離婚で別れた子どもの親権を取り戻したいなら弁護士に相談

親権を取り戻すには

離婚をすると夫婦のうちのいずれかが親権者となり、子どもを引き取りますが、さまざまな事情から親権者ではない親が「やはり自分が育てた方がいい」と思う場合もあります。そのときに、果たして子どもの親権を取り戻すことは可能なのでしょうか?事例を交えながらご紹介しましょう。

離婚で親権を取り戻すために弁護士に相談する

離婚調停での親権獲得に苦戦が予想できるなら、弁護士に依頼を

親権を取り戻すための方法としてまず考えられるのが、離婚の際に相手に譲った親権を取り戻すことです。ただし、親権の変更は協議離婚のときのように、夫婦の間だけで決めることはできません。たとえ相手が親権の変更を認めていたとしても、家庭裁判所に親権者変更の調停を申し立てて、裁判所の許可を得なければならないのです。

もしも相手がスムーズに親権の変更を行う意思があれば、特に弁護士に依頼する必要はありません。問題なのは、親権者変更を相手に了承してもらえない場合です。そのようなときは調停の際に苦戦が予想されますので、本気で親権を取り戻したいなら、弁護士への依頼は必須でしょう。

離婚の親権問題の弁護士選びは、非常に重要

離婚調停で親権の変更を求める際、相手がそれを了承するつもりがない場合は、泥沼の戦いになることが予想されます。なぜなら、これから親権者を決めるのではなく、一度決めたことを覆すための調停だからです。家庭裁判所としても、一度決めたことをひっくり返すとなれば、よほどのことがない限り認めることはできないでしょう。

それを成し遂げるには、実際に親権を覆した経験を持つなど、離婚後の問題に対して確かな実績を持つ弁護士を選ぶ必要があります。当サイトにある弁護士事務所の紹介などを参考に、いくつかの弁護士に相談をしてみるなど、目的達成への努力を惜しまないことが大切です。

離婚後に親権が難しい場合は、子どもの監護権だけでも

親権はあきらめ「監護権だけを要求する」という方法もある

信頼できる離婚に強い弁護士が見つかれば、いよいよ目的達成に向けての準備です。少しでもこちらに有利に話が進むように、弁護士と綿密な打ち合わせをしなければなりません。たとえば相手が絶対に親権を握って離さないと思われるような場合には、「親権をあきらめるから、その代わりに監護権がほしい」と要求する方法もあります。

監護権とは、子どもと一緒に暮らす権利のこと

通常は親権と分けて考えることはありませんが、親権の取り合いになっているような状況のときは、親権と監護権を切り離して考えることがあります。もしも相手が「離れて暮らしてもいいから、親権だけは絶対に確保したい」と望んでいる場合には、この要求に乗ってくる可能性もあるでしょう。監護権の変更だけであれば、調停を経ないでも、父母間で自由に変更することができます。

離婚問題が調停に進む場合は、万全の準備が必要

「親権を取り戻すためには、離婚調停が不可欠」と判断した場合には、離婚調停の申し立てへと進みます。調停にあたっては、さまざまな点において万全の準備をしなければなりません。たとえば、いま離れて暮らしている子どもの親権が自分のもとに戻ったときに、不安と思われる要素を排除しておく必要があります。

たとえば、部屋が乱雑に散らかってごみ屋敷のようになっていると、「養育に値しない」と判断されてしまう場合があります。部屋の中はきちんと整え、子どもが帰ってきたときに住みやすい環境を整えましょう。仕事も辞めずに続け、養育可能であることをアピールすることが大切です。弁護士に相談して、話を有利に進めるためのポイントを聞き出しましょう。

親権者変更の離婚調停を申し立てる

親権者変更の調停を申し立てると、家庭裁判所は変更に際しての事情や、子どものこれまでの生育状況・親権者の意向・子どもの年齢や性格・双方の経済力・家庭環境などを総合的に考慮して、親権者変更に対する判断を下します。

親権に関する調停は、もめるケースが少なくありません。調停で話がまとまらず、裁判へと進むケースもあります。長い期間の生活費や弁護士費用を計画的に確保し、親権を取り戻すために全力を尽くしましょう。

離婚調停によって親権を取り戻すことができた事例

妻の精神状態を理由に、勝手に親権を奪った夫

Aさんは20代の主婦。独身時代は会社の事務員として働き、そのときに同僚だった元夫と出会い、結婚をしました。しかし、結婚後にAさんは夫との相性が最悪であることに気づき、何かにつけて夫婦喧嘩をするようになってしまいました。その後、二人の間には子どもが生まれましたが、夫婦の関係はもはや回復不可能なところまで進んでしまったのです。

そんな生活が続き、Aさんはやがて精神的に不安定になり、自傷行為などを度々起こすようになりました。そんなAさんを夫は「頭がおかしくなった」と批判し、子どもを自分の実家へ連れて行ってしまったのです。

夫の言われるままに、親権を譲ってしまう

さらに夫は、Aさんに心療内科を受診するよう勧めました。Aさんは子どもと引き裂かれたショックから立ち直れず、夫の言われるままに心療内科を受診しましたが、夫は「子どもを危険な目に合わせることはできないし、自分ももう君とは夫婦としてやっていけない。離婚してほしい」と、離婚を切り出してきたのです。

法律のことにまったく疎いAさんは、夫の言われるままに協議離婚を認め、親権まで夫に譲ってしまいました。心療内科に通っているという負い目もありましたが、何よりも「自分には子どもを育てるだけの経済力が無い」と思ったからです。ところが、離婚する夫婦のほとんどは、たとえ経済力が無くても母親が親権をとっているという事実は、まったく知りませんでした。それに気づいたのは、離婚届を出した2ヶ月後。すでにAさんは、親権が父親にある旨の離婚協議書を、公正証書にしてしまっていたのです。

親権と子どもを無事引き取ることができたAさん

Aさんはそのとき、いかに自分が法律に対して無知だったかを、嫌というほど思い知らされました。生後間もない乳児であれば、多少の精神疾患があろうが、母親が育てるのが順当な考え方です。Aさんは一大決心をして何人かの弁護士に相談し、その中から「あなたのケースは、親権を取り戻せる可能性が高い」と言ってくれた弁護士に、離婚調停の依頼をすることにしました。

Aさんが依頼した弁護士は、元夫に対してまずは話し合いによる任意の引渡しを求めましたが、これは却下されました。そこで家庭裁判所に対して、子どもの監護者をAさんに指定することと、子どもとその親権をAさんに引き渡すことを請求する離婚調停を申し立てました。

離婚調停で弁護士は、「Aさんには大きな問題となる精神疾患はなく、子どもの養育が可能です。0歳児である子どもには、母親の愛情が不可欠」という旨の陳述書を作成。Aさんに主だった精神疾患がないことを証明する医師の診断書も付けて、提出しました。

その結果、家庭裁判所は「子どものそばにいて養育監護の役割を担うのは、母親であるべき」との結果を出しました。そしてAさんは、無事子どもと親権を引き取ることができたのです。「私の無知から、子どもに辛い思いをさせてしまった。離婚をする際に、もっと法律のことを知っておくべきだった」と、心から反省するAさんでした。

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