親権者を決めるときの【5つのチェックポイント】―父母の生活状況や子どもの年齢が考慮材料―

親権者の決め方

日本には「子どもが小さいうちは、母親のもとで育てるべき」とする考え方が根付いているため、親権は母親が取ることが多く、特に子どもが10歳くらいまでは80%以上の子どもが母親と暮らしています。しかしこれも、ケースバイケース。状況によっては、父親が親権を取る方が良い場合もあるのです。その辺を見極めるために大切なチェックポイントとは?

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【ポイント1】離婚後に、子どもはどんな家に住むことになるか?

まず、離婚後に子どもがどちらかの親に引き取られた場合、どんな家に住むのかということは、非常に重要なチェックポイントです。

今まで住んでいた持ち家に、母親が住み続けるケース

たとえば今まで家族で持ち家に住んでいて、離婚後に父親が別の土地に引っ越し、母親が引き続き持ち家に住み続けるというようなケースがあります。このような場合、子どもは転校することもなく、今までの生活をスムーズに続けることができます。

ただでさえ親の離婚によって深く傷ついている子どもに、転居によって通いなれた学校や友達との別れまで強いることは、非常に酷でもあります。この場合、母親と子どもの親子関係が良好であれば、「母親が親権を持つ方が良い」と判断することもできるでしょう。

母親に持ち家はなく、賃貸住宅を借りて働きに出るケース

これとは正反対に、離婚後に自宅を売却し、父親はマンションを購入。母親はどこかに賃貸住宅を借りて住まなければならないというようなケースもあります。この場合、母親に十分な経済力がないと、家賃を払いながら子どもを育てることは非常に厳しいと言わざるを得ません。子どもが複数いた場合は、なおさらです。

父親から養育費を受け取るとしても、婚姻時に母親が安定した仕事を持っていなければ、今後の生活は極めて厳しくなることが予想されます。この場合に、どちらが子どもを引き取った方が良いのかというのは、とても難しい問題です。「子どもは母親のもとで育てるのが幸せ」という社会通念があったとしても、現実問題として母親は朝から深夜まで働きに出てしまうこともあり、母親としての役目をどこまで果たせるかも不安が残ります。

かたや父親には独身時代からの資産があり、それでマンションを購入して不自由なく暮らせるという前提があったとしたら、「父親が親権を持って育てる方が良い」という判断もあり得るでしょう。事実、「離婚時には自分に経済力がなく、持ち家もなかったので、親権は父親に渡した。子どもとは泣く泣く別れた」という母親も、けっして少なくありません。

離婚後に母親が実家に帰るケース

離婚した女性の多くが、子どもを連れて実家に帰るというのは、よくあるケースです。実家であれば家賃の心配はなく、母親が働きながら子どもを育てても、困ったときには実家の親が何かと助けてくれるに違いありません。

母親以外に子どもの面倒をみる大人の存在があるということは、子育てをするうえで大きな安心感につながります。子どもも父親のいない寂しさを埋めてくれる大人がいることで、非行に走ることもなくスクスクと育つ可能性が高いでしょう。このような場合は、「母親が親権を持つべきだ」と考えることもできます。

離婚後に母親が再婚をするケース

離婚後に母親が再婚することを考えている場合は、必ずしも母親が親権を持つことが子どもの幸せとは言い切れません。「再婚先で子どもは本当に幸せに暮らしていけるかどうか」ということを、夫婦で真剣に話し合う必要があるでしょう。状況によっては、父親が親権を持った方が良い場合もあるかもしれません。

【ポイント2】離婚後に、子どもはどんな家庭環境になるか?

「誰が子どもを育てるか?」ということも大事ですが、「子どもがどんな家庭環境に置かれるか?」ということも、それと同じくらい重要なチェックポイントです。2010年に内閣府が調査をした「非行原因に関する総合的研究調査の概要」によると、中学生の一般少年が“夕食を家族とともにする”と答えた割合が62.6%だったのに対し、中学生の非行少年は39.6%と、少ない数値になっています。離婚後に親が仕事で忙しくて、子どもと夕食を共にできない環境に置かれた場合、子どもが非行に走る危険性は増大すると考えてよいでしょう。

ただし、子どもといられる時間が少ないと家庭環境が悪いかというと、そうとは言い切れません。看護婦をしている母親が夜勤に出かけるとき、子どもに置手紙をして近所の人に留守をお願いし、おいしい夕食を用意してテーブルに置いてくれる場合などは、子どもがすくすくと育つことも往々にしてあります。

父親が仕事で残業が多く、子どもと一緒にいられる時間が少ないケース

日本人の働き過ぎが指摘されながらも、いまだに深夜まで残業の日々を送る父親は大勢いるのが現状です。企業戦士として働く父親が、毎日終電で帰ってくるような生活を送っていた場合、離婚後に子どもを引き取るというのはほとんど無理な状況でしょう。たとえ子どもが父親にとてもなついていたとしても、子どもの安全面などの観点から、親権を取るのは難しいと判断できます。海外出張の多い仕事をしている場合なども同様です。

「それでも、どうしても親権を取りたい」と考える父親の中には、あえて出張のない定時退社の会社に転職してまでがんばるケースもあります。

母親が自宅で雀荘を経営するなど、生活環境に不安がある場合

母親が子どもを引き取る家と経済力があっても、たとえば雀荘を経営していて子どもが染まってしまう危険性がある場合などは、考慮の余地があるでしょう。住まいの周辺が繁華街で風俗店などが多い場合も、住環境として適しているとはいえません。

【ポイント3】親は子どもに愛情を注いでいるか?

子どもが小さい間は、父親よりも母親の愛情をより欲しがるのが普通ですが、家庭によっては「子どもが母親を嫌っている」というような特殊なケースもあります。

母親が子どもを心から愛することができず、父親が母親に代わって一生懸命愛情を注いできたとしたら、「親権は父親が持っていた方が良い」と考えることもできるでしょう。

母親が不倫をして、頻繁に家を空けていたケース

母親が婚姻中に不倫をしていて頻繁に夜の外出があった場合などは、そのことだけで親権を取れないということにはなりませんが、子どもへの愛情面で疑問を持たれることになるでしょう。父親が不倫をしていた場合は、ほぼ間違いなく母親が親権を持つことになります。

【ポイント4】親に子どもの面倒をみる意欲と能力があるか?

子どもを育てるためには、炊事・洗濯などの「家事能力」が求められます。栄養バランスの整ったおいしい食事を作り、毎日子どもの服や下着を洗うなど、身の回りの世話をすることが育児にとってはとても重要だからです。

子どもの面倒をみるという点で、親権者として相応しいと一般的に言われるのは、やはり母親です。最近は家事の得意な男性も増えてきましたが、まだまだ少ないのが現状でしょう。

家事能力以外にも経済力も重要。だたしそれだけでは決められません

子どもの養育にあたって「経済力」も非常に重要ですが、父親が子どもの養育費を払うのは当然の義務とする見方もあるため、母親の経済力がそのまま親権の判断に直結するということはありません。生活に必要な最低レベルの収入すらなければ別ですが、「父親の収入が2,000万円で、母親の収入が250万円だから、父親が育てるべき」という考え方は当てはまらないのです。

しかし、母親が病気がちだったり、精神疾患を患ったりしている場合は、子どもの養育能力に欠けると判断することもあります。

【ポイント5】親の生活態度はどうか?

親がどんな生活態度で毎日を送っているかということも、親権者を決めるうえではとても大切です。たとえば父親がパチンコにのめり込み、会社を休んでパチンコ店に入り浸っているような場合は、母親はとても親権者として父親を認めることはできないでしょう。

また、母親がブランド品に執着していて、家計収入の多くを自分のオシャレのためにつぎ込んでいた場合なども、親権者として子どもを安心して任せることはできません。

親権はさまざまな要素を考え、総合的に判断を

親権をどちらが取るかを夫婦で話し合う場合は、このようにさまざまな要素を考えながら、「どちらが育てるのが子どもにとって幸せか?」を総合的に判断する必要があるでしょう。まずは夫婦でしっかりと話し合い、どうしても折り合いがつかない場合は、調停などの次の手段を考えることです。

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