円満離婚のポイント~離婚を成功させるために優先すべきことは?

円満離婚

円満に離婚をしたいなら、まずは離婚すべきかどうかをしっかり検討して、冷静に相手と話し合いましょう。財産分与、慰謝料、子どもの問題など、決めなければならないことは漏らさず取り決めをします。必ず協議離婚合意書を作成し、できれば公正証書にしておきましょう。折に触れて弁護士のアドバイスを求めることも重要です。

離婚件数はどんどん増えている!

日本でも離婚する夫婦はとても多くなっています。厚生労働省が発表している人口動態統計によると、2015年に婚姻した夫婦は635,096件であったのに対し、離婚した夫婦は226,198もいます。1955年には離婚した夫婦は75267件、1980年には141689件であったので、時代を経るに従って離婚件数が増えてきていることがわかります。

協議離婚の割合が離婚件数の9割以上に

日本では、協議離婚と言って、夫婦が話合いによって離婚をする方法が認められています。実際に多くの離婚する夫婦が、円満に協議離婚で離婚をしており、その割合は離婚件数の9割以上となっています。ただ、残り一割は家庭裁判所で離婚調停や離婚訴訟をして離婚しているのですし、協議離婚でも、さんざんもめたあげくに離婚する人もいるので、全員が円満離婚とは限りません。

そもそも離婚になどならないことが一番ですが、どうしても離婚を避けることができないなら、なるべく円満に離婚したいところです。

円満離婚に失敗した体験談

「円満離婚」と言われても、「そもそも離婚は不仲になってするのだから、円満などあり得ないのではないか?」と思う人がいるかもしれません。しかし、離婚には、円満にできる場合とそうでない場合があり、両者には大きな差があります。以下で、円満離婚に失敗した例と成功した例を見比べてみましょう。

まずは、円満に離婚できなかったAさん(40代 女性)の話を聞いてみましょう。

夫が不倫して、離婚話になった

私には、15年連れ添った夫がいました。夫は普通のサラリーマンで、子どもも2人いて、平穏な家庭だと思っていました。ところがあるとき、夫が不倫していることがわかったのです。きっかけは、私が夫のスマホをチェックして夫と女性のメールや写真が発見されたことでした。私は怒って夫に電話をして、「絶対に許さない!離婚よ!」と言いました。夫が帰宅してから話し合いをしたのですが、私は興奮状態になっていて、夫に、「慰謝料は女とあんたと両方に請求するからね!1000万円支払ってもらう」とも言いました。夫も感情的になって「うるさい!おまえはそんな風にヒステリックだから嫌なんだ!」と言って、逆切れされてしまいました。このことで大げんかになり、まったく話は進みませんでした。

調停も不成立に…

その後も何度も話合いをしたのですが、夫は「お前なんかに子どもは任せられない!子どもは俺が育てる!」と言い出したり、「慰謝料はびた一文支払わない!」などと言ったりしたので、まったく話になりませんでした。結局私は子どもたちを連れて家を出て、実家に戻りました。その後、離婚調停をしましたが、夫は離婚調停も出頭せず、無視されました。裁判所の書記官が電話をするとようやくやってきましたが、やはり慰謝料を支払わないと言っていて、私は慰謝料の支払いにこだわったので、話はできませんでした。私は「絶対に1000万円支払ってもらわないと離婚しない」と言っていました。

調停が不成立になったので、弁護士に依頼に行ったら、「離婚しないで様子を見る方法もあるよ」と言われました。相手からは離婚請求ができないので、相手がどうしても離婚したかったら、慰謝料を多少多く支払ってでも離婚しよう、と言い出すかもしれないと言うのです。

裁判をしても、結果は不満

でも、私としては夫を許せませんでしたし、戸籍がつながっているのも気持ち悪かったので、早々に離婚訴訟をしてもらいました。訴訟では、夫の不貞や子どもの親権などが問題になりました。裁判所は何度か「和解しては?」と言ってきましたが、私は受け入れず、判決をしてもらいました。結局慰謝料は300万円、子どもの親権は私、ということで決着がつきました。夫の収入が少ないので養育費は月3万円(子ども2人)です。

夫の不倫が発覚してから離婚できるまでに3年もかかってしまい、得られたお金も当初の1000万円にはほど遠いです。私は子どもをかかえて必死で生きているのに、夫と浮気相手がその後結婚して悠々自適に暮らしているのも不愉快です。

円満離婚できた体験談

次に、円満離婚ができたBさん(30代 女性)の話を聞いてみましょう。

好きな人ができて、離婚を考えた

私たち夫婦は、結婚して約10年でしたが、結婚後、私は夫とは何となく合わないと感じていました。夫の方も違和感を持っていたようで、お互いにあまり会話もなく、ぎくしゃくとした感じでした。そうこうしている頃、私は別に好きな人ができてしまいました。私たち夫婦には子どもがいなかったので、私は普段の日は友人と会うことなどが多かったのですが、友人を通じて知り合った男性の方でした。このことがきっかけで、私はより夫との離婚を考えるようになりました。

夫と離婚すると決めてから、離婚後の生活のことなどをよく考えました。私は仕事をしていなかったので、離婚したら就職先を見つけないといけないと思い、ちょこちょこと情報集めを始めました。そして、好きになった人とは、しばらく会わないようにしました。もともとつきあっていたわけではありませんし、相手の人は私の気持ちに気づいていなかったのですが、このことがあると、夫との離婚をすすめる際の障害になると思ったからです。

冷静に話し合って、納得できる離婚ができた

そして、夫に離婚を切り出しました。夫は最初は驚いていましたが、夫自身も私と積極的に結婚生活を続けていきたいという希望を持っていなかったので、お互いに離婚することには合意できました。そして、どちらにも有責性がないので、慰謝料は支払わないということで合意をしました。後は、財産分与です。お互いの名義の預貯金、生命保険を洗い出しましたが、問題になったのは住宅ローン付きのマンションです。マンションは夫と私の共有名義になっていて、住宅ローンは夫名義です。ただ、頭金として私の実家や私の独身時代の貯金を合計1000万円入れていました。これについては、どちらが住むかでもめたのですが、最終的には、話合いにより、売却してお金で公平に分けることに合意しました。

そして、協議離婚合意書を作成して、家の売却をすすめてお金を分けて、離婚届けを役所に提出して、円満に離婚しました。離婚をして、少し寂しい気持ちはありましたが、すっきりした気持ちで人生を歩めるようになったのでよかったです。ちなみに、離婚前に気になっていた男性とは、その後再び会うことはありませんでした。離婚にかかった期間は、3ヶ月くらいで、特に大きなストレスはありませんでした。今は新しい職場で新しい仕事をして、毎日が充実しています。

このように、ひと言で「離婚」と言っても、円満に離婚できるかどうかでかかる労力やストレス、期間などが大きく変わってきます。離婚をするなら円満にできた方が良いことは明らかです。

円満離婚できるメリット

ここで、円満に離婚するメリットを確認しておきましょう。

早く離婚できる

円満に離婚ができると、早く離婚することが可能です。普通、離婚の手続きは面倒でストレスもかかるので、早く終わらせたい人が多いです。離婚後新たな人生を始めるためにも、離婚にかかる時間は短ければ短いほどよいものです。ところが、離婚問題がこじれると、非常に長い期間がかかります。離婚調停や訴訟になると、当初に離婚を考え始めてから2年以上経っても離婚できていないことが普通にあります。円満に離婚ができる場合、当事者同士で話し合いをしてすんなり離婚ができるため、数ヶ月もあれば離婚ができるので、大きなメリットがあります。

ストレス無しに離婚できる

離婚の話合いは非常にストレスが溜まるものです。話合いで解決できず、調停や訴訟になるとストレスはなおさらです。たとえば、相手が不貞している場合には、相手の不貞の証拠を探し集めないといけませんが、そのようなことは不快なものですし、相手からは、言われたくないことをあれこれ言われて、感情を刺激されます。離婚訴訟になると、お互いが相手をおとしめ合うので双方が疲弊して、離婚ができた頃にはへとへとになっていることも多いです。

円満に2人で話し合って解決ができたら、このような無駄な労力をかけずに済むので、メリットが大きいです。

良い結果が得られやすい

円満に離婚ができると、良い結果を得られやすいです。たとえば、慰謝料や財産分与なども納得できる金額の支払いを受けやすいですし、子どもの親権や養育費などの問題についても、自分の希望を実現しやすいです。それは、円満に離婚する場合、お互いが冷静になって話をして、お互いが納得する条件で折り合っているからです。お互いが譲り合うので、裁判でいがみ合って別れるよりもかえって良い条件で離婚することができます。

後悔しない

円満に離婚をすると、離婚後に後悔することが少ないです。離婚をするとき、よく考えずに拙速に離婚をすすめて、相手ともめたあげくに離婚をしたら、後に「本当にこれでよかったのだろうか?」と疑問を感じることが多いです。離婚後思ったような生活ができなければ「離婚しない方がよかったのかな?」と考えてしまうこともあるでしょう。

ここで、離婚前にしっかりとよく考えて、冷静に話し合いをした結果、納得ずくで離婚をしたなら、「これでよかったのだ」と思えるので、後悔することがありません。たとえ離婚後生活が多少苦しかったとしても、自分でよく考えた結果で「こうするのがベストだった」と思えて納得できますし、また離婚後相手に養育費などについての配慮を求めることなどもできるので、やはり後悔にはつながりにくいです。

お金がかからない

円満に離婚をすると、無駄なお金がかからないことが大きなメリットです。離婚は、意外とお金がかかります。離婚前に別居しようとすると別居のための費用(引っ越し代や敷金礼金など)がかかりますし、離婚時に財産分与や慰謝料の支払いが必要になることもあります。また、訴訟などになると、弁護士に依頼しないといけないので、数十万円以上の費用が発生します。これらの費用は、円満離婚ができたら不要なものです。弁護士代がかからないので、その分を相手に支払うことができて(支払いを受けることができて)、より当事者が納得できる解決を実現しやすくなります。

子どもを傷つけずに済む

離婚は、子どもにとっても非常に大きな出来事です。両親の離婚が自分のせいだと感じて自分を責めてしまう子どももいますし、親権争いが生じて親のトラブルに巻き込まれてしまった子どもは、親を選ばされることなどもあって大きく傷つきます。

ここで、円満離婚ができたら、子どもを傷つけずに済みます。夫婦が話し合って子どもの親権者を決めれば、子どもに辛い決定をさせずに済みますし、離婚後も親権者にならなかった親との面会交流を続けたら、子どもはどちらの親とのつながりも維持できるので、気持ちが楽になります。

離婚後の生活も安定しやすい

円満に離婚ができると、離婚後の生活が安定しやすいです。そもそも、納得できる条件で離婚をしている以上、離婚後の生活についてもよく考えた上で離婚をしているはずです。また、円満離婚の場合、相手からは離婚時にある程度の支払いを受けていることが多いですし、離婚後、どうしても苦しい場合には、相手に相談することができるケースもあります。たとえば子どもを養育している場合などには養育費を増やしてもらう相談もできますし、子どもが小学校、中学校、高校、大学などに入学する場合や留学する場合などに相手に援助をお願いすることもできます。

相手といがみ合って離婚をしてしまったら、その後相手とは没交渉になって金銭援助は頼めなくなるので、円満離婚をすることは、子どもの養育の点でもメリットが大きいです。

円満離婚を実現するために弁護士に相談しよう!

離婚をするなら円満離婚をした方が良いことが明らかです。円満に離婚したら、早期にストレスも少なく離婚ができますし、自分が希望するものに近い良い条件で離婚しやすいメリットもあります。子どもも傷つけずに済みますし、子どもの進学や留学などの希望も実現してあげやすくなります。

まずは弁護士に無料相談

円満離婚をするためには、事前によく考えて、相手と話を進めるときにも、感情的にならないように、急がず慎重に対応しなければなりません。どのようなことに気をつけたらいいのか、自分では判断ができない場合も多いので、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。今は多くの弁護士が無料相談をしているので、離婚の話合いを開始する前に、一度弁護士のアドバイスを受けてみましょう。

離婚すべきかどうか、よく考える

次に、いよいよ円満離婚のためのポイントを解説していきます。円満に離婚をするためには、相手との離婚前に、離婚すべきかどうかをしっかり検討すべきです。相手のことが一瞬嫌になったとしても、その後本当に一生別れて生活していくことがお互いや自分にとってメリットになるのか?本当に離婚後後悔しないか?をよく考えましょう。
相手の嫌なところが目についていても、別れてしまったら良いところを思い出して「こんなことなら別れなければ良かった」と思うかもしれません。とくに、子どもがいる場合、子どもに対する影響も考えないといけないので、拙速な判断は避けたいところです。

離婚後の生活を考えてみる

また、離婚を決意するときには、離婚後の生活についてもよく考えておくべきです。離婚後、必要な収入を得られるのか、生計を成り立たせていくことができるのかなど、きちんと計画を立てておかないと、離婚後たちまち困窮してしまうおそれもあります。

なぜ離婚したいのか、考えてみる

どうして離婚したいのかについても、再検討してみるべきです。相手の何が嫌なのか、耐えがたいのかを振り返って考えましょう。離婚をするのであれば、基本的に相手自身の問題によって離婚をすべきです。相手の両親との不仲など、相手本人とは関係の無い原因によって離婚をしてしまったら、後で「我慢していたら良かったかも」と思ってしまうことがあります。

相手への気持ちが残っていないかを再確認することも大切です。もしまだ愛情が残っているなら、話し合いをしてやり直すことも考えられます。

話を持ちかけるタイミングに注意

よく考えた上で相手と離婚することに決めたら、相手に離婚の話を切り出しましょう。このとき、相手が落ち着いていて余裕があるときに話を持ち出すことをおすすめします。相手が仕事で疲れて帰ってきて、翌日も仕事があるので早く眠りたい場合やイライラしているときなど、余裕がないときに切り出すと、トラブルにならない事案でもトラブルになってしまうため、注意が必要です。休日でくつろいでいるときなどを見計らって、落ち着いてゆっくりと「あのね、話したいことがあるの」と切り出すことが大切です。

冷静に話をする

相手と離婚の話合いをするとき、冷静さを失わないことは非常に重要です。離婚をするときには、どうしてもお互いが自分の有利に進めることばかりを考えたり、相手を敵視してしまったり、相手に対する鬱憤が爆発してしまったりして感情的になりがちです。しかし、お互いが冷静さを失ってしまったら、まとまる話合いもまとまらなくなります。

感情的になると離婚トラブルの元に

感情的になって怒鳴り合ってしまったら、お互いが意地になって譲れる部分も譲れなくなりますし、本来は協議離婚できるケースでも、調停や訴訟が必要になってしまう可能性もあります。

どうしても冷静になれないときには、話をいったん切り上げて後日に持ち越した方が良いです。自分が対応すると冷静に話ができないなら、間に弁護士に入ってもらうのも1つの方法です。

相手への寛容さを失わない

円満に離婚するためには、相手への寛容さを失わないことも大切です。離婚する相手に寛容になれ、というのは難しい注文だと思われるかもしれませんが、これは何も、菩薩様のようにすべてを受け入れなさい、と言っているのではありません。

交渉をするときには、相手にも譲歩する姿勢が必要だということです。たとえば、どうしても財産分与を500万円支払ってほしいと希望している場合でも、相手が300万円と言ったら、ある程度は譲歩すべきです。金額を下げられないなら、分割払いを認めるなどの方法もあります。

子どもの養育費や面会交流についても同じ

離婚後、子どもと会わせるのは面倒だと思っても、親権を譲ってもらうには積極的に面会を認めるべきです。親権を譲ったら2度と子どもに会わせてもらえないと思われたら、相手は親権に固執するようになって、円満離婚は望めなくなります。

焦らない

円満に離婚をするためには、焦らないことも重要です。離婚したいと思うと、どうしても「一刻も早く終わらせたい!」と考えてしまうことが多いです。離婚の交渉自体がストレスになりますし、別れたい相手といつまでも戸籍や苗字が一緒になっていて、一つ屋根の下に住んでいることが耐えがたいと感じることもあります。

焦ると良い結果は得られません

話合いをするときにも、余裕がなくなって相手に対して感情的になってしまいますし、相手の話を聞く余裕がなくなり、相手の提示条件を受け入れられなくなってしまいます。すると、お互いの意見が平行線になって、合意点が見つからなくなります。何度話を繰り返しても協議が整わなければ、調停や訴訟をするしかなくなります。結局焦ると、かえって話がこじれて無駄な時間がかかってしまうのです。

相手をけなさない

離婚をするときには、相手に対していろいろな不満を持っていることが多いです。相手のことを心から嫌いになったわけではなくとも、何か問題があるから離婚の決意に至っているはずです。そこで、離婚の交渉をするとき、どうしても離婚条件とは無関係な相手への文句を言ったり、嫌なところをあげつらねてしまったりすることがあります。
ところが、このようなことをすると、相手も感情的になって、逆にこちらの悪い点を指摘してくるので、お互いがヒートアップして、まったく話合いにならなくなります。そうなると、離婚条件どころではなく、単なる夫婦喧嘩になってしまい、円満離婚は不可能です。

円満に離婚をしたいなら、相手の嫌なところやこれまでの不満については、グッと抑えてできるだけ離婚条件のみの交渉に絞って話をしましょう。

相手の嫌なところを指摘すべき場合とは?

離婚をするときには、相手の嫌なところを指摘すべきではありません。そうだとすると、相手の嫌いなところを相手に知ってもらう機会はないのでしょうか?いつ相手にこのことを伝えて話をすべきなの?と疑問に思う人がいるでしょう。

相手の気に入らないところを相手に伝えるのは、「相手とやり直したいとき」です。これから相手と夫婦関係を修復して夫婦を継続していきたいなら、お互いが改善をしないといけません。そのときにこそ、相手の気に入らないところを告げて、改善してもらう必要があります。反対に、相手からも自分の悪いところを指摘してもらい、改善の努力をすべきです。こうしてお互いが自分の欠点を知り、改善をすることで、夫婦が修復することが可能になります。

離婚の場面では、すでにこうした段階は終わっています。今更「相手の嫌いなところ」など指摘しても無駄なのです。だから、離婚する場面ではこうしたことを言ってはいけません。相手の嫌なところを言いたいのなら、相手と離婚する前の段階、やり直せる可能性がある段階で、建設的な話合いのために指摘しましょう。

子どもの親権についてよく話し合う

離婚の際には、子どもの親権が非常に重要な問題となります。子どもの親権争いが発生すると、円満な離婚はほとんど不可能です。むしろ熾烈な争いとなり、調停でも解決せず、訴訟になることも多いです。円満に離婚をしたいなら、親権争いに発展する前に、2人でよく話し合いましょう。このとき、親権者になる親は、親権者にならない方の親に対し、子どもとの面会交流を認めることが大切ですし、親権者にならない方の親は、きちんと養育費を支払う約束をすることが大切です。

法律的に、養育費と面会交流は引換ではありませんが、当事者の気持ちとしては引換のように感じることが多いです。「養育費はほしいけれど子どもとは会ってほしくない。自分が親権者になって当たり前」という態度では、相手が不安を感じて「自分が親権者になる」と言ってくるので、親権争いに発展してしまいます。

子どもを巻き込まない

親権についての意見が対立しても、子どもを巻き込んではいけません。お互いが親権者になりたいと主張する事案では、ときどき子どもに親権者を選ばせようとする人がいます。子どもが15歳以上の場合には、子どもが自分で親権者を選ぶことができますが、子どもの年齢が14歳以下の場合、裁判所も子どもの意思で親権者を決定することはしません。この年齢の子どもは、判断能力が不十分なので、親権者を適切に判断することができないと考えられているためです。

また、小さい子どもは、できれば「パパとママの両方と一緒に住みたい」と考えています。そんな中で、父や母から怖い顔をされて「パパとママのどっちと一緒に住みたい?」などと言って迫られたら、大きな恐怖とプレッシャーを感じて、ストレスを溜めてしまいます。父親に聞かれたら「パパと住みたい」と言いますし、母親に聞かれたら「ママと住みたい」と言います。このようなことを言わせておいて「子どもが自分と住みたいと言っている」と言って、子どもをとろうとする親もいます。

このように、子どもを巻き込んでしまうと、親権トラブルはどんどん深刻化していきますし、子どもも大きく傷つきます。円満離婚どころではなく、調停や審判、訴訟が必要になって大事件になっていきます。親権者について対立が発生しても、お互いが冷静になって子どもを巻き込まず、どちらが子供を育てるのが良いのか、できるだけ客観的に判断しましょう。

養育費の取り決めをする

円満に離婚をするときには、子どもの養育費の取り決めも大切です。離婚後は一方の親しか親権者になることができませんが、親権者にならない親は、親権者になった親に対し、子どもの養育費を支払わないといけません。ただ、離婚時には養育費の取り決めをしなくても、協議離婚なら離婚することができます。そこで、養育費を決めずに離婚してしまう人がいます。

離婚時に養育費を定めておかないと、離婚後養育費をもらうことができません

支払ってもらうためには、再度相手に「養育費を支払ってほしい」と言って話合いをしなければなりませんし、相手が応じてくれない場合には家庭裁判所で養育費調停をしなければなりません。
ところが、離婚後に請求を受けると、相手にしてみたら「今更何を言っているのか」と感じることもありますし、「子どもと会わせてもらっていないので、払いたくない」と言う人もいます。請求側にしても、必要な支払いを受けられていないということで不満を感じますし、いったん終わったと思った離婚の話を蒸し返さないといけないので、ストレスを感じます。

そこで、協議離婚をするときには、必ず養育費を取り決めておきましょう。養育費の金額は夫婦の収入状況によって機械的に決めることができます。具体的には、家庭裁判所が採用している養育費の算定表を使って決定しましょう。

面会交流を積極的に認める

特に小さい子どもがいる事案で円満に離婚をするためには、親権者にならない親と子どもとの面会交流を積極的に認めるべきです。面会交流と養育費は引換ではないのですが、支払う側としては、面会交流がスムーズに実現できている方が養育費の支払いを積極的にしようと考えるものです。

親権トラブルを避けるために面会交流を認める

また、当初は親権者になりたいと希望していても、面会交流が柔軟にできるのであれば、親権を譲ってもいいかな、と思う人もいます。特に男性の場合、離婚によって妻も子どもも家庭も失い、孤独感にさいなまれる人が多いのですが、離婚後も子どもと定期的に会えることにより、親の方もその寂しさを紛らわすことができます。

また、子どもと定期的に会い、子どもの成長を目の当たりにすることにより、親権者でない親の方も、子どもが何を希望しているかがわかります。たとえば、子どもが私立の学校に進みたいと希望しているとき、子どもが父親にその話をしたら父親がお金を出してくれることもあります。

面会交流をしていない場合、親権者が相手に対し「学校に行くからお金を出して」と言ってもなかなか出してくれないことが多いのですが、面会交流がスムーズにできていたら、意識しなくても自然に必要な支払をしてくれるので、子どもにとって良い結果になります。

話がうまくいかないときには弁護士に相談しよう!

離婚をするときには、相手への寛容さを保ちながら、冷静に話を進めなければなりません。ただ、そのようなことは実際には非常に難しいです。子どもの親権者や養育費、面会交流の問題で意見が対立したら、どうしても感情的になって相手を責めてしまうこともあるでしょう。これまでの不満が蓄積している場合、言わなくてもいいのに相手の嫌なところをあげ連ねてしまうこともあります。

自分で対応すると、どうしても感情的になってうまく話を進められない場合や子どもの問題で意見が対立して、円満離婚が難しいと感じたら、弁護士に相談することをおすすめします。人に話をすることで気持ちを落ち着けることができることもありますし、子どもの問題についても、弁護士からアドバイスを受けることで、相手にある程度譲るべき点が見えてくることもあります。

1人で悩んでいてもストレスが高まって解決の妨げになるだけなので、悩んだときには離婚問題に強い弁護士を探して連絡してみましょう。

財産分与を取り決める

円満に離婚をするためには、離婚時に財産分与についてもきちんと話し合っておくべきです。協議離婚をするとき、必ずしも財産分与をする必要はありません。役所に離婚届を提出するだけで離婚自体は可能です。しかし、離婚時に財産分与をしておかないと、離婚後に財産分与の請求が行われることがあります。

離婚後も2年間は財産分与請求ができますし、話合いができなければ財産分与調停を申し立てて家庭裁判所で財産分与を決めてもらうこともできるためです。そうなったら、せっかく離婚を成立させても紛争の蒸し返しになります。また、離婚時に財産分与を受けておかないと、離婚後に本来得られるはずの財産を手にすることができず、生活に困るおそれもあります。

財産分与の対象

財産分与の対象になるのは、婚姻中に夫婦が共同で作った財産です。夫婦の名義の預貯金や不動産、生命保険などが財産分与の対象になります。子どもの名義の預貯金や学資保険も対象になりますが、協議で話し合って離婚をするときには、これらは親権者になる親が取得する条件にしてもかまいません。

財産分与の割合

財産分与の割合は、原則的には2分の1ずつですが、話合いによってこれと異なる割合にすることも自由です。たとえば、妻の離婚後の生活が心配な場合、妻に多くや全部の財産分与をしてもかまいませんし、家を分与することなどもできます。円満に離婚するためには、両者が納得いくまでしっかり話し合って決めましょう。

住宅ローンがある場合の対応を検討する

住宅ローンつきの家に居住している場合、円満離婚の障害になることがあります。住宅ローンでは、夫が主債務者で妻が連帯保証人になっていたり、夫婦が連帯債務を負った状態になっていたりして、そのままにしておくと、離婚後も関係が続いてしまうことがあります。こうした場合、夫が支払をしなくなったら、ローン債権者から妻に一括請求が来て、妻が自己破産しなければならなくなるおそれもあります。また、離婚後に夫婦のどちらが住むのかや、誰が住宅ローンを支払うのかを決めなければなりませんし、どちらも住まないなら、任意売却を検討しなければなりません。

離婚後どちらが居住するのか決めよう

そこで、まずは夫婦で話合い、離婚後にどちらかが居住するのかどうかを決めましょう。そして、どちらかが居住するなら、誰が住宅ローンを支払うのかを決めます。夫名義の住宅ローンがある場合で夫がそのまま住み続けるなら、夫がそのまま住宅ローンを支払ったら良いだけですが、妻と子どもが住む場合、妻が住宅ローンを負担するのか、夫がそのまま支払い続けるのか(財産分与の意味合い)を決めなければなりません。妻が住宅ローンを負担する場合には、住宅ローンの借り換え(妻が名義人となる)ができるかどうかを検討しなければなりませんし、それができなければ妻が夫に住宅ローン相当額を支払い続けるなどの対応をとる必要があります。

もしどちらも住宅に居住しないなら、不動産業者に依頼をして任意売却を進めましょう。

連帯保証、連帯債務がある場合の注意点

夫名義の住宅ローンがあって夫が住み続けるケースでも、妻が連帯保証人になっていたり連帯債務になっていたりする場合、それらの保証などを外してもらいたいと考えるものです。ただ、ローン債権者は「離婚したから保証を外してほしい」と言っても聞いてくれません。別の担保を入れるように言われてしまいます。夫が別の住宅ローンで借り換えができるなら、その方が早いでしょう。別の担保を入れることができず、住宅ローンの借り換えもできない場合には、保証人や連帯債務の問題はそのままにしておくしかないので、離婚後は、相手が住宅ローン不払いになる可能性についての一定のリスクを抱えることになります。

こういったことも十分考慮しながら、ベストな解決方法を話しあって決めましょう。

慰謝料の請求について

離婚をするときには、慰謝料が発生することもありますが、慰謝料請求の場面では、注意しないと円満離婚の妨げになりやすいです。以下で、慰謝料請求をする場合とされる場合に分けて、円満離婚のための慰謝料請求方法を説明します。

慰謝料請求する場合

まずは、自分が相手に慰謝料請求をする場合です。この場合、相手には不貞や悪意の遺棄などの何らかの有責性があります。そこで、慰謝料を請求する側としては、どうしても感情的になって相手を責め立ててしまいがちです。話し合いをしているとき、相手が少しでも言い返したり、金額を値切ったりすると、かちんときて相手に怒鳴り散らしたりすることも多いです。しかし、それでは円満に話を進めることが難しいです。相手にしても、自分が悪いということはわかっていても、あまり酷い言われようをすると、嫌気がさして「誰が慰謝料なんか支払うか」と考えてしまうものです。

そこで、慰謝料請求をするときには、感情を抑えてなるべく冷静に、ビジネスライクに話を進めるべきです。金額についても、相手の状況も考えながら現実的なラインで折り合いをつけましょう。たとえば、相手が普通の若いサラリーマンで預貯金も一切無い、という状態で、「1000万円の慰謝料を支払え!」と言って固執しても、無理なものは無理ですし、解決が困難になるだけです。支払いを受けられる金額を、早く確実に支払ってもらった方が得になります。金額を増やしてほしい場合には、分割払いにしてもらって公正証書を作成しましょう。

慰謝料請求される場合

離婚をするとき、自分が慰謝料請求されるケースもあります。この場合も、対応によっては円満離婚が非常に困難になります。まず、相手が感情的になって責め立ててくることがあります。あまりに怒りが強く、まともに話ができない場合には、相手が落ち着くまで待ってから離婚の話し合いをした方が良いでしょう。

相手の勢いに任せて、相手の言うがままの慰謝料を飲んでしまうと、後で支払いができなくなって困るので、辞めましょう。慰謝料の金額は、お互いが冷静な状態で、支払い可能な範囲に定めるべきです。慰謝料の金額を設定するときには、「相場」を参考にすることをおすすめします。たとえば不貞の場合なら高くて300万円、DVの場合なら200万円などです。もちろん、慰謝料の支払い側が高収入の場合などにはこれと異なる金額になりますが、一般家庭の場合には、相場に従って決めるとお互いが納得しやすいのです。

相手が相場の金額に納得しないとき、面倒になってきて、借金して支払おうか、と考える人がいますが、これは絶対に辞めましょう。借金には利息がつくので、離婚後支払いが苦しくなり、生活がかなり圧迫されることになるためです。自分が親権者にならない場合には子どもの養育費も発生しますが、借金と養育費の両方が重なって支払不能になったら、相手とともに共倒れになってしまいます。借金して慰謝料を支払うくらいなら、慰謝料を分割払いにする方がよほど良いです。相手がどうしても慰謝料の金額に合意せず無理な金額に固執する場合には、弁護士に相談して対応してもらう方が、早期の円満離婚につながりやすいです。

協議離婚合意書を作成する

協議離婚合意書を作成しよう

夫婦で話し合って円満に離婚するときには、必ず「協議離婚合意書」を作成しましょう。協議離婚合意書とは、2人で話し合って決めた離婚条件をまとめた書類のことです。せっかく話し合いをして財産分与や慰謝料、養育費などの条件を取り決めても、書類を作成しておかないと、相手が約束を守ってくれないかもしれません。「そんな約束はしていない」と言われたら、あらためて財産分与調停や慰謝料請求訴訟などをしないといけませんし、その場であらためて金額を決めないといけないので、大変な手間になります。

協議離婚合意書を作成しておいたら、調停や訴訟をするときにも合意書を証拠として使えるので、慰謝料の発生原因を証明する必要などがなくなって手間が省けます。

離婚公正証書にしておこう

協議離婚合意書を公正証書にしておくと、調停や訴訟を行う必要がなくなるので、非常におすすめです。公正証書とは、公証人に作成してもらう公文書で、非常に証明力が高いです。原本が公証役場に保管されるので、紛失のおそれもありません。公正証書にすると、相手が支払をしてくれないときに、すぐに相手の財産を強制執行することができます。たとえば、慰謝料や財産分与を分割払いにしているときや養育費を支払ってくれなくなったとき、調停や裁判なしに相手の給料を差し押さえて取り立てることができます。このことがプレッシャーになり、相手が支払いを続けようとするので、そもそも不払いが起こりにくくなる効果もあります。

公正証書で作成した協議離婚合意書のことを離婚公正証書と言いますが、これを作成するためには、全国にある公証役場のどこでもいいので書類作成の申込みをして、日取りを決めて当事者が公証役場に行けば、できます。

このように、離婚公正証書を作成するためには、相手の協力が必須です。冷静に話し合いをして、離婚公正証書を作成したときにようやく円満離婚が実現できると考えましょう。

離婚問題を周囲に言いふらさない

離婚を考えているときや相手と話し合いをしているときには、非常にストレスが溜まるものですし、腹が立つこともあります。こうしたとき、周囲に不満をぶちまけてしまいたくなることもあるでしょう。しかし、離婚問題を周囲に言いふらすと、トラブルが大きくなることが多いです。会社の同僚や友人知人、近所の人などは、同情的に話を聞いてくれるようでいて、単なる興味本位でしか見ていないことも多いですし、人ごとだと思って適当なアドバイスもします。すると、相談相手によって異なるアドバイスを受けて、何が正しいかわからなくなってしまいますし、「あなたの考えがおかしいんじゃない?」などと言われて無駄に傷つくこともあります。

親族であっても、巻き込むのが相当で無いことが多い

たとえば、兄弟に相談したところ、兄が夫のところに乗り込んでいって大げんかになり、大変な騒ぎになることなどもあります。一度そういった問題が起こるとお互いにしこりが残り、円満な話合いが難しくなってしまうのです。周囲に言いふらすと、自分がストレス解消をしているように見えて、実はトラブルを増幅させているのです。離婚問題を相談したいなら、きちんと資格のある専門家を選ぶべきです。

弁護士に相談しながら進める

弁護士というと、トラブルを解決する人、というイメージが強いので、円満離婚をしたいときにはあまり役立たないと考えるかもしれません。弁護士に相談をしたら、離婚しなくても良いケースでも「離婚しましょう」と言われて、離婚事件の依頼をさせられてしまうと思い、躊躇する人もいるでしょう。

しかし、弁護士だからといって、無理に離婚をすすめることはしません。むしろ、必要のない離婚なら止めてくれることもあります。また、自分たちで話し合っても円満な離婚の方向とはずれてしまうときや、自分の提示している条件が妥当かがわからず不安な場合には、弁護士のアドバイスを受けることで正しい方向性を見いだすことができます。自分で相手と話し合って離婚するときでも、折に触れて弁護士のアドバイスを受けながら進めることが、円満離婚の秘訣です。

ケース別円満離婚の実現方法

以下では、特にもめやすいケースを取り上げて、ケースごとの円満離婚の実現方法をアドバイスします。

相手の不貞が発覚した

相手の不貞が発覚して離婚する場合、円満離婚はかなりハードルが高いです。このとき、自分が感情的になって相手を責め立ててしまいますし、相手は自分を守るために、こちらに腹を割って話をしなくなります。お互いが腹の探り合いになり、疑心暗鬼になり、話合いどころか調停、訴訟にも簡単につながってしまいます。

相手の不貞が発覚したため離婚をしたい場合、不貞が明らかになってからしばらく時間を空けてから離婚交渉を始めるのがコツです。最低1、2ヶ月は時間を空けて心を落ち着け、その間に相場を調べて相手にどのくらいの慰謝料を請求すべきかを検討しましょう。このとき、弁護士にもアドバイスを求めて、相手の不貞の証拠も集めておきます。その上で、相手とはあくまで冷静に話をします。相手が支払い能力がないとわかっているなら、無理は言わずに支払える範囲で支払ってもらいます。金額にこだわるなら長期一括払いをしてもらってもよいですし、相手の親などから金銭援助をしてもらう方法もあります。

また、協議離婚の場合、「慰謝料」というと支払う側に抵抗感があるため「解決金」という名目にすることも工夫の一つです。解決金とは、離婚問題を解決するために必要なお金、という意味合いで、どちらも悪くないケースでも支払うことがあるものです。相手が不貞を否定しているケースでは、慰謝料ではなく解決金だから、支払ってほしいと言うと、相手が応じやすいです。

慰謝料を分割払いにする場合には、必ず離婚公正証書を作成しておきましょう。

自分が不貞してしまった

自分が不貞をしてしまったケースでも、円満離婚が困難になりがちです。この場合相手が感情に任せてこちらを責め立ててきたり、無理な金額の慰謝料請求をしてきたりすることがあります。ここでこちらも感情的になってしまうと、円満離婚はできません。そこで、相手が感情的になっている間は、黙って言わせておきましょう。

そして、まずは相手が不貞の証拠を持っているかどうかを探りましょう。証拠を持っていないなら、「不貞はしていないけれども、解決金なら支払っても良い」というスタンスで話をしましょう。証拠をつかまれているなら、慰謝料支払いとしてもかまいません。

金額を決めるとき、相手が無理な金額を言ってきてもそれを受諾してはいけません。誠意を示しながらも、自分が支払える範囲の金額を理解してもらうよう努め、納得してもらいましょう。相手が金額にこだわるなら、分割払いにしてもらってもかまいません。相手が「絶対に1000万円支払え」などと言って収まらない場合には、協議離婚は難しいので調停を利用せざるを得なくなることもあります。無理な条件で慰謝料支払いの約束をすると、離婚後支払いができなくなってさらなるトラブルの元になるので、「円満離婚のため」と思ってできない支払いの約束をしてはいけません。

子どもの親権争いがある

子どもの親権争いが発生した場合にも、円満離婚が難しくなることが多いです。日本では、離婚後共同親権が認められないため、親のうちどちらかしか親権者になれないからです。この場合、どちらかが譲らないと完全に平行線になって話合いでは離婚ができません。

親権と監護権を分ける

親権争いがある場合、いくつかの解決方法があります。1つ目は、親権と監護権を分ける方法です。一般に「親権」という場合、「子どもの財産管理権」と「子どもを養育監護する権利」の2つの権利を含みます。そこで、「親権者」は、子どもの財産を管理しつつ、実際に子どもの養育も行います。ただ、夫婦の話し合いにより、この権利を親権と監護権の2つに分けることができます。親権者は子どもの財産を管理して、監護権者は子どもと一緒に住んで監護養育を行います。親権者は子どもと一緒に住みませんが、戸籍には「親権者」として記載されますし、子ども名義で預貯金口座を作るときや学校の関係書類を作成するとき、学資保険の契約をするときなど、各場面において子どもとの接点を持ちます。

父母がともに親権者を希望するときには、父を親権者として母を監護者とすることにより、双方が納得できることも多いです。

面会交流を柔軟に行う

両親が親権者と希望する場合、どちらも「子どもと一緒に住みたい」と考えていることが多いことも事実です。そこで、親権と監護権を分けても、「一緒に住めないなら親権者になっても意味が無い」と考える父親がいます。こういったケースでは、父親は「離婚して親権を譲ったら、子どもと会わせてもらえないのではないか?」という不安が原因になっていることがあります。
そこで、離婚後も子どもと自由に会えることがわかり、納得できたら親権を譲ってくれやすいです。そのためには、離婚後の面会交流を積極的に行うことが役立ちます。一般的に面会交流は月1回などとされていますが、それに限らず2週間に1回や毎週などにして、相手の家に宿泊する面会なども認める工夫などができます。夏休みや冬休み、春休みなどの長期休みには相手と子どもを旅行に行かせても良いですし、入学式や卒業式、運動会や文化発表会などのイベントには、相手にも声をかけて来てもらうような関係ができることが望ましいです。

このように、離婚後も子どもとの関わりを断たれずに柔軟に面会ができるなら、親権者になれない寂しさも紛らわされて、円満な離婚につながりやすいです。

感情的になって話が難しい

相手や自分がどうしても感情的になってしまい、円満な話合いが困難なケースがあります。この場合には、時間をおくことと話合いの場所を工夫することが役に立ちます。

相手と同居していると、一挙一投足が気になってイライラしてしまう場合などには、別居をしてしまいましょう。別居をすると、お互いが顔を合わせることがなくなり、日頃は冷静になって過ごすことができますし、1人でゆっくりと希望する離婚条件を考えることができます。

また、別居した後相手と話をするときには、喫茶店やホテルのラウンジなど、家の中以外の場所にしましょう。外で会うと、家の中で話をするときのようにお互いが感情的になりにくいですし、気持ちを落ち着けやすいからです。週間や2週間に1回や1ヶ月に1回など、双方の都合に合わせて日にちを決めて、話合いを積み重ねていったらいずれは合意に至り、離婚ができます。

やっぱり離婚したくなくなった場合

離婚の話し合いをしていても、気が変わって離婚したくないと考えることがあります。この場合、無理に離婚をすすめることがありません。早めに相手にその気持ちを打ち明けて、やっぱり修復できないか、相談してみましょう。

自分から離婚を持ちかけた場合には、意地になってしまって「やっぱりやり直したい」と言い出しにくいことも多いのですが、意地で離婚をしても、後悔するおそれが高いです。相手の不貞が原因で離婚しようと決めていても、もし許してやり直せるなら是非とも最高してみましょう。特に、小さい子どもがいる場合などには、親が仲直りをして家族を維持できる方が、子どもにとって安心感が強いです。

円満調停とは?

夫婦の円満な関係を維持する方法として一つ知っておきたい知識があります。それは、家庭裁判所の「円満調停」という手続きです。円満調停とは、夫婦が関係を修復してやり直すための調停です。離婚調停では離婚の条件を話し合いますが、円満調停では夫婦の修復方法を話し合います。よく利用されるのは、相手が出ていったときに「戻ってきてほしい」という趣旨で申し立てをする場合です。同居を求めるので、同居調停と言われることもあります。

円満調停では、相手のどこを直してほしいのか、お互いに意見を出して調整をして、合わせられるところを合わせて合意点を探ります。たとえば、「借金をしない」「家事育児を手伝う」「ヒステリーを抑える」「これまでの行動を謝罪する」などの取り決めをして、調停条項にまとめて合意をします。円満調停で合意ができたら調停が成立して夫婦がやり直します。

円満調停の途中で「やっぱり離婚したい」と考えたら、その時点で離婚調停に切り替えて、同じ手続きの中で離婚条件を話し合うこともできます。

このように、夫婦の問題を話し合うときには、いろいろな方法で家庭裁判所を利用することができるので、是非とも活用しましょう。

協議離婚で円満に離婚しよう

離婚は結婚よりもずっと難しいと言われますが、その中でもトラブルになるケースと円満に離婚できるケースがあります。円満に離婚ができたら、離婚にかかる期間も労力も費用もかけずに済むので、お互いが非常に楽ですし、離婚後も生活に困りにくいです。

円満に離婚をすすめるためには、まずは離婚すべきかどうか、離婚を避けられないのかを良く検討すべきです。そして、話を持ちかけるタイミングを見計らって、冷静に離婚の話合いをしましょう。どうしても感情的になる場合には、時間をおいたり別居したりして、工夫をします。子どもの親権問題でもめそうな場合には、親権と監護権を分けたり、積極的に面会交流を認めたりして、お互いの条件の一致点を探りましょう。慰謝料請求をする場合やされる場合にも、一つ対処を間違えると大きなトラブルになるので、慎重に話を進める必要があります。

自分1人で判断して話をしていると不安が大きくなってきて、イライラして相手に気持ちをぶつけてしまったり、周囲に離婚問題をぶちまけたりして、かえって問題が複雑になるので、悩んだときには、専門家に相談をしましょう。離婚問題に強い弁護士であれば、上手に協議離婚をすすめるためのポイントをアドバイスしてくれますし、弁護士は守秘義務を負っているので、離婚問題が周囲にバレることもなく、安心です。

今は多くの弁護士事務所が無料相談をしてくれるので、お金がなくても安心です。弁護士に相談したからと言って、依頼を迫られる心配もありません。これから離婚したいけれどもめるのは嫌だな、と思っているなら、まずは弁護士に離婚の法律相談を申し込んでみましょう。

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