養育費の不払いを防ぐためにやっておくべき3ステップ~離婚協議書

養育費の支払いは親の義務です

「離婚協議書で養育費のことを取り交わしたから、もう大丈夫」と思ってはいませんか?実はそれは、大きな勘違いです。現実には離婚協議書に養育費を明記した人の中で、養育費をもらえなくなったシングルマザーは、たくさんいるのです。ではいったい、どうすればいいのでしょうか?

関連:離婚後の子どもの養育費の計算・請求方法|養育費は弁護士に相談を!

離婚協議書を作成して養育費の不払いを防ぐ

口約束や念書ではなく、しっかりとした「離婚協議書」を作成すること

まず、離婚の際に養育費に関しての話がまとまったときは、それを「離婚協議書」としてまとめておく必要があります。口約束で終わらせてしまうと、何の証拠も残らないので、それだけは絶対に避けましょう。

離婚相手から「わたくし○○は、次のことを約束します」という内容を記した念書を、証拠として受け取る人いますが、これはやめた方が賢明です。念書ではお互いの合意があるかどうかが、はっきりわかりません。もしも数年後に夫が心変わりをしたとき、夫側が「妻が受け取るという同意は書かれていない」と言えば、契約は不成立となってしまう可能性があるのです。

“約束を信じる”という甘い幻想は、捨てることが大切

離婚を経験するほとんどの人は、離婚した時点では法律が関与する出来事に出会ったことがなく、法律にいくつもの抜け道があることにも気づいていません。法律に触れる機会がなかったことは、まったくもって幸せなことなのですが、「離婚」という人生の一大事によって、“社会のシビアな現実”があることを知るのも必要でしょう。

まず、「離婚をしても、一度は夫婦としてやっていこうとした人だから、養育費をしっかり払うという彼の約束を信じたい」という甘い考えは、一切捨てましょう。今までは夫婦であっても、これからは他人として生きていく以上、そこで交わされた約束には“法的な拘束力”が必要です。

養育費というのは、10年以上にわたって払い続ける必要のある、非常にスパンの長い支払い義務です。これを持続して払ってもらうということは、払う側にとっても並大抵のことではないでしょう。最初の1~2年は「可愛い子どものためだから」と思っても、3年後にはもしかしたら、離婚相手に新しい人生のパートナーが現れるかもしれません。5年後にはもしかしたら、一緒に暮らす子どもが生まれている場合もあります。そうなったときに、養育費の減額ならまだしも不払いとなってしまったら、そのときに困るのは他でもない自分自身です。

離婚協議書とは、いったいどんなもの?

離婚協議書は、以下のような形式で作成します。

離婚協議書

夫○○○○(昭和○年○月○日生、以下「甲」という)と、妻○○○○(昭和○年○月○日生、以下「乙」という)は、離婚協議をした結果、次条下記の通り契約を締結合意した。

第一条 (協議離婚)
甲と乙は、協議離婚をすることに合意し、離婚届に自署名押印した。

第二条 (親権)
甲乙間の子氏名○○○○(平成○年○月○日生、以下「丙」という)の親権者及び監護権者を乙(または甲)と定め、丙が成人に達するまで引き取り養育する。

第三条(養育費)
甲(または乙)は乙(または甲)に対し、丙の養育費として平成○年○月○日から丙が二十歳に達する日の属する日まで、毎月○万円ずつ、毎月末日に支払う。

① 前項の養育費の支払いは、次の丙名義の口座に振り込む。
○○銀行○○支店
口座番号 第○○○○○○○○号
口座名義人 氏名 ○○○○

② 上記養育費が、諸物価の事情その他の理由によって不相応となった場合には、乙は甲に対してその増額を要求することができる。

③ 甲は、丙の高等学校・大学(または専門学校)などへの進学の際に発生した費用の一部を負担することを、乙に約束した。乙は、請求書(および受領証)などを提示して、甲に請求するものとする。

第四条(特別の出費)
甲(または乙)は、乙(または甲)が丙の病気および怪我のために特別出費をしたときは、甲(または乙)は乙(または甲)の請求により、その費用を直ちに払うものとする。

(中略)

以上、本協議書が成立したことを証する為本書二通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ、各自一通を保有する。

平成  ○年  ○月  ○日
(甲) 住所
  氏名          ㊞ 
(乙) 住所
  氏名          ㊞

離婚協議書は、インターネットの資料などを参考に自力で書くこともできますが、これはよほど法律に詳しい人でない限りお勧めできません。なぜかというと、法律上の約束事を書く場合は、抜けや漏れがあった場合にそれが致命的になってしまう可能性があるからです。

それなりの費用がかかっても、離婚協議書は弁護士などの法律のプロに相談し、しっかりとした書類を作った方が良いでしょう。

離婚協議書を「公正証書」として残して養育費の不払いを防ぐ

離婚公正証書を作成することで、公に認められた書類となる

離婚協議書を作成したら、それを必ず「公正証書」として残しておくことが大切です。「弁護士に相談してきちんと離婚協議書としてまとめたから、もう大丈夫!何かあったときはこれを見せればいい」と思っている人も多いのですが、それは読みが甘いというものです。

もちろん、離婚協議書には法的な拘束力がありますが、あくまで個人間のやりとりで作成したもの。離婚後に相手が変更を求めてきた場合、簡単に覆ってしまう可能性もあるのです。それを公証役場で元弁護士や検事などの経歴をもつ公証人に見てもらい、「離婚公正証書」として認めてもらうことで、絶対ではないもののめったなことでは覆せない書類となります。

離婚公正証書を作成する方法

「離婚公正証書」を作成するには、公正役場で手続きをする必要があります。まずは管轄の公証役場に連絡をし、訪問する日時を予約しましょう。当日は離婚協議書と実印・印鑑証明・戸籍謄本・手数料を持って二人で公証役場を訪ね、公証人に公正証書の作成を依頼します。

公証人と対面しながら離婚協議書を確認し、不備があれば指摘され、疑問点があれば質問があります。こうしてやりとりを重ねた後で公正証書が作成され、二人で1通ずつ保管することになります。

養育費の不払いを防ぐために、離れて暮らす親子の交流をはかる

面会交流の機会をもつことで、子どもへの愛情が継続する

離婚後に、離れて暮らす親子が交流する機会をもつことは、子どものためにも養育費の継続のためにも非常に重要です。会って成長を確かめることができるからこそ、「この養育費であの子がスクスクと育ってくれるなら」と、身銭を惜しまずに払う気持ちにもなれるのです。ところが日本の場合、離婚をしてどちらかが子どもを引き取ったときに、離れて暮らす親子の交流がしづらくなるケースが少なくありません。

では海外ではどうかというと、欧米などでは離婚後も離れた親子が交流をするのは当たり前という感覚があるようです。親が子に養育費を払い続けるのは当然の義務であり、離れて暮らす親子が交流することも当然の権利というのが、欧米の考え方です。

面会交流の方法は、ケースバイケース

もちろん、離婚をする際にどんな別れ方をしたかというのも、重く考慮する点です。「もう二度と顔も見たくない」という状態で別れた場合は、子どもを会わせたくないと思うのも無理はないでしょう。「会わせたら最後、子どもを連れ去られてしまう」という危険性を感じる場合もあります。また、ギャンブルや暴力などが離婚の理由であれば、会せることが本当に子どものためになるかどうかも疑問です。

面会交流できるかどうか、また面会交流をどのように行うかは、ケースバイケースです。ただし、「子どもには会わせないけれど、養育費は最後までほしい」と思っても、それは難しいでしょう。ずっと会わないでいる子どもにお金だけを払い続けるというのは、どんなに我慢強い人でも大変なことです。親同士は離婚をしても、できるだけ親子の関係だけは良好に保てるというのが、離婚後の理想的な姿です。

離婚の養育費で一番揉めずに済むのは、一括で受け取ること

日本では、養育費をもらう約束をしたシングルマザーの8割が、何らかの理由で養育費を受け取ることができていません。この問題に対しては国を挙げて憂慮していますが、解決されるまでには相当の時間もかかるでしょう。

こうした日本の現状で、養育費を最後までもらう最善の方法があるとしたら、やはり離婚相手に支払い能力があれば養育費全額を一括で受け取るのがベストです。それによって、社会的弱者である女性が子どもを引き取っても、貧困に喘ぐことがなくなるからです。

養育費の決め方は夫婦によってさまざまですが、どのような約束をしたとしても、養育費の約束に関しては十分過ぎるくらい十分に予防線を張っておくことが重要です。

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