離婚調停の弁護士費用相場|着手金や報酬金、法テラスの費用も解説

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佐々木 一夫 弁護士

離婚調停の費用相場

離婚をする場合、弁護士に対応を依頼すると離婚条件などについて相手方と有利に話し合いをすすめやすい一方、弁護士に依頼すると高額な弁護士費用がかかることが心配だという方も多いです。

そこで今回は、離婚の際にかかる弁護士費用の種類や相場と、それをできるだけ安く抑える方法について解説します。

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離婚にかかる弁護士費用の相場

計算機

次に、具体的な弁護士費用の相場を見てみましょう。

法律相談料

弁護士費用は、大きく分けると

  • 法律相談料
  • 着手金
  • 成功報酬

となりますが、まずは、法律相談料の相場をみてみましょう。これについては、だいたいどこの事務所でも同じような相場で、30分5000円(+消費税)程度が一般的です。30分ごとに上記の金額がかかるので、延長するとその分金額が加算されます。1時間相談すると、10000円がかかる、という意味です。

ただ、最近は条件付きですが法律相談料を無料にしている弁護士事務所が多くなっています。離婚の法律相談料が無料という事務所もありますし、初回の法律相談料のみ無料であったり、当初の30分が無料であったりなど、サービス内容はさまざまです。費用をなるべく抑えたい場合には、無料相談を利用するとメリットが大きいです。

着手金

着手金の相場

次に、着手金の相場を確認しましょう。離婚事件の着手金はどのような手続を依頼するかによって金額が異なります。
離婚事件には、大きく分けて

  • 協議離婚の交渉
  • 離婚調停対応
  • 離婚訴訟対応

の3つの段階があります。協議離婚の交渉を依頼する場合には、着手金の金額はだいたい10万円~20万円くらいです。離婚調停対応の場合には、着手金はだいたい20万円~30万円くらいです。
離婚訴訟対応の場合には、着手金はだいたい30万円~40万円くらいです。

追加着手金がかかるケースも

離婚事件では、まずは当事者間の話し合いである協議離婚の交渉を依頼して、それが決裂した場合に離婚調停を依頼することや、調停が不成立になったので次の段階として訴訟を依頼することなどが多いです。こうした場合、離婚調停や離婚訴訟を依頼する段階で、追加の着手金が必要です。たとえば、協議離婚の対応を依頼した当初に10万円の着手金がかかり、その後調停に移行したときには20万円の調停対応の着手金がかかる、といったことです。

着手金が割り引かれるケース

ただ、このように継続して事件を依頼する場合、調停や訴訟の着手金が減額されることがあります。たとえば、協議離婚の着手金が10万円で、調停の着手金が30万円の事務所に依頼した場合、基本的には協議の段階で10万円、調停になった段階で30万円の、合計40万円の着手金が必要となります。

これが、協議の段階から受任していた場合に調停の着手金の半額が割り引かれる事務所では、調停の着手金が15万円になるので、かかる金額としては、10万円+15万円=25万円になるのです。

報酬金

離婚事件の報酬金の相場も、かなりわかりにくくなっています。

基本の報酬金

離婚事件の場合、まず、離婚事件が解決したことについての報酬金が設定されていることが多いです。離婚が成立した段階でかかる成功報酬金です。金額的には、だいたい30万円~50万円程度になっています。

金銭支払いを受けたときの報酬金

また、慰謝料や財産分与によってお金が支払われた場合、その金額に応じて報酬金が加算されます。これについては、回収できた金額の10%~15%程度になることが多いです。さらに、子供の養育費の支払を受けられるケースでは、養育費の金額に応じて報酬金が加算されます。事務所によって計算方法が異なりますし、ケースによっても違いますが、たとえば受け取ることができる養育費の2年分の金額の10%にする場合などがあります。

親権争いがある場合の報酬金

子供の親権争いがある事案で、希望通り親権を獲得出来た場合などにも、成功報酬の加算があります。その金額もケースによって異なりますが、10万円~の金額となることが多いです。

日当

日当は、半日か一日かによっても金額が異なりますが、だいたい1日あたり3万円~5万円くらいが相場です。半日の日当は請求しない事務所も多いです。たとえば、1泊2日で新幹線を使って裁判所に行ってもらった場合には、2日分の日当である10万円と、新幹線代(グリーン席であることも多い)を請求されることになるので、かなり多額の費用がかかってしまいます。

実費

実費は、利用する手続きによって大きく異なります。

協議離婚のケース

相手と話合いによって協議離婚する場合であれば、実費はさほど高額にはなりません。数千円程度で済むことが多いでしょう。

離婚調停のケース

離婚調停をする場合には、家庭裁判所に納める収入印紙代や予納郵便切手代などが必要です。離婚調停の印紙代は1200円~であり、高くても4000円までくらいでおさまるのが普通なので、さほど高額にはなりません。

郵便切手も数千円レベルです。そのため、離婚調停をする場合、1万円もあれば実費が足りることが多いです。

裁判所が遠方のケース

ただ、遠方の家庭裁判所で調停を行う場合には注意が必要です。離婚調停を申し立てる管轄裁判所は、夫婦間で合意がある場合を除き、相手の住所地を管轄する家庭裁判所です。そこで、相手が遠方に住んでいたら、その家庭裁判所で調停をしなければなりません。調停では、原則として本人または弁護士等代理人が期日に出頭しないといけないので、裁判所が遠方だとかなり高額な交通費がかかってしまいます。

たとえば、自分が東京都に住んでいて、相手が福岡県に住んでいる場合には、福岡県の家庭裁判所で調停をしなければならず、九州の裁判所まで行かなければなりません。

すると、毎回往復の交通費がかかってしまうので、かなり大きな負担になってしまいます。自分も調停に出席する場合には、弁護士と自分の2人分の交通費が必要です。

離婚裁判の場合には、離婚訴訟の当時者どちらの住所地の管轄の家庭裁判所に申し立てが可能であり、申立人が自分の住所地の家庭裁判所で裁判できるので、自分が訴訟を起こす場合には裁判所が遠方になることは少ないですが、相手が先に自分の住所地で離婚訴訟を起こしてきた場合には、やはり裁判所が遠方になってしまうことがあります。

そうなると、当事者本人尋問などの重要な局面では裁判所に行かないといけないので、やはり高額な交通費がかかってしまいます。

離婚裁判のケース

離婚裁判の実費を確認しましょう。裁判をする場合には、請求内容に応じて裁判所に手数料を支払う必要があります。支払い方法は収入印紙です。離婚訴訟の収入印紙代は、請求内容によって大きく異なります。単なる離婚請求の場合には13000円ですが、慰謝料の請求をすると、請求金額によって印紙代が上がっていきます。

たとえば300万円の慰謝料請求をするときには印紙代が20000円になりますし、5000万円の慰謝料請求をするときには印紙代が30000円になります。また、訴訟を行う場合には、5000円~6000円程度の予納郵便切手が必要です。

さらに、裁判が進んでくると、裁判所で当事者尋問が証人尋問の手続きが行われますが、こうした手続きが終わったら、調書を謄写しなければなりません。謄写とはコピーのことですが、裁判所の謄写費用は比較的高額で、1通20円~40円くらいします。

そこで、全ての調書を謄写すると、1万円~2万円程度になってしまうことも普通にあります。このように、離婚裁判になると数万円の実費がかかることは覚悟しておく必要があります。

離婚調停でかかる弁護士費用の種類

離婚調停でかかる弁護士費用には、いくつかの種類があります。そこでまずは、弁護士費用にどのようなものがあるのか、順番にご説明します。

法律相談料

法律相談料とは、当初に弁護士に離婚の相談に行ったときにかかる費用のことです。
離婚問題を弁護士に依頼する場合、まずはご自身が置かれている状況や疑問点を相談し、弁護士からアドバイスを受けるのが通常です。相談の際にかかる費用が法律相談料です。

依頼後は不要になる

法律相談料は、事件を依頼するまでの法律相談の際にかかるものです。そこで、離婚事件全体を依頼すると、その後は法律相談料がかからなくなります。

着手金

離婚の際の弁護士費用には、着手金という費用があります。これは、弁護士に離婚事件の対応を依頼したときに、最初にかかる費用です。初期費用のようなもので、まとめて支払うものであり、後から返ってくることは基本的にありません。弁護士に離婚事件を依頼するなら、最低限着手金の分の金額は、自分の手元に用意する必要があります。

報酬金

弁護士に離婚事件の対応を依頼すると、報酬金という費用もかかります。報酬金とは、弁護士に依頼して事件が解決したときに、その解決の程度に応じてかかってくる費用です。成功度合いによって金額が異なるので、「成功報酬金」と呼ばれることも多いです。

離婚事件の場合、離婚問題が解決して離婚ができたことによって、一定の金額が報酬金として発生します。また、慰謝料や財産分与などが認められて相手から金銭の支払いを受けることができた場合には、その金額に応じて報酬金が加算されます。

子どもの親権争いが発生していた事案では、子どもの親権を取得することができたら報酬金が加算されることが多いですし、養育費が認められたらその分の加算が行われることも多いです。このように、離婚事件の報酬金は、ケースによってかなり金額に差が生じてきます。

日当

日当とは、弁護士が遠方に出張に行ったりすることで、半日や一日以上を使う場合にかかる弁護士費用です。典型的なのが、弁護士が遠方の裁判所に行く場合です。離婚事件では、調停をするときには相手の住所地の管轄の家庭裁判所で手続きをしなければなりませんが、遠方に出張するときには1日や2日(前泊や後泊)かかることなどもあります。訴訟対応を依頼する場合で、裁判所が遠方にある場合も同様です。このような場合には、かかった日数分の支払いが必要です。

実費

実費とは、事件をすすめるときに実際にかかる費用のことです。たとえば、相手との郵便の費用であったり、調停や裁判を起こすときにかかる印紙代や郵便切手などの費用であったりします。裁判所に行くときの電車、バスやタクシーなどの交通費も実費です。弁護士が出張に行くときには、実費である交通費と日当の両方を支払わないといけないことになります。

また、裁判を起こすと、証人尋問が行われて、その尋問について記録をした調書が作成されます。この調書を写し取る謄写という手続きが必要ですが、裁判所で謄写を行うときにも実費がかかります。

実費は弁護士に依頼しなくてもかかる費用

実費は、弁護士に依頼せずに自分で手続きをしたときにもかかるので、厳密には「弁護士費用」とは異なる側面もありますが、弁護士に事件対応をすると実費も一緒に支払うことが多いので、弁護士費用に含めて考えられることが多いです。

離婚の弁護士費用は法律事務所によって異なる

弁護士費用

このように、弁護士費用にはいくつもの種類があり、ただでさえわかりにくいものですが、その金額は各弁護士事務所が自由に定めています。そこで、同じ事件であっても、依頼する弁護士事務所によって、かかる弁護士費用の金額が大きく変わってきます。

これは、弁護士費用が自由化されているため

平成16年までは弁護士費用は、日本弁護士連合会が定めた弁護士報酬基準という基準に従って決められていました。ところが、規制緩和でこの基準が撤廃されたため、今は各弁護士事務所が自由に弁護士費用の額を定めることができるようになっているのです。

たとえば、離婚事件が解決したときの報酬金の金額も、基本の金額が30万円の事務所もあれば50万円の事務所もあります。財産分与や慰謝料の支払いを受けられた場合には、報酬金の金額が10%の事務所もあれば15%の事務所もあります。

そこで、離婚の際に弁護士事務所を探したい場合には、各事務所の報酬基準を見て、なるべく金額の安い弁護士事務所を探すようにすると、費用を低く抑えることができます。

弁護士費用はいつ支払う?タイミングは?

タイミング

弁護士費用はいつ支払うのか、そのタイミングについてご説明します。これについては、原則的にその弁護士費用が発生したときです。

法律相談料

たとえば、法律相談料であれば、法律相談が終わったときにまとめて支払います。多くの弁護士事務所ではクレジットカードに対応していないので、現金で支払う必要があります。

着手金

着手金は、弁護士に事件対応を依頼したときに一括払いします。一括で支払うのが難しいときには、分割払いの相談に乗ってくれる事務所もあります。また、着手金については振込入金できる事務所がほとんどです。協議離婚から離婚調停に移行する場合には、調停を申し立ててもらいたいときに調停の追加着手金を一括払いします。弁護士は、基本的に着手金の支払いが無いと、事件に着手してくれないので注意が必要です。

日当

日当についても同様で、出張が終わったらその都度かかった日当や交通費を支払うことが多いです。

報酬金

報酬金については、事件が解決したときにまとめて支払います。基本報酬金、慰謝料や座酸分与の報酬金、親権加算、養育費加算などいろいろあるので、弁護士が計算をして請求書を出してくれます。そこで、その内容に従って支払うことになりますが、報酬金の場合にも、振込入金できる事務所がほとんどです。

相手から支払いを受ける場合の報酬金

また、事件が解決したとき、相手方慰謝料や財産分与の支払いを受ける場合には、まとまった金額を相手から支払ってもらえることが多いです。このような場合には、弁護士がいったんその支払われた金額を、弁護士の預り金口座に預かります。そして、弁護士が報酬金を精算して、依頼者に返金してくれます。このように、相手から支払いを受けられるケースでは、わざわざ依頼者が自分の手元からお金を支払う必要がないので、便利です。

たとえば、相手から500万円の支払を受けられるケースで、弁護士費用が90万円の場合には、相手から支払いを受けられた500万円については弁護士がいったん預かり、弁護士費用を差し引いた410万円を依頼者に返金してくれます。

離婚案件に必要な弁護士費用を安く抑える方法

通帳

弁護士費用は、いろいろな費目のものがありますが、合計するとかなり高額になってしまうことも多いです。少しでも抑えるためには、どのような工夫をすることが出来るのでしょうか?以下では、弁護士費用を安く抑える方法をご紹介します。

無料相談を利用する

弁護士費用を抑えるには、まずは無料相談を実施している事務所を利用することをおすすめします。弁護士に離婚の相談をすると、基本的に法律相談料がかかります。これは、30分5000円もするので、決して安いものではありません。離婚問題は込み入った問題であることが多く、30分でおさまらず、1時間や1時間半などの時間がかかってしまうこともよくあります。そうなると、10000円、15000円などの金額がかかってしまうので、結構な負担になってしまいます。

そこで、無料相談を利用すると、これらの高額な法律相談料の支払いが不要になってメリットが大きいです。離婚の弁護士費用を安く抑えたい場合には、無料相談を実施している事務所を探して利用すると良いです。

無料相談ができる離婚に強い弁護士を探す

離婚相談

着手金が安い事務所を利用する

離婚事件の弁護士費用を安く抑えるには、着手金が安い事務所を探すことがおすすめです。これは当然のことですが、実際にやってみようとするとなかなか難しいことが多いです。

当初に安いから最後まで安いとは限らない

それは、着手金が離婚手続きの各段階においてかかってくることと関係があります。着手金には、協議離婚の交渉の着手金、離婚調停の着手金、離婚裁判の着手金があります。なるべく安い事務所を探したいなら、それぞれの着手金が安い事務所を探します。たとえば、協議離婚を依頼したいなら、協議離婚の着手金が安い事務所を選ぶと良いです。

ただ、離婚事件の場合、当事者間のもめごとが解決せず、協議離婚では決着できないケースも多いです。協議で解決しない場合、日本の法律では、調停前置主義といい、訴訟の前にまずは調停が必要になりますので、調停の着手金が必要です。その場合、協議離婚対応の着手金は安くても、離婚調停の着手金は高い事務所に依頼すると、かえって費用が高額になってしまうことがあります。調停が不成立になり、その後手続が裁判になったときも同じです。

さらに、先にも少し説明しましたが、協議から引き続いて調停に移行する場合や、調停から引き続いて裁判に移行する場合などには、着手金が10~50%くらいなどに減額される事務所もあります。

事件が長引いて手続きがどんどん先に進んでいくケースなどでは、こうした割引率が高い事務所に依頼すると、費用を安く抑えることができます。

着手金計算の具体例1

わかりやすいように、例を挙げてみてみましょう。協議離婚の着手金が10万円、調停の着手金が30万円の事務所と、協議離婚の着手金が15万円、調停の着手金が20万円の事務所があったとします。この場合、協議離婚だけで手続きが済んだら10万円の事務所の方が得になります。しかし、調停になると、最初の事務所では40万円の着手金がかかりますが、2つ目の事務所では35万円になって、2つ目の事務所の方が、トータルの金額が安くなります。

着手金計算の具体例2

次に、調停の着手金が20万円で訴訟の着手金が30万円の事務所と、調停の着手金が25万円で訴訟の着手金が36万円、ただし手続きが移行した場合には、着手金を半額に割り引いてくれる事務所を比べてみます。このとき、調停の着手金は20万円の事務所の方が5万円も安いです。

しかし、訴訟になった場合、最初の事務所では、20万円+30万円=50万円の費用がかかります。これに対し、2つ目の事務所では、調停の着手金は25万円ですが、訴訟の着手金が半額になるので、18万円です。そうなると、合計すると43万円になるので、2つ目の事務所の方が全体の着手金が低くなります。

このように、離婚事件の着手金を考えるときには、手続き全体にかかる着手金の金額を検討する必要があります。事務所によってかなり計算方法が異なり、ややこしいところなので、依頼する前に費用の見積もりを出してもらってチェックすると良いでしょう。

報酬金が安い事務所を利用する

報酬金も、当初の段階でわかりにくい

離婚事件の費用を抑えたい場合には、報酬金が安い事務所を利用することも重要です。報酬金についても、着手金と同様、本当に安い事務所を見分けるのが難しいところです。離婚事件の報酬金には、さまざまなものがあります。離婚ができたときの基本報酬金、財産分与や慰謝料が獲得できたときの報酬金、養育費や親権の報酬金などがあります。それぞれの事務所が独自の計算方法を定めているので、全体として一番安い事務所というのは、事件依頼の段階ではわからないことも多いです。

たとえば、離婚の基本の報酬金が30万円であっても、慰謝料や財産分与が獲得できたときの報酬金が高額であれば、基本の報酬金が50万円の事務所の方が全体としての金額が安くなることがあります。親権争いがあるケースなどでは、親権加算が高額な事務所に依頼すると、その分費用がかさんでしまいますが、離婚の基本報酬が高くても親権加算が少ない事務所であれば、その方が全体の報酬金が安くなることもあります。離婚事件の報酬金を考えるときには、ご自身の事件でどのような点が相手方との争点になりそうかを考えて、その争点についての対応費用が安い事務所を探すと良いです。

ケースに応じて費用が安くなる事務所を探すべき

多くの事務所では、離婚の基本報酬金しか明確にされてないので、それ以外の慰謝料や財産分与の加算や子供の親権加算などを確認して、ご自身のケースで最も安くなりそうな事務所を選びましょう。報酬金についても、可能な範囲で当初に見積書を出してもらって検討することをおすすめします。

自宅近くの事務所・裁判所の近くの事務所の選び方の基準

離婚事件で弁護士を探すときには、自宅近くの事務所を探すか遠方の事務所を探すかという問題があります。自宅近くの事務所の弁護士に依頼すると費用を抑えられるケースは、自宅の近くの裁判所で調停や裁判ができる場合です。この場合には、交通費もさほど高額になりませんし、日当もかからないからです。

離婚調停が遠方の場合

反対に、遠方の裁判所で調停が行われる場合などには、裁判所に近い弁護士に依頼した方が調停の金額を抑えることができます。遠方の裁判所で離婚調停を行う場合には、調停の期日に出席してもらうために弁護士に交通費や日当を支払わないといけないので、自宅近くの弁護士に依頼すると、高額な費用がかかってしまうからです。

離婚訴訟は近くで裁判ができる

ただ、離婚訴訟になると、自分の近くの裁判所で手続きができます。そこで、離婚調停を1回などで終わらせることができそうな事案では、あえて調停を自宅近くの弁護士に依頼して調停を早期に終わらせてもらい、自宅近くの裁判所で離婚訴訟をすすめるという方法もあります。

こういった裁判管轄の問題は、素人には判断が難しいところもあるので、具体的な問題は弁護士に相談することをおすすめします。

離婚案件の費用が安い弁護士事務所の探し方

探し方

離婚事件を依頼するとき、なるべく費用が安い弁護士を探すためには、具体的にどのような手段を使えば良いのでしょうか?弁護士を探す方法としては、周囲の人に聞いたり紹介してもらったりする方法、弁護士会に相談する方法、インターネットを使って自分で探す方法などがあります。

周囲の人に聞く方法

このうち、周囲の友人知人や家族親戚などから弁護士の情報を聞いたり紹介してもらったりすると、その弁護士が必ずしも費用が安いとは限りません。また、高いと思っても、照会者の顔を立てないといけないので断りにくいなどの問題があります。そこで、費用が安い事務所を探したい場合には、知り合いに聞く方法はおすすめではありません。

弁護士会に紹介してもらう方法

次に、弁護士会に相談して、弁護士を紹介してもらう方法がありますが、この場合も、「費用を抑えたい」等と条件をつけることはできません。

紹介された弁護士が安い事務所とは限らないので、費用が安い事務所を探したいときには向かない方法です。

インターネットを使って探す方法

3つ目のインターネットを使って弁護士を探す方法は、費用が安い事務所を探すのに非常に効果的です。今は多くの弁護士事務所がホームページを作って事務所のPRをしていますし、離婚の無料相談を実施している事務所では、そういったサービスの掲載もしています。離婚事件でかかる大体の金額の相場も掲載しているので、各弁護士事務所を比較することによって、費用が安い弁護士事務所を探しやすいです。

いくつかのホームページを見比べて、費用が安そうな事務所をピックアップして、実際に無料法律相談を受けてみましょう。それぞれの事務所で見積もりを出してもらって、諸条件を比較した上で依頼すると効果的でしょう。

インターネットでホームページを検索して、複数の事務所で無料相談を受けて、費用の見積もりをもらって比較検討する方法がもっともおすすめの方法です。

離婚の弁護士費用を抑えるなら法テラス

法テラス

法テラスとは

離婚を依頼する場合の弁護士費用を用意するのが難しい場合やさらに費用を抑えたい場合には、法テラスを利用するとかなり金額を下げて負担を軽くすることができます。法テラスとは、日本司法支援センターと言って、国の法務省の管轄の機関です。資力がない人のための法律的な支援をしていて、弁護士の無料相談や弁護士費用の立替を行っています。

無料相談と民事法律扶助制度

一定以下の収入の人なら、無料で離婚の弁護士相談を受けることができますし、収入も財産も一定以下の場合には、弁護士費用を法テラスに立替払いしてもらって、その金額を法テラスに分割償還していくことができます。

分割償還の金額は、原則として月々1万円ですが、それが苦しい場合には月々5000円にまで減額してもらうことができます。法テラスへの償還には利息はつかないので、数年にわたって償還を続けても安心ですし、事情が変わって償還が苦しくなった場合には、申請をしたら償還を猶予してもらうことができる手続きもあります。

生活保護受給者は無料で弁護士に依頼できる

しかも、生活保護受給者の方の場合、法テラスへの償還が不要になるので、完全に「無料」で弁護士を利用することができることになります。法テラスの利用時には生活保護を受けていなかったけれども、離婚事件の最中に生活保護になった場合にも償還は不要になりますし、事件の解決後、法テラスへの償還中に生活保護になった場合には、その時点で法テラスへの償還が不要になります。

このように、法テラスの立替制度のことを「民事法律扶助」と言いますが、この制度を利用すると、非常に大きく弁護士費用を抑えることができます。

かかる費用も安くなる!

また、民事法律扶助を利用する場合、分割払いができるだけではなく、かかる弁護士費用は通常の弁護士事務所の相場よりもかなり低くなります。たとえば、法テラスの基準の場合、離婚調停ケースでは、着手金と実費の合計で13万円弱ですし、離婚訴訟の着手金と実費の合計で25万円くらいです。

法テラスなら10万円程度は安くなる

通常の事務所に依頼すると、離婚調停の場合には着手金と実費の合計で24万円くらいになりますし、離婚訴訟の場合には着手金と実費の合計で35万円くらいはかかるので、法テラスの基準がいかに安いかがわかります。

また、法テラスの場合、離婚事件の基本の報酬金も8万円くらいですし、財産分与や慰謝料の支払が受けられた場合の報酬金も10%です。通常の弁護士事務所だと基本の報酬金だけでも30万円以上になりますし、慰謝料や財産分与の報酬金は最低10%というところなので、やはり法テラスの基準は非常に安いといえます。

このように、法テラスを利用すると、かかる弁護士費用が破格と言って良いほど安くなりますし、しかもその金額を少額で償還することができて、なおかつ生活保護の場合には償還が免除されるなど、大きなメリットがあります。

利用するには資力基準を満たす必要がある

ただ、法テラスは誰でも利用できるわけではありません。月の手取り額や年収、持っている財産が一定以下である必要があります。

また、利用の際には資力審査が行われて、一定の要件をみたした人でないと利用することができません。

民事法律扶助を使っての依頼も

離婚事件を依頼したい弁護士が法テラスに対応していれば、その弁護士に法テラスの民事法律扶助を使って依頼することができます。利用できる場合には非常に有用なので、希望する場合には、弁護士に相談する段階で法テラス利用ができるかどうか、聞いてみると良いでしょう。

法テラスが利用可能な離婚に強い弁護士を探す

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費用が安い弁護士が離婚に強い・良い弁護士とは限らない

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リーズナブルな事務所選びが重要

今まで、離婚事件を依頼するときの弁護士費用と安い弁護士の探し方をご説明してきましたが、離婚事件を依頼する場合、必ずしも費用が安い弁護士が良い弁護士とは限らないので、注意が必要です。弁護士には得手不得手がありますし、説明が丁寧な人も雑な人もいます。人柄なども異なりますし、自分と合う、合わないといったフィーリングの問題もあります。

そこで、弁護士を選ぶときには、費用が安いだけではなく、全体のサービスが良い事務所を探すことが大切です。費用が安くても、結果を出してくれない弁護士であれば、依頼する意味がありません。離婚事件で弁護士を頼むときには、離婚事件に強く、コミュニケーションをとりやすくサービス内容が良い弁護士で、なおかつ費用も高くないという、リーズナブルな事務所を選ぶことが重要です。

ネットを使って離婚に強い弁護士探しをしよう

そのためにもやはり、インターネットのホームページ情報を使って弁護士を探す方法が役に立ちます。複数の事務所で相談を受けて弁護士のサービス内容を比べて見たら、最も良い事務所を判別することができるからです。

今、離婚問題に悩まれている人はもちろんのこと、将来離婚問題に悩むことがあった場合にも、すぐに弁護士事務所を検索しましょう。そして、費用が安くてサービスの良いリーズナブルな事務所を探し、弁護士に対応を依頼することをお勧めします。

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