離婚したら本当に幸せになれる?明暗を分ける【3つのポイント】

離婚で幸せになれる「もうあの人とはやっていけない。離婚するしかない!」そう心に決めて離婚を決意しても、その後本当に幸せになれるかどうかは、誰にも保障できません。では、いったいどんな人が離婚して幸せになれるのでしょうか?その明暗を分ける、3つのポイントをご紹介しましょう。

離婚後に幸せになる為のポイント①生活を営めるだけの収入がある

最低限の生活ができることは、幸せの大前提

離婚を望んでいるときは、誰もが「別れる」という目標に向かって進んでいます。「どうすれば別れることができるか」「子どもは引き取ることができるか」ということに必死になって、その次に待っている現実の厳しさに、具体的な策を練らず別れてしまう人も少なくありません。もちろん、DVなどの切羽詰まった事情があり、先のことまで考える余裕がない場合もあるでしょう。

しかし、無事離婚へと進んだ後にも、必ず明日はやってきます。そのときに、毎月の生活を営めるだけの収入は、保障されているでしょうか?たとえば、夫と別れて母と子ども2人で暮らす場合、アパートの賃料を入れれば最低でも20万円前後の収入は必要です。そのときに、たとえば自分が仕事で16万円稼ぎ、元夫から毎月4万円の養育費が支払われれば、何とかギリギリの生活は営めるでしょう。

あるいは、「離婚後は実家の両親が、うちに帰っておいでと言ってくれている」という場合には、実家の家に住めば賃料は必要なく、さまざまな経済的援助を受けられる可能性もあります。

ところが、自分の収入・夫の養育費・実家の援助がないままに離婚してしまう場合は、悲惨な生活が待っている可能性が大です。特に大変な状況に追い込まれる可能性が高いのは、専業主婦をしていた女性が離婚をし、子どもを引き取る場合です。

夫の傲慢な態度が許せずに離婚した、Aさんの場合

Aさんはサラリーマンの夫と、小学生・中学生になる子どもと4人で暮らす、ごく普通の主婦でした。大学を卒業して2年ほど会社勤めを経験した後、友達の紹介で知り合った夫と結婚。間もなく2人の子どもに恵まれ、子育てに追われる日々を送っていました。

ところが、夫は育児にまったく協力せず、子どもがいじめにあった時も、何も相談に乗ってくれませんでした。夜遅く仕事から帰ると、夫はひとりでテレビを観ながら夕食を摂り、Aさんとの会話はほとんどありませんでした。

「こんな生活がしたくて結婚したんじゃない!」とAさんは悩み、離婚を考え始めました。「まだギリギリ30代だし、いま離婚をすれば、今度こそ本当にわかり合える人と再婚できるかもしれない」そう思ったAさんは、離婚を急ぎました。

夫に離婚したい気持ちを打ち明けたところ、「生活はどうするんだ?」と一笑。ますます怒りに燃えたAさんは、「あなたと暮らさずにすむなら、お金がなくてもその方がまだマシ!」と言い切ってしまいました。夫は「そうか、それなら離婚してやろう。だが、お前の方から一方的に言ってきたんだから、俺は養育費も何も払わないぞ」と怒鳴り、Aさんはそれを受け入れてしまったのです。

ところが、離婚をしてからのAさんの生活は、悲惨なものでした。二人の子どもを引き取り、児童扶養手当はもらえるものの、2人分でもわずか5万円弱。Aさんは必死で仕事を探しましたが、特別な資格がない子持ちのAさんを雇ってくれる会社は、ひとつもありませんでした。

Aさんは仕方なく、昼間はお弁当屋さんのパートとして働き、夕方からは居酒屋で働いて家計を支えました。しかし、母のいない寂しさから長男は次第に荒れ始め、やがてAさんに暴力を振るうようになったのです。「息子に暴力を振るわれるくらいなら、まだつまらない主人といた方が良かった」と、心から後悔するAさんでした。

離婚はけっして急がず、計画的に進めることが大切

もしも離婚を考える際、自分自身の収入がなければ生活が成り立たない場合は、仕事先をしっかりと見つけてから離婚をするのが一番安心な方法です。よほどの切羽詰まった理由がない限り、離婚を急ぐ必要はありません。慰謝料や養育費の話し合いも十分に行い、離婚後の生活を担保したうえで、離婚届を出すようにしましょう。

離婚後に幸せになる為のポイント②子どもが離婚の理由に納得している

離婚する時点で、親子の絆はしっかりと結ばれているか?

離婚をして子どもを引き取っても、両親がなぜ離婚したのかを子どもが納得していない場合は、成長したときに家庭不和の原因になる可能性があります。たとえば、「ママはパパからたびたび暴力を受けることが辛くて、もうこれ以上耐えられないの。あなたには本当に申し訳ないけれど、離婚をしたいと思っている」と伝えれば、学童期以上の年齢の子どもなら、ママの大変さを察してくれることでしょう。こうした親子の絆があれば、子どもはたとえ片親でもスクスクと育ち、大人になったときには母を助けてくれる存在になります。

しかし、「ママはパパのことが大嫌いだから、別れて別の人と結婚したいの」と子どもに伝えても、子どもはけっして納得はしないでしょう。親のわがままのために父を失ってしまった子どもは、寂しさから非行に走ったり、家を出ていってしまうケースも少なくありません。

離婚後に幸せになる為のポイント③「離婚をしても幸せになれる」と信じている

「必ず幸せになる!」という、強い信念が必要

“まわりの環境は、すべて自分の心の影である”という言葉がありますが、自分自身が心に描いたことは、必ず現実となって現れてくるものです。たとえば、「離婚をしたけれど、ちっとも幸せになれない」と愚痴ばかりをこぼしていれば、マイナスの感情はマイナスの現実を生んで、さらに現状は悪化していくでしょう。

その逆に、「離婚をして今は大変だけれど、きっと今日より明日は幸せになれる」と明るい希望を持ち続けていると、少しずつ現実は良い方向へと変わっていきます。このことは、先にご紹介した2つのポイント以上に、幸せを左右する大きな力を持っているかもしれません。

苦難の日々を笑顔で送り、幸せを築いたBさんの場合

Bさんは先のAさんと同様、家事と子育てに忙しい毎日を送る主婦でした。ところがある日、夫から突然「離婚したい」という申し出があり、Bさんは愕然としました。夫の離婚理由は「心から愛する人がいて、その人と再婚したい」というものでした。

あまりのショックにしばらくは何も考えられなかったBさんですが、自分以外の人を愛する夫とこれ以上暮らしても幸せにはなれないと判断し、少ない慰謝料と養育費を約束して離婚に踏み切りました。

さて、それからBさんにとって、苦難の日々が始まったのです。2人の子を引き取ったBさんは、働きながら子どもを育てなければなりません。でも、子どもたちの「ママ、がんばって」という言葉に支えられ、Bさんは必死で仕事を探しました。元夫とは、Bさんの仕事が決まるまで生活費を支払うという取り決めをしていました。

しかし、主婦をしていた40代のシングルマザーに、おいそれと仕事を与える会社はありません。Bさんは何度も面接に落ち、その度にくじけそうになりました。それでもBさんは笑顔を忘れず、粘り強く探し続けました。そしてあるとき、こんな求人広告を見かけたのです。「あなたの主婦経験、子育て経験を、仕事に生かしてください!」それは、リフォーム関連会社の求人広告でした。Bさんはすぐさま飛びつき、試験を受けたところ、見事合格したのです。

それからというもの、Bさんは子どもを育てながら、必死で働きました。お客様のリフォームに対する要望を聞き、プランを練り、お引き渡しまでのお世話をする仕事です。もともと住まいづくりに興味があったBさんは、どんどん頭角を表し、インテリアコーディネーターの資格も取得しました。そしてついに、年収500万円を確保する社員に成長したのです。

子どもたちはAさんの愛情に支えられてスクスクと育ち、大学を卒業して就職した後は、母を助ける側に回ってくれました。夫を失いながらも笑顔で頑張り、道なき道を開拓して幸せを手に入れたBさん。同じように離婚しながら、なぜAさんが不幸せになり、Bさんは幸せになれたのか?その答えは、他でもない“心の持ち方”にあったようです。

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