離婚のときに義両親への挨拶(報告)は必要?メリット・デメリットを紹介

離婚

多くの人に祝福された結婚も、様々な事情で解消に至り、離婚という道を選ぶ場合があります。そんなときに悩むのは、義両親への挨拶です。自分の両親に離婚報告をするのはごく一般的ですが、義両親への離婚の挨拶は果たして必要でしょうか?

その答えはYESでありNOです。というのは、離婚のときの義両親への挨拶にはメリット・デメリットがあり、それらを考えた上で、ケースごとに要不要を判断するのがベストだからです。

本記事では、離婚のときの義両親への挨拶のメリット・デメリット等についてご説明いたします。

離婚のときに義両親へ挨拶するメリット

自分の気持ちに区切りがつく

離婚は、人生の大きな決断の一つです。もともとは望んで一緒になった配偶者ですから、例え離婚の意思を固めても、自分の決断が果たして正しかったのかどうか、気持ちが揺らぐこともあります。

しかし、義両親に離婚の挨拶をし離婚を公表することで、自分の気持ちに区切りをつけることができます。

今までお世話になった義両親へ礼を尽くせる

婚姻中、義両親からお世話になる局面もあったと思います。今まで陰に陽に支えてくれたことに対して、義両親に御礼を述べるのは礼儀の一つ、という考え方もあります。

子どもがいる場合は、子どものために義両親への配慮ができる

配偶者との間に子どもがいる場合、義両親は子どもの祖父であり祖母です。それは、例え自分たち夫婦が離婚したとしても変わりません。子どもが義両親との付き合いを望むのであれば、自分も、子どもを通して義両親と付き合い続けることになります。

その際、子どもが肩身の狭い思いをしないように、「今後も子どもを宜しくお願いします」という意味で義両親へ挨拶する、といった配慮は必要かもしれません。

離婚のときに義両親へ挨拶するデメリット

険悪な雰囲気になることも

離婚原因が夫婦どちらにあろうが、自分の息子(娘)の味方をしたくなるのが人の心というもの。義両親にとっては、今後、縁の切れる嫁(婿)よりも自分の息子(娘)のほうが可愛いのですから、離婚の挨拶の際に険悪な雰囲気になることは充分に考えられます。

離婚原因が自分にある場合は、義両親に責められる可能性大

離婚原因が自分にある場合は、義両親に責められる可能性は大いにあります。義両親にとっては可愛い息子(娘)ですから、その息子(娘)を悲しませた嫁(婿)は、憎悪の対象と言っても過言ではありません。

自分が離婚原因を心から反省していても、義両親には伝わらないものですし、嫁(婿)が挨拶に来ることすら厭う義両親もいるでしょう。そういう意味では、わざわざ挨拶に出向くのは事態をこじらせるだけとも言えます。

離婚原因が配偶者にある場合でも、義両親が配偶者を擁護する可能性あり

離婚原因が配偶者にある場合、義両親が自分の息子(娘)を擁護する可能性があります。

例えば浮気であれば、「嫁(婿)がちゃんとしていないから、息子(娘)が浮気に走るんだ!」、DVであれば、「嫁(婿)が息子(娘)に叩かれるようなことをしたんだろう!」など…。こうした理不尽な擁護を聞くのは、精神衛生上よくありません。自分の精神衛生のためには、挨拶は不要かもしれません。

離婚を思い直すよう説得されたり、条件面を干渉されることも

離婚届を出す前に義両親に挨拶に行った場合、離婚を思い直すよう説得される可能性は非常に高いです。

誰しも、離婚せずに円満な結婚生活を続けられるならそれに越したことはないと思うものですが、義両親にとっても同じこと。可能であれば息子(娘)夫婦をやり直させ、離婚を避けたいと思うはずです。しかし、結婚生活を続けるか否かは、あくまで当事者の意思で決めるべきもの。当事者同士がすでに決めた結論に対し異論を挟まれるのは、時間の無駄とも言えます。

また、離婚を思い直すよう説得されないにしても、離婚時の条件面に義両親が干渉してくる可能性は大いにあります。

例えば、「孫の親権は息子(娘)に渡せ!」、「慰謝料は払わせない!」など。離婚時の条件は、外野がとやかく言うものではなく、最終的には当事者同士が決めるべきです(当事者同士で協議が調わない場合は、弁護士など専門家に相談した上で法的手段を検討することも大切です)。

義両親に挨拶するのは、どのタイミングがいい?

離婚のときに義両親へ挨拶する場合は、離婚が確定してから

離婚時の義両親への挨拶のメリット・デメリットを検討した上で、やはり挨拶しようと決めた場合、どのタイミングですべきでしょうか?

オススメは、離婚が確定してからあまり日を空けないタイミングです。前章でも触れたとおり、離婚確定前に挨拶すると、離婚を思い直すよう説得されたり、条件面を干渉される可能性があります。また、離婚確定後から日を空け過ぎての挨拶は、遅きに失して逆に失礼だからです。

義両親への挨拶の方法には何がある?

離婚のときの義両親への挨拶にはどのようは方法があるでしょうか?その主な方法としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 対面での挨拶
  2. 電話での挨拶
  3. 手紙での挨拶

対面での挨拶

挨拶というものは、やはり対面でするのがもっとも礼儀に則っていると言えます。しかし、これから縁を切る相手と実際に顔を合わせるのは、なかなかつらいもの。お互いに気持ちがヒートアップして冷静に話せなくなる可能性もあります。

そこで重要なのは、義両親への挨拶の際には、離婚するという事実と今までお世話になったことへの御礼だけを簡潔に述べるということです。間違っても、配偶者や義両親への不満を述べてはいけません。挨拶は本来、相手に礼を尽くすためにするもの。色々な想いがあっても、挨拶をすると決めた以上はぐっとこらえて、大人な対応を心がけましょう。

対面での挨拶は、一人で行く?夫婦で行く?

対面での挨拶は、一人で行くのがいいでしょうか?それとも夫婦そろって行くべきでしょうか?

結論としては、どちらでもいいと思います。一人で行けば、配偶者の予想外の言動への不安なく簡潔に挨拶できるでしょうし、夫婦でいけば、離婚は二人で出した結論だと義両親の理解も得やすいでしょう。

なお、自分の両親を連れて行くことは避けて下さい。離婚の挨拶は、結婚の顔合わせとは違います。自分の両親を連れて行っても、両家の不毛な争いになるだけだからです。

電話での挨拶

義両親が遠方に住んでいるなど、対面で話すのが難しいという状況であれば、電話で挨拶をするのも一つの手です。しかし、「こんな大事なことを電話一本で済ます気か!」と相手を怒らせてしまうことも考えられます。

そういう意味では、電話する際にひとこと、「本来でしたら直接お伺いすべきところ、お電話でのご挨拶となり申し訳ありません」などの言葉を添えると良いでしょう。

手紙での挨拶

手紙での挨拶は、内容をじっくり推敲した上で、伝えたいことを冷静に伝えられるという利点があります。けれども、電話での挨拶と同じく、「こんな大事なことを手紙一つで済ます気か!」、あるいは「一方的に手紙を送りつけて来るとは何ごとだ!」と義両親を怒らせてしまう可能性もあります。

やはりここでも、「本来でしたら直接お伺いすべきところ、お手紙でのご挨拶となり申し訳ありません」などの言葉を添えると良いでしょう。

まとめ:メリット・デメリットをよく考えて判断しよう!

これまで、離婚のときの義両親への挨拶のメリット・デメリットについて検討してきました。

まずメリットとしては、

  • 自分の気持ちに区切りがつく
  • 今までお世話になった義両親へ礼を尽くせる
  • 子どもがいる場合は、子どものために義両親への配慮ができる

といったことが、デメリットとしては、

  • 険悪な雰囲気になる
  • 離婚を思い直すよう説得されたり、条件面を干渉される

といったことがありました。

また、義両親への挨拶をすると決めた際には、離婚が確定して日を空けないタイミングですべきということや、挨拶の方法は対面など複数あることについてもご説明してきました。

離婚は百人百様、それぞれに複雑な背景があります。義両親への離婚の挨拶一つを取ってもそうですが、誰かのケースではこうしていたから自分もこうすべき、とは一概に言えません。メリット・デメリットをよく考えた上で、ケースごとに判断するのがベストです。

離婚問題について悩んだら、弁護士に相談を!

弁護士は離婚問題の専門家

離婚のときの義両親への挨拶についてお悩みでしたら、弁護士に相談することをオススメします。なぜならば離婚は、義両親へ挨拶をするか否かだけではなく、親権・財産分与・慰謝料などより難解な事項を考え、判断していかねばならないからです。

その点、弁護士は離婚問題の専門家です。離婚は法的な専門知識がなければ、自分に不利な条件を飲むことにもなり得ますが、専門家である弁護士がサポートすることによって、正当な権利を守ることができます。

離婚問題を取り扱う弁護士は、離婚問題にお悩みの方が深く傷ついていることも理解しています。つまり、単に法的な知識があるだけではなく、ご相談者の想いに寄り添いながら、ご相談者が新たな道を進んでいくサポートをしてくれるのです。

一人で悩まず、まずは弁護士に相談なさって下さい。きっと心強い味方になってくれるはずです。

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