離婚が子供に与える影響とは?子供にとってストレスの少ない離婚方法
離婚が子供に与える影響は、計り知れないものがあります。子供が多くを語らなくとも、悲しみ傷ついているのは当然のこと。
特に愛する両親が「離婚した」となると、早い段階で彼らの心理的影響やストレスを察知し、ケアをする必要があります。
彼らの心が少しでも和らぐよう、ぜひ「子供の心の声」に耳を傾けましょう。本記事では、離婚が子供に与える影響や、離婚後気をつけるべき点、心のケア方法について説明します。
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親の離婚は、子供にとって大きなストレスになる
親の離婚は、子供に対して大きな心の負担(=ストレス)を与えてしまいます。
このため、離婚を躊躇する親も多いのですが、「父と母が不仲」な状況のままでは子供が不安を感じたり、いつか両親が離婚するのではという「恐れ」を抱かせる結果となります。
いずれにしても、子供が望む家庭とは別のもの(例:両親が仲違いしている、団らんの時間が無い、親から十分な愛情を受けていない等)になった場合、子供の精神バランスは均衡が取れなくなり、将来的にも精神不安、学力の低下、対人恐怖などの問題も起こりやすくなります。
こうした状況を避けるには、子供がどのようなことを考え、悩んでいるのかを考え、大きな愛情で子供のストレスを和らげてあげることです。ケアの方法が適切であれば、子供の心理的影響は大幅に軽減できます。
心のケアは、親が話を聞いてあげること、子供の悩みや問題を一緒に乗り越え解決するなどの方法がありますが、必要があれば、カウンセリングルーム(臨床心理士)に相談し、子供の心をケアする方法もあります。
次項から、子供がどのようなことを考え、悩んでいるのか説明しましょう。
カウンセリングルームとは?
カウンセリングルームとは、心のケアを目的とした期間で、病院などの医療機関をはじめ、臨床心理士や精神科の医師が開く心理相談の場です。カウンセリングルームは、子供からお年寄りまで、幅広い世代が利用する場所で、離婚でショックを受けた子供の心をケアするほか、離婚で傷ついた大人のカウンセリングにも対応しています。
詳しくは、最寄りの医療機関(大学病院・市立病院にも一部併設)を尋ねてみてください。地方自治体(福祉事務所)でも、カウンセリングルームの紹介を行っています。
親の離婚で子供が考えていること、悩んでいること
子供は両親の愛情を受けてはじめて「守られている」という安心感を持ち、人や物への愛情、愛着を示すようになります。しかし、両親や家族からの愛情が十分でなければ「捨てられる」という不安を感じ、愛情に疑問を感じ「苦しみ」を抱えるようになります。
こうした苦しみ・不安は、子供の年齢に関係なく現れます。例えば、0歳〜1歳の子供でも、両親がいがみ合っている状況では、大きな不安や恐怖を感じているのです。また小学生になると、親の様子から緊張を感じ取ったり、親に仲良くして欲しいとの願いから、仲を取り持とうとする子供もいます。
このほかも、親が喜んでくれるような「よい子」を演じる子供や、面白いことをして和まそうと気を使う子供もいるなど、大人以上に子供は気を遣い傷つき生きているのです。実際、両親以上にストレスを感じながら、毎日を過ごす子供の姿も珍しくなく、親の精神の不安が、子供に悪い影響を与えています。
こうした状況から、徐々に「心の傷が回復」できれば良いのですが、成長とともに反抗をする子供、精神疾患を抱える子供、何らかの依存症を抱えるこども、老化現象が平均よりも早く現れる子供も少なくありません。
幼少期に受けたショックは、(彼らが)大人になった後も続いているのです。とはいえ離婚をしないまま、いがみ合っている状況も良くありません。家族にとって最良の方法が「離婚」というのなら、子供の精神的不安やストレスが無い方法を考え、彼らが安心して暮らせる生活を作ってあげてください。
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離婚時に子供が0歳、1歳、2歳で考えられるストレスの度合い
乳幼児であっても、子供は敏感に両親の心の状態を察知しています。その証拠に、母親がイライラしていると泣き出す子供や、両親がけんかをしていると「親の顔色をうかがう」赤ちゃんもいるほどです。
「三つ子の魂百まで」という言葉からも分かるとおり、子供が0歳、1歳、2歳の時にも、離婚が与える影響は大きく(与えたストレスに対しては)赤ちゃんに十分なケアが必要になります。
0歳の子供に心がけたいケアの仕方
赤ちゃんの前では、笑顔で明るく振る舞ってあげてください。また、0歳でも母親の表情や声にはきちんと反応を示します。親が「愛していること、守ってあげること」を十分に示せば赤ちゃんの情緒も安定します。
1歳の子供に心がけたいケアの仕方
子供が1歳になると、大人の声色や顔色をうかがうようになります。子供が寂しさを感じないよう、親から愛情を十分に与えてください。また、赤ちゃんをできるだけ一人にしないよう「一緒に過ごせる時間」を長く取るようにします。
2歳の子供に心がけたいケアの仕方
シングルマザーの方は、3歳頃から子供を預け、働き始めることが多いそうです。しかし、仕事を優先してしまうと(子供が)家族がいないという不安や悲しみを感じてしまいます。
2歳の子供をできる限り一人にしないよう、団らんの時間や一緒に食事を取る時間を取るようにしてください。
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離婚時に子供が3歳、4歳、5歳で考えられるストレスの度合い
幼稚園、保育園に上がると、子供は「他人と自分」を区別するように成長します。
ここで「友達にはお父さん(またはお母さん)がいるのに、自分にはなぜお父さん(お母さん)が居ないのだろう」という周囲との違いを感じ、親に対して何度も質問をしたり、情緒不安定に陥る子供もいます。
3歳、4歳、5歳の子供に心がけたいケアの仕方
3歳、4歳、5歳の子供に心がけたい「ケアの方法」は、場当たり的な嘘をつかずに、なぜ父親(もしくは母親)がいないのか、本人が納得できるまで落ち着いて話をすることです。
そして、不在の親(非親権者)も子供を愛していること。そして、自分も「○○ちゃんのことを愛している」ということを(子供の目をみて)愛のある言葉で語りかけることです。
一番やってはいけないのは、もう一方の非親権者を悪くいうことや、子供の敵として扱うことです。間違っても「お父さんがお母さんを悲しませたから、離れ離れになった」など言わないようにしましょう。
あなたにとっては憎き相手であっても、子供にとっては「自分の親」に変わりありません。いかなる時も、非親権者を悪く言うことは子供にとって悪影響です。子供の前で、親の悪口を言うのは絶対に止めてください。
離婚時に子供が小学生で考えられるストレスの度合い
6歳〜7歳になると、子供たちは「小学生」に上がります。これまで以上に多くの子供や大人たちに接し、自分が置かれている立場だけでなく、両親の悲しみや苦しみも理解できる子供もいます。
その一方、小学生は成長の過渡期であり「多感な時期」に差し掛かる彼らに、離婚のことを理解させるのは酷なことです。小学生であっても「十分に分かっているだろう」と安心をせず、子供の思いや、悲しみのシグナルを見落とさないようにしてください。
小学生の子供に心がけたいケアの仕方
小学生の子供に心がける「ケアの方法」は、子供が抱えている不安を親が全身で受け止めることです。また、悲しみや苦しみから立ち直れるよう、愛情をもって精神的にサポートをしてあげてください。
中学進学を前に、子供の学費や生活費、経済的問題を解消しようと仕事に打ち込む親も多いのですが、6年間という貴重な「成長の時期」を軽視しないでください。子供にとって穏やかな時間が過ごせるよう、親子とも「愛情のある時間」を作れるようにしましょう。
離婚時に子供が中学生、高校生で考えられるストレスの度合い
中学生はまだ、あどけなさが残る子もいますが、学年が上がるにしたがい、多感な時期を迎えることになります。
また高校生になると、親と仲良く「べったり」な子供もいれば、適度な距離感が保てる子供、親と折り合いが悪い子供など、それぞれの性格によって状況は異なります。
中には、親の離婚がスッキリ受け入れられる子供(=精神的に成熟した子供)もいれば、悲しみを友人が共有してくれるため精神的不安を解消できている子供(=悲しみが昇華できている)もいます。
その一方で、どこにも不安をぶつける相手が居ない(=情緒が安定しない)子供も多く、親がアンテナを張って子供の成長をサポートする必要があります。
中学生の子供に心がけたいケアの仕方
中学生の子供に心がける「ケアの方法」は、子供の話をしっかり聞くことです。中学生になると、親と会話をしない子供も多く居ます。また学校で抱えている不安や悩みを誰にも相談できず、苦しむ子供も少なくありません。
子供が疎外感や孤独を感じないよう、子供の意見を尊重しながら(問題を抱えている場合は)親子間で話し合う機会を持つようにしましょう。
高校生の子供に心がけたいケアの仕方
高校生の子供に心がける「ケアの方法」は、子供に心の余裕やゆとりを与え「選択肢の多い人生」を見せてあげることです。離婚をした後、家計の問題から、大学や短大、専門学校に進む(海外留学も含む)ことを家庭の事情で諦め、進学を断念する高校生もいます。
また、希望の学校に進学できたとしても、奨学金(返済が必要なもの)を借りてしまい、親子の関係がギクシャクする子供や、希望する学校に進学できなかったことが理由で傷つく若者も少なくありません。
もちろん、経済的に無理をするのはダメですが、子供にはできる限り、将来の可能性を閉ざさない方向で「進路の話し合い」をしてください。そして経済的に無理な場合も、本人が納得できるようきちんと話し合いの場を持ち、場合によっては非親権者に追加で学費の負担をしてくれないか、頼んでみてください。
親の離婚以上に「夢を絶たれる」のは辛いことです。どんなに仕事が忙しくとも、子供が納得できるよう、親子で話し合いの時間を長く取るようにしましょう。
親(元配偶者)の悪口は絶対に言わないで!
離婚の有無に関わらず、母親が父親の悪口は言ったり、父親が母親の悪口を言う機会は珍しくありません。しかし、子供にとってはどちらも大切な親です。
母親の悪口を聞いて、うれしい気持ちになる子供はいないでしょう。反対に、父親の悪口を聞いてうれしい子供はいません。また悪口を聞いたことで、どちらか片方の親を憎んだり嫌ったりすることは、子供にとって不幸なことです。親の都合で、子供の心をかき乱さないように注意しましょう。
離婚で子供が転校した場合にも、心のケアが必要
離婚によって引っ越しを余儀なくされた場合、子供は「親の離婚と引っ越しで友達と別れる」という二重の苦しみを味わうことになります。
このため、子供の将来を見据え『引っ越しをするのか/そのまま同じ場所に留まり続けるのか』考える必要があるでしょう。
実際、親権者を決定する際には「子供の環境が変わらない」ことを優先します。
引っ越しをすることで、離婚をしたことが周囲に知られないというメリットもありますが、引っ越しをすることで、仲が良い友達と別れるというデメリットもあるので覚えておきましょう。
子供の気持ちを聞かないまま、引っ越しや離婚を決めるのは、子供にとって大きなストレスになります。
また引っ越しがきっかけで、新しい場所でいじめに遭う可能性も0ではありません。子供と常に対話をしながら、子供が生活しやすい環境を整えてあげてください。
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離婚後、子供に対して親が心がけたいポイント
離婚後、子供に対して心がけたいポイントは「聞こえない声に耳を傾ける」ということです。子供の中には、自己の思いや考えを表現できない子や、苦しみや悲しみを見せない(=我慢強い、辛抱強い)子供がいます。
しかし、子供の心をないがしろにしてはいけません。みなさんも子供のころ、大人が想像する以上に、いろいろなことに悩み、苦しんだ経験があるはずです。
親の離婚が、子供に与える影響を軽んじてはいけません。また、離婚後「再婚をする」場合も、離婚のとき以上に子供の気持ちを考え「何がベストな方法か」慎重に将来設計を立てる必要があります。
再婚をすることで、子供が幸せになれば良いのですが、子供と再婚相手の折り合いが悪い、再婚相手の連れ子との折り合いが悪い場合、子供が孤立してしまう可能性があります。
自分の恋愛を優先するあまり、子供の心を傷つけたり、家庭内で不和が起こらないようにしましょう。
実際に「再婚」は自分一人の問題ではありません。家族全体の問題なので、家族間でよく話し合った上で結論を出してください。
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まとめ|親の離婚は子供を傷つけてしまうので、必ず心のケアをしてあげよう
親の離婚が子供に与える影響は計り知れません。何気ない行動や言葉が、子供の心傷つけることもあります。
今後の成長に悪い影響が出ないよう、早い段階で心のケアを行い、常に愛情深く子供を守り、子供の声に耳を傾けるようにしましょう。
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