[子どもの手続き代理人制度]親権の話し合いがもつれたときは、いったいどうすればいい?

親権が決まらなければ家庭裁判所へ

夫婦が別れることになったとき、「自分が子どもを育てたい」という気持ちは、どちらも持っていることでしょう。でも、実際に育てることができるのは、ただひとり。「絶対に自分が育てる」と両者が譲らなかったときは、いったいどうしたら良いのでしょうか?

関連:離婚する場合の子どもの親権問題|子供の親権トラブルは熾烈になりがち

「どちらが育てるのが幸せか?」を、再確認してみましょう

後で後悔することのないよう、深く考えたうえで判断を

離婚後の親権を誰が持つかというのは、とても難しい問題で、実際にさまざまな事例があります。

たとえば「離婚をするときは自分に経済力がなく、持ち家もなかったので、親権は父親に渡した。自分を慕う子どもと、泣く泣く別れた」という女性がいます。特に専業主婦だった女性は、子どもに深い愛情を持ちながらも、育てる能力という点で不安を抱くケースが数多くあります。しかし、親権に関してこの判断は、本当に良かったと言えるでしょうか?

また、「子どもは自分にとてもなついていたが、母親の強い要望に押し切られて親権を渡してしまった」という男性のケースもあります。“子どもは母親が育てるもの”という、日本の古くからの観念がありますが、果たしてそれで子どもは幸せだったでしょうか?

子は親の所有物ではない

逆に、自分自身が再婚するなど子どもにとって心配な要素がありながら、親の我がままから親権を絶対に取ろうとする場合もあります。でも、子どもは親の所有物ではないので、これでは子どもは幸せにはなれません。もしも再婚相手が離婚前の不倫相手であれば、前の配偶者の子どもを大切に思ってくれるかどうかは、怪しいところです。

このような判断をして、一番怖いのは、後で後悔をしてしまうことです。「あのときに一緒に暮らしていれば良かった」「相手に親権を渡した方が幸せになれた」と悔やんでも、失った時間は取り戻せません。数年後、数十年後に「やっぱりこれで良かった」と思えるよう、深く考えたうえで“どちらが親権を取るか”を判断することが大切です。

二人の意見が食い違う場合、当事者だけで解決するのは難しい

もともと子どもは「夫婦が育てる」という前提のもとに生まれるので、離婚というイレギュラーなケースが生じてしまった場合は、さまざまなパターンが生まれてしまうのは仕方のないこととも言えます。

そのときに最も大切なことは、「子どもにとってどちらが育てるのが本当に幸せか?」を、自分の思いを抜きに再確認してみることです。そして、「やはり自分が育てた方が良い」と判断し、その考えが相手と食い違っていた場合には、二人だけの話し合いで決着できる問題ではないでしょう。速やかに弁護士などの法律の専門家に相談するのが、最善の方法です。

話し合いが難航した場合は、法律の専門家に相談を

親族や友人に相談するのは、かえってマイナスになることも多い

離婚の話し合いがもつれると、よく親族や友人に相談する人がいますが、かえって話がこじれる場合もあるので注意しましょう。特に実家の両親や実の兄弟姉妹などは、家族の幸せを思うがために離婚相手のところに乗り込んで行ったり、役に立たないアドバイスをしたりしてしまうことが少なくないからです。

それよりは弁護士など法律の専門家に相談をして、これまでの親権問題の事例などをもとに具体的な方策を立てた方が、何倍も解決への早道になります。

当サイトで離婚に強い弁護士を探し、まずは相談をしてみましょう。多少遠方でも問題ありませんが、弁護士事務所には何度か行くことになる可能性が高いので、できるだけ近距離で相性の良い弁護士を見つけられればベストです。何件か「法律相談」(30分で5,000円程度、初回無料の場合もある)を受けてみて、一番良いと思う弁護士に相談することにしても良いでしょう。

弁護士と相手方との話し合いでまとまるケースもある

弁護士が間に入って話がまとまれば、それが最善の方法

弁護士に相談をすると、弁護士が夫婦の間に入って直接離婚相手のところに出向き、話し合いを持ってくれる場合もあります。「調停や裁判などの大事になるよりも、お互いに歩み寄って妥協し合いながら、一番良い方法を見つけましょう」というような働きかけに、もし相手が応じてくれるなら、それが最善の方法です。

このようなときによく取られる解決策が、「母親が親権を取り、父親には面会交渉権を与えて、頻繁に会えるよう配慮する」「父親が親権のうちの財産管理権を取り、母親は子どもを養育する身上監護権を取る」というような方法です。いずれにしても、母親に養育できない事情がない限りは、子どもを引き取るのは母親になることが多いでしょう。

それでも話が決裂する場合は、調停や審判、裁判に進む

どうしても親権者が決まらなければ、法律で決着を

夫婦で話し合って話がまとまらず、弁護士が間に入っても難しいとなると、やはり残された方法は「調停」や「審判」、そして「裁判」という方法しかありません。

ただし、調停や審判・裁判に臨む場合は、精神的にも時間的にも金銭的にも、大きな負担がかかることだけは覚悟しておきましょう。費用をどうするか、留守をするときに子どもを誰に預けるかを決めるなど、事前の準備も必要です。今まで相手の身内と仲良くしていた場合も、これを機会に絶縁する覚悟はしておいた方が良いでしょう。

3回にわたって行われる調停

さまざまなリスクを考えても、「やはり法律で決着をつけるしかない」と決めたなら、家庭裁判所に調停・審判の申立てをしましょう。離婚調停を起こして、養育費などの取り決めと一緒に親権を決めることもできますが、親権だけが問題であればそれだけで調停を行うこともできます。

調停は3回にわたって行われ、家庭裁判所の調査官が父親・母親双方の主張を聞き、親権者としてどちらが適格かを調べます。たとえば調査官が「母親が親権をもつのが適格」と考えた場合は、その方向で進むように双方に話をしますが、父親がそれを受け入れなかった場合は調停不成立となります。

審判では、裁判官が親権者を指定する

その後は自動的に審判へと進み、調停と同じように家庭裁判所の調査官が親権者として適格なのはどちらかを調べます。このとき、審判の場合は調停とは違い、裁判官が権限を持って親権者を指定します。

裁判官が親権者を指定するのは、親同士のもめごとを解決するというよりは、子どもの幸せを守ることが目的です。「子どものことに関しては、親だけの考えで勝手にて決めるものではなく、子どもにとって何が幸せかを優先する必要がある」という考え方があるからです。

審判の親権指定に不服申立てがあれば、裁判へと進む

審判で親権者が指定されても、それで終わりと決まったわけではありません。親権の決定に対して不服を申し立てれば、高等裁判所の裁判へと進むことになります。審判の決定は子どもの福祉を考えたうえでの判断なので、めったなことで覆ることはありませんが、最終的には裁判の判決を待つことに成ります。

親権をめぐる裁判にあたって、裁判官が考慮する点は、主に以下の通りです。
  • 家庭環境はどうか
  • 親の生活態度はどうか
  • 住まいの環境はどうか
  • 子どもに愛情を注いているか
  • 子どもの面倒をみる意欲と能力があるか

複雑に絡み合う父親・母親の思い

子どもの親権をめぐる争いでは、父親・母親双方に「自分が面倒をみた方が子どもは幸せになれる」という強い思いがあります。

父親は「自分には子どもを育てるだけの経済力があるが、母親にはない。母親が育てても、貧しい生活になるだけで幸せにはなれない」と考える人が数多くいます。実際、母親が引き取ってわずかな養育費で生活をする家庭の多くが、貧困に悩んでいます。

かたや母親は、「残業が多く、料理もろくに作れない父親が育てたら、まともな子どもに育たない」と考える人が少なくありません。事実、父子家庭の子どもたちの多くはひとりぼっちの時間を過ごし、栄養バランスを考えた食事を摂ることは難しいのが現実です。

こうした双方の強い思いが複雑に絡み合うため、親権をめぐる裁判は熾烈を極める可能性があります。気を付けなければならないのは、親が争っている間に、子どもが心を深く傷つけないかという点です。少なくとも、夫婦が争っていることはけっして子どもに覚られないようにし、できる限り早く解決をするよう努力することです。

そして、子どもがどちらと暮らすことを希望しているのか、またどちらが育てるのが本当に幸せなのかを、自分の感情抜きで考えることが非常に重要です。

幸せの形は、親子によってさまざま

「母であること」「経済力があること」だけが、親権者の適性ではない

日本にはまだ“離婚する家族”そのものの歴史が浅く、「より良き人生を送るための離婚の形」というのが、確立されていません。

2014年にジョン・ファブロー監督の「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」というアメリカ映画が上映されましたが、このときにシェフの仕事を失って落ち込む主人公に、元妻が新しい仕事へのアドバイスをするシーンがあります。お互いに事情があって別れたものの、子どもの親という点でつながり続ける関係は、日本ではまだ極めて少ないでしょう。

離婚後も“幸せな親子の形”を築くために

また、息子が父親と一緒に喜々としてフードトラックで働く姿も、とても印象的です。父親と子どもが喜びを共有できるものを持っていた場合は、そこに子どもの幸せが見いだせる場合もあります。それを「母親のもとで暮らすのが幸せ」という観念で縛るのは、けっして正しい判断とは言えません。

そして最も印象深いのが、息子が父親と暮らし、母親とときどき会う生活をしながら、常に両方の親とつながってハッピーな毎日を送っているシーンです。離婚という事実を子どもながらに認めて、両親がいる夫婦と何ら変わりなく幸せに暮らしている。これは、離婚する夫婦を何組となく生み出してきたアメリカ社会ならではの、“幸せな離婚家庭の形”と言えるかもしれません。

日本では、まだそうした離婚家庭の歴史が浅く、このような形を築くには時間がかかるかもしれません。でも、父親と母親が“子どもの幸せ”という観点から、お互いに折り合える接点を見つける努力ができれば、必ずより良い形に変わっていくことができるでしょう。

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