【アンケート調査】子あり家庭の離婚の厳しさ…手続きや慰謝料・養育費支払いが難航する傾向も

子どものいる夫婦の離婚トラブル

子どもの有無によっても、離婚のハードルの高さは変わると言われています。

子どもがいる女性(以下、子あり)と子どもがいない女性(以下、子なし)では、離婚を決意してから実際に離婚届を提出するまでの期間にも、違いがありそうです。

離婚弁護士相談広場 編集部は、夫が原因で別れた20代~50代までの離婚経験女性142名を対象に、「離婚経験に関するアンケート調査」を実施。

子あり・子なしでは、離婚にどのような差が生まれるのでしょうか?

離婚経験に関するアンケート

実施:離婚弁護士相談広場 編集部
回答方法:Webアンケート調査
調査日時:2020年09月11日 ~ 2020年09月14日
調査対象:夫が原因で別れた20代~50代までの離婚経験女性
回答者数:離婚経験のある女性 142人/149人

なお、本調査の総合的な結果は、下記のレポート記事にてご紹介しています。
本記事とあわせてご参照ください。

子あり女性の場合、離婚までに「3年以上」かかった人が25%!

離婚を考えはじめてから離婚するまでにかかった期間
まず「離婚までにかかった期間」についての質問では、半数以上の女性が「1年以内」と回答しました。一方、1年以上かかった女性は合計で37.33%。

離婚までにかかる時間の長さは、両極端に分かれるようです。

子どもの有無で「離婚までにかかった期間」を比較してみると、明確な違いが浮き彫りになりました。

離婚を考えはじめてから実際に離婚するまでにかかった期間(子あり・子なし別による割合比較)

子なしは4分の3が1年以内に離婚。子ありの場合、4人にひとりは検討期間3年以上

子なしの場合、1年以内で離婚するケースが約75%。
一方、子ありの場合は1年以上かかるケースが44%、3年以上かかったケースも25%。つまり、4人にひとりは離婚するまでに3年以上の時間がかかったことがわかります。

親権者、養育費、面会交流…決め事の多い子あり夫婦の離婚の難しさ

子あり夫婦の場合、離婚するまでに親権者を決めなければ、離婚することができません。
離婚届の親権者欄が空欄のまま提出しても、受理されないからです。

  • 親権者をどちらにするのか
  • 養育費をどれぐらい支払うのか
  • 面会交流はどうするのか

など、決めるべきことが子なし夫婦に比べて非常に多いのも特徴。
そのため子あり夫婦の場合は、双方が離婚で合意していたとしても、手続きが長期化する傾向があります。

また「子どもに寂しい思いをさせるのではないか」「金銭的に苦労させてしまうのではないか」といった離婚後の養育環境の心配も、離婚の決断に時間がかかる原因のひとつでしょう。

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長期間にわたる養育費の支払いは滞りがち……まったく貰えない女性も2割

離婚時に配偶者から貰えるお金としては、養育費・慰謝料などがあります。
養育費は、子どもが経済的に独り立ちするまでの子育て費用のこと。
慰謝料は、配偶者の不倫・DVなどによる精神的苦痛についての損害賠償金です。

離婚原因によっては、慰謝料をまったく貰えないケースもあります(治る見込みのない病気、性格の不一致等)。

今回のアンケート調査では、養育費・慰謝料をひとまとめにして、回収状況を質問してみました。

慰謝料や教育費が取り決め通りに支払われているか?

回答者全体では、「取り決め通りに支払われている」人が6割以上。

しかし、子あり・子なしで比較してみると、子ありの場合(養育費・慰謝料、または養育費のみ)では、取り決め通りの支払いがなされないケースが多いことがわかります。

慰謝料や養育費は離婚時の取り決め通りに支払われていますか?(子ども有無による比較)

子なし・子ありで大きく異なる慰謝料・養育費の受け取り状況

子なしの場合、配偶者に請求できるのは慰謝料のみです。
「取り決め通りに支払われている」のは95%で、ほとんどの人がきちんと慰謝料を受け取ることができているようです。
金額にもよりますが、慰謝料は一括または比較的短期間の分割払いにより支払われるケースが多いです。

一方、子ありの場合、「取り決め通りに支払われている」のは半数以下。
養育費を受け取ってはいるものの金額が少ない、滞っている、またはまったく受け取っていない人も多いことが伺えます。

前述の通り、養育費の支払いは子どもが自立するまでの間、人によっては10年以上続きます。
そのため、何らかの理由により途中で支払いがストップしてしまうことも少なくありません。

近年は民事執行法が改正され、養育費逃れを防ぐ制度が整いつつあります。
弁護士に依頼して、養育費を確実に回収できる対策を考えてもらうことも効果的です。

子どもがいる人も「離婚して良かった」という声多数

離婚したことは自分の人生にとって良かったですか?

回答者全体では、「離婚して良かった」人が95%。離婚後の生活には心配がつきものですが、実際にはほとんどの女性が離婚を後悔していないようです。
子なしの場合は、心機一転再スタートを切りやすいと言えるでしょう。

  • まだ若かったし、子供もいなかったので、やり直しができる。(東京都・女性55歳)

子ありの場合でも、子どもと一緒に幸せに暮らしているという声が目立ちました。

  • 子どもがのびのび生活できるようになった(東京都・女性45歳)
  • 自分の時間が増えた。縛られない。子育てに専念できる(福岡県・女性23歳)

子どもとの生活を考えて離婚を決めるケースも多数

子ありで離婚をする場合、主な心配は経済的なことだと言われています。
しかし、配偶者の浪費癖・借金癖などに悩んでいた女性の場合は、離婚によってかえって状況が大きく改善することもあるようです。

  • 経済的な不安・悩みがなくなった。それによって子供たちに十分な栄養と教育を与えられるようになった。(東京都・女性46歳)
  • 婚姻中より金銭に余裕ができた ストレスがなくなった 子供が笑うようになった(福岡県・女性39歳)
  • 未就学児と幼児を一人で育てながら、さらにアルコール依存症の夫と、孫の子守りも何もしない姑の生活の面倒をみなければならない生活を送っていた。しかし生活の柱となる仕事を、姑の一存で廃業にされてしまった。私一人が4人のために働かなければならないのは、子ども二人の子育てに良い影響を与えないと思い、離婚。離婚後は、子供中心の生活ができ、一緒に毎日の生活を過ごすことができたのでとても良かったと思っている(大阪府・女性54歳)

経済面だけでなく、精神的な安定も子どもにとっては非常に重要です。元配偶者の精神的・肉体的暴力から逃げることに成功し、安心できる生活を手に入れた女性もいます。

  • 貧乏にはかわりないですが、子供と幸せに暮らしています(北海道・女性52歳)
  • 子どもが父親から暴力を受けないから。(神奈川県・女性47歳)
  • 子どもに私のストレスがいかなくなった。今、再婚できた(長崎県・女性46歳)

離婚の後悔の一因になる「子どもに対する罪悪感」

一方、後悔していると答えた人も僅かながら存在しています。後悔の理由としては、子どもに対する罪悪感によるものが目立ちました。

  • 子供に申し訳ないと常に思っている。(秋田県・女性50歳)
  • 子どものためなのかわからない(神奈川県・女性23歳)
  • 子供の事を考えると後悔しているが、離婚するしかなかった。(青森県・女性41歳)

子どものことを最優先して熟考した末の決断だったとしても、子どもの幸せを強く想うからこそ、申し訳ない気持ちを拭いきれない女性も少なくありません。

まとめ

子どもの有無によって、離婚のハードルにも離婚後の生活のリスクもまったく異なります。
子あり女性の場合は、離婚後に自分ひとりだけでなく子どもの生活も背負っていくことになるため、なおさら慎重にならなければならないでしょう。

養育費・慰謝料を約束通り支払い続けてもらうためには、弁護士に依頼して公正証書を作成してもらうことが重要です。

配偶者が養育費・慰謝料の支払いに合意しない、話し合いが成立しづらいなどのお悩みがある場合は、弁護士に相談してみましょう。

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