離婚後に必ずやる10の手続きチェックリスト|優先度の高い手続きから徹底解説

離婚後の手続きチェックリスト
離婚後に必ずやる10の手続きについて、必ずやるべき、または優先度の高い手続きから順に解説していきます。

注目!

離婚後でも慰謝料や養育費の請求は可能です

すでに離婚してしまったけれど生活に不安がある。急いで離婚してしまったけれどあとから慰謝料を取っておけばよかったと思った。請求できる場合がありますので弁護士にご相談ください。

「住民票移動届」「世帯主変更届」を提出する

引っ越しをする場合は、「住民票異動届」を提出

離婚によって住まいが変わる場合は、役所に行って「住民票異動届」を出す必要があります。届出に必要なものは、印鑑のみです。

世帯主が夫から自分に変わる「世帯主変更届」

離婚することで世帯主が夫から自分に変わるので、役所に行って「世帯主変更届」を提出します。女性の場合、離婚当初は「世帯主」という言葉の響きに、違和感があるかもしれません。世帯主とは「世帯の生計を維持する人」という意味で、シングルマザーになった場合は、自分自身が世帯主として家族を支える立場になります。

「世帯主変更届」の手続きに必要なものは、下記の通りです。

  • 本人確認ができるもの(免許証やパスポートなど)
  • 国民健康保険に加入している場合は、国民健康保険証
  • 印鑑

「国民健康保険」の手続きをする

離婚後14日以内に、国民健康保険に加入する

離婚をして夫の健康保険から外れると、14日以内に役所に行って、国民健康保険の加入手続きをする必要があります。

「国民健康保険」の加入手続きに必要なものは、下記の通りです。

  • 国民健康保険被保険者取得届
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 印鑑
  • 本人確認のできるもの(免許証やパスポートなど)

「健康保険資格喪失証明書」は、以前に入っていた健康保険の資格喪失を証明するものなので、あらかじめ夫を通じて会社に依頼をしておいた方が無難です。

加入中の国民健康保険を継続する場合

婚姻中にも国民健康保険に入っていた場合は、「世帯変更」の手続きを行います。自分が世帯主となり、子どもがいる場合は被保険者として入れます。人によっては、自分と子どもが一緒に暮らしていても、子どもだけは父親の会社の健康保険に残しておくケースもあります。

離婚後に引っ越しをする場合

離婚後に引っ越しをする場合は、転居前の役所で一度脱会手続きをしたうえで、転居先の役所に行って新たに加入手続きをします。管轄の役所が違うとそれぞれに手続きが必要で、これを忘れると保険料を二重に取られてしまう可能性があるので、注意しましょう。

自分の会社の健康保険に入る場合は?

今まで夫の会社の健康保険に入っていて、離婚の際に自分の会社の健康保険に入り直す場合は、自分の会社に依頼をすれば手続きを行ってくれます。

また、離婚前に夫が自営業などで国民健康保険に入っていて、離婚後に自分の会社の健康保険に切り替える場合もあります。その際は、会社に加入の依頼をするとともに、役所に行って国民健康保険の脱会手続きをしましょう。

「国民健康保険の脱会手続き」に必要なものは、下記の通りです。

  • 国民健康保険被保険者資格喪失届
  • 以前の国民健康保険証
  • 新しい健康保険証または資格取得証明書(引っ越す場合は不要)

国民健康保険の資格を喪失してから14日以内(または転出時)に、印鑑を持って住所地の役所に行き、手続きをしましょう。

「児童扶養手当」「児童手当」の手続きをする

離婚後の子育ての大きな糧となる手当

18歳未満の子どもがいる場合は、離婚後に役所の子育て支援課で「児童扶養手当」の手続きをすると、収入に応じて所定金額の支援を受けることができます。離婚後に子育てをするためには、とても大きな力となる手当なので、必ず申請をするようにしましょう。

また、「児童手当」は離婚していない家庭にも支給されるものですが、「児童扶養手当」と合わせると大きな金額になります。

たとえば、厚生労働省による平成28年度の全国ひとり親世帯等調査によれば、母親の年間就労収入は平均205万円でした。
平均年間収入200万円/3歳未満の子ども1人/養育費受け取りなしを条件とする場合

児童扶養手当 一部支給 43,150円~10,180円
児童手当 15,000円
月額 68,150~25,180円

子どもが2人で全部支給の場合、児童扶養手当と児童手当を合わせて月8万円近い収入となる可能性もあります。忘れずに申請をしましょう。

「児童扶養手当」「児童手当」の申請手続きに必要なものは、下記の通りです。

  • 子どもの入籍届出後の戸籍謄本
  • 住民票
  • 申請者名義の預金通帳
  • 所得証明書
  • 健康保険証

「保育所」の申し込みをする

空きがない場合もあるので、早めに申し込みを!

もしも子どもを保育園に預けて働く場合は、役所の児童福祉課や保育課などで、保育所の申し込みをします。地域によっては2歳児以下の空きがない場合もあるので、早めに申し込んだ方が良いでしょう。

「保育所」の申し込みに必要なものは、下記の通りです。

  • 入所申込書
  • 家庭で保育できないことがわかる書類
  • 収入・税額が確認できる書類

「印鑑登録」の変更手続きをする

苗字や印鑑・住所地の変更が必要

離婚によって苗字や印鑑・住所地が変わる場合は、「印鑑登録」の変更手続きをします。

「印鑑登録の変更」に必要なものは、下記の通りです。

  • 印鑑登録カード
  • 新しく登録する印鑑
  • 本人確認のできるもの(免許証やパスポートなど)

「国民年金」または「社会保険」の手続きをする

【会社員ではない人】:国民年金の変更手続きをする

会社勤めをしていない人は、「国民年金」の変更手続きを行います。非扶養家族でなくなったことや住所・苗字が変更した旨を、役所の保険年金課に行って手続きします。

「国民年金」の変更手続きに必要なものは、下記の通りです。

  • 年金手帳
  • 離婚届受理証明書(または離婚後の戸籍謄本)
  • 本人確認のできるもの(免許証やパスポートなど)

【会社員として働いている人】:社会保険の変更手続きを会社にお願いする

会社勤めをしていて、「厚生年金保険」「健康保険」「労災保険」「雇用保険」などの社会保険に加入している場合は、会社にその旨を伝えれば手続きをしてもらえます。一般的に会社員として働いている人が離婚した場合は、上司や総務などにそれを伝えれば、各種手続きはまとめて会社の方でやってもらえます。

「就学援助」の申請をする

子どもの学用品などを支給してもらえる手当

小中学校に通う子どもがいる場合は、役所で「就学援助」の申請をすると、審査が通れば学用品費や給食費・修学旅行費・医療費などの一部を支給してくれる制度があります。

これは子育て中のシングルマザーにとってはとても助かる制度ですが、一点気を付けなければならないのは、学用品などが現物支給になるということです。担任の教師が不用意に皆の前で渡すことはないとは思いますが、子どもが傷つく可能性もあるので、その辺は前もって教師に相談する方が良いかもしれません。

「就学援助」の申請手続きに必要なものは、下記の通りです。

  • 就学援助費受給申請書兼世帯票

子どもがいない場合は以下の記事が参考になります。

家や車の「名義変更」、各種カードの「住所変更」をする

名義変更や住所変更は速やかに!

離婚時に「家」や「土地」「車」などを財産分与した場合は、早めに名義変更の手続きを行いましょう。また、「運転免許証」「パスポート」「預金通帳」「銀行のカード」「クレジットカード」など、住所や苗字の変更をする必要があるものは、速やかに変更手続きを行いましょう。名義変更を怠ると以下のようなトラブルになることも。

「年金分割」の手続きをする

離婚後は、早めに年金事務所で手続きを

離婚時に夫と年金分割の約束を取り決めた後、元夫と一緒に年金事務所に出向き、年金分割の手続きをします。年金分割請求の期限は2年以内ですが、時効になると大変なことになってしまうので、早めに手続きをしておくことをお勧めします。

「年金分割」の手続きに必要なものは、下記の通りです。

  • 年金分割の合意書(または年金分割について記した公正証書)
  • 双方の年金手帳
  • 双方の戸籍謄本
  • 本人確認のできるもの(免許証やパスポートなど)

「会社」に離婚の報告をする(会社員の人のみ)

上司に離婚の報告をし、総務に届出を出す

離婚時に会社に勤めている場合は、会社に離婚の報告をし、総務などに届出を提出する必要があります。届出用紙に記入して提出すると、扶養控除の変更手続きなどを、会社が行ってくれます。「仕事仲間に離婚の事実を知られたくない」という人もいるかもしれませんが、その場合は上司にそっと「お話があるのですが」と伝え、別室で報告をすれば、不用意に噂が広まることはないでしょう。

離婚後の手続きは抜けないようチェックリストを作るのが重要!

今回は離婚後に必要な手続きを紹介しました。見ての通り、離婚後にやるべきことは非常に多いです。

中には期間が決まっているものもあるので、漏れがないよう確実に進めていく必要があります。

新しい生活をスムーズに行うためにも、当記事を参考に手続きは迅速に完了させましょう。

関連動画

また、公式Youtubeチャンネルではここまで解説した離婚後に必要な手続きと注意点について、図解を交えてわかりやすく解説した動画を公開しておりますので、あわせてご参照ください。

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