは

離婚調停をしても、相手と合意ができないことがあります。この場合、調停は不成立になって終わってしまいます。調停が不成立になったときに相手に財産分与を請求するには、離婚訴訟を利用する必要があります。離婚訴訟とは、裁判手続きによって離婚することと離婚条件を決める方法です。

離婚訴訟の進み方

離婚訴訟を起こす先の裁判所は、自分の住所地か相手の住所地のどちらかを管轄する家庭裁判所です。自分の住所地でも裁判ができるので、調停よりは便利です。離婚訴訟の場では、夫婦共有財産があることの証拠を提出し、それらについての適切な評価をして、求める財産分与の内容についての主張をしなければなりません。

訴訟では、証拠がないことは認められないので、相手が「そのような財産はない」などと言ったときには、その財産の存在を証明できないと、財産分与の請求ができなくなってしまいます。

たとえば、相手が多額の預貯金を持っていると思っていても、それがどこの銀行のどこの支店のものおかなどがわからなければ、その預貯金についての財産分与を求めることができません。このようなことからすると、財産分与請求をする場合には、事前に財産の資料について、しっかりと収集しておくことが重要です。別居前から、夫婦の名義の預貯金、生命保険の証書のコピー、証券会社から届いた通知、ネット証券や預貯金口座の画面、不動産の全部事項証明書など、すべて控えをとっておきましょう。

判決によって支払いを受けられる

このように証拠を揃えて裁判所に提出したら、裁判所が財産分与を相当と認めて必要な計算をして、財産分与の方法を定めて判決を書いてくれます。判決がでたら、それを持って相手との離婚届を提出することができますし、その内容にしたがって相手から財産分与の支払いを受けることができます。

離婚後の財産分与請求

スマホ

話合いによって支払いを受けるのが基本

財産分与を決めなくても離婚できるので、離婚時に財産分与の方法を定めないケースがあります。この場合、離婚後に相手に対して財産分与請求ができます。離婚後財産分与を請求する場合には、まずは相手に対して任意で請求をすることが基本です。

相手に財産分与してほしいことを告げる

メールでも電話でも良いので、都合の良い方法で相手に連絡を入れて、財産分与してほしいことを告げましょう。このとき、財産分与の対象になるのは、離婚時または別居時に存在していた財産です(基準時に存在していた財産)。これによって、相手と話合いができたら、その内容に従って財産分与を受けることができます。

財産分与調停を利用する

しかし、離婚後は、財産分与を請求しても、応じてもらえないことが多いです。その場合、相手に対して財産分与調停をすることができます。財産分与調停とは、家庭裁判所において、話合いによって財産分与の方法を決める手続きです。財産分与調停を行う先の家庭裁判所も、相手の住所地を管轄する裁判所です。

財産分与調停では、離婚調停と同様、家庭裁判所の調停委員が介在してくれて、財産分与の方法を決めていくことができます。

財産分与審判で決めてもらう

財産分与調停によってもお互いが合意できない場合には、財産分与調停は不成立になって、手続きは当然に審判に移行します。財産分与審判では、お互いから提出された証拠やお互いの主張内容にしたがって、家庭裁判所が財産分与の方法を決めてしまいます。

この決定のことを審判と言いますが、審判が出ると、その内容にしたがって相手から財産分与の支払いをうけることができます。

財産分与請求ができる期間

離婚後に財産分与請求を行うとき、期間の問題に注意が必要です。具体的には、離婚した日から2年間しか、財産分与請求をすることはできません。それを過ぎると、家庭裁判所でも財産分与調停や審判を行うことができなくなるので、注意しましょう。離婚後に財産分与請求をしたい場合には、なるべく早めに手続きすることが重要です。

財産分与が支払われない場合の対処方法

不払い

話合いや調停、審判、訴訟などによって財産分与の支払いを約束しても、相手がその後不払いになってしまう事があります。この場合、とりうる手続きは、協議離婚のケースとその他のケースで異なります。

協議離婚で公正証書がないケース

協議離婚で、公正証書を作っていなかった場合には、相手の財産を差し押さえることができません。そこで、まずは相手に対して財産分与調停を起こして、その手続き内で財産分与の方法を決定しなければなりません。調停が成立すると、家庭裁判所から調停調書を発行してもらうことができます。

公正証書、調停調書、判決書、審判書などがあるケース

協議離婚で公正証書がある場合や調停離婚、裁判離婚の場合、離婚後の財産分与調停の調書や審判書などがある場合には、公正証書や調停調書、判決書、和解調書、審判書に強制執行力があるので、これらをもって直接相手の財産を差し押さえて取り立てることができます。

公正証書や調停調書、判決書などによって強制執行をするときには、地方裁判所に財産の差押えの申立を行います。差押えの対象になるのは、相手名義の預貯金や生命保険、不動産などあらゆる財産です。相手がサラリーマンの場合には、毎月の給料や賞与の一部も差し押さえることができます。

強制執行する方法

申立をするときには、公正証書などの書類と「送達証明書」「執行文」という書類が必要です。これらは、家庭裁判所や公証役場で取得することができるので、それぞれ申請をしましょう。財産分与の支払い方法を分割払いにした場合には、途中で不払いが起こってしまうことも多いので、強制執行についてはしっかり覚えておく必要があります。

離婚で財産分与請求をするなら、弁護士に相談しよう

弁護士

以上のように、離婚をするときには相手に対して財産分与の請求をすることができますが、その内容はケースバイケースです。財産分与では、対象になる財産とならない財産がありますし、その計算方法も複雑になることが多いです。

また、財産分与請求を行う際、協議で解決できることもありますが、こじれると調停や訴訟になりますし、協議離婚で財産分与を決めるときにも、公正証書を作成する必要が高いです。さらに、相手が不払いになった場合には強制執行をしなければなりません。

自分たちだけ対処するよりも弁護士に依頼した方が納得いく解決を迎えやすい

このように、財産分与についてはかなり複雑で難しい問題があり、自分たちで対処するのが困難になることが多いです。自己判断で行動すると、本来請求できるはずの請求ができなくなったり、本来より多くの財産分与を支払わなければならなくなったりして、不利益を受けるおそれもあります。

現在財産分与の問題で悩んでいる場合や、将来財産分与のことで困ったことがあったら、まずは一度、法律のプロである弁護士に相談してみることをおすすめします。

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